何てことだ…奪われた俺の初めて…
ああ…とうとう…
「第一回子作り談義」
デカデカと部室の黒板にそんなことを書き出してある。
俺はこの学校に入ったこと自体が間違いのような気がしてならない。
よくよく考えれば、ゲーテが言っていた。「もっと光を」
…いや、今の言葉、使うところ違くね?先人の言葉を浅知恵で使っちゃまずくね?
「さて、前回はいいところで切れてしまった。今回からセクハラ…もとい、海斗の性癖チェックを行なおう!」
「うわぁ!もうセクハラを隠す気もねえのか!」
「第1問。巨乳と貧乳はどっちがすき?」
「い、いや…別に普通で」
「つまらん。第2問」
…折角答えたのにひどい仕打ちだ。
「ストライクゾーンの年齢範囲は?」
「えーと…上下2歳くらいで…」
「普通だ。つまらん」
「面白さを求めてるのかよ!」
「第3問。SとM、どっち?」
「し、知らないよ!!」←現在は若干Mモードな感じです。
うわぁ!!何かセリフの横に余計なことを書かれた気が!!
「反応的に若干Mだな」
「…もう勝手にしてください」
「第4問。オ○○ーするときの手はどっち?」
「うわぁ!!恥ずかしげもなくこの人は淫語言ってるよ!!」
「で、どっちだ?」
何かこの人の息が荒くなってるんですけど!!
「弟君。ちなみに私は右手だからね〜」
「あなたが何を言っているのか僕には分からないな〜。アハハハ…」
それにしても何で俺はこんな部活にいるんだろ?
「で、どっちだ?!」
この人たちは親父かい!!
「み、右手です!」
「左は使わないのか?私は使えるぞ?」
「この会話を誰か止めてーー!」
「第5問。よく見るAVの種類は?」
「し、知りませんよ!!」
「なるほど。雑種か。ゲイも見ているのか」
「そ、それ以外で!!」
「それ以外はよく見ているのね」
「うわぁ!揚げ足を取られた!」
アクアさんにがっちり上げ足をとられてしまった。
俺に救いなどなかったのだな…助けてジーサス。
「第6問。私たち3人の誰かと子作りする場合、誰とがいい?」
「な、なんだこの質問?!」
「言葉の通りよ」
「私は弟君と子作りしたいな〜。ああん!弟君激しすぎる〜!そんなに縛らないでよ〜!興奮しちゃうよ〜!」
…選べないんだけど。何かどれを選んでも地雷。俺的にはアウトな気がする。
誰か助けて…
「さあ誰だ?!」
奈緒美先輩がニコニコ…いや、ニヤニヤしていた。何てSな人間だ。
「私を選んだらムフフな展開があるかもよ」
アクアさんにはもう騙されないぞ。絶対罠だ。これに引っ掛かるものか!
「あん!いいよ!!私としようよ〜!」
…聖子先輩は一人で妄想の世界の中らしい。ダメだこの人…早く何とかしないと…
「俺は…右手でいいです」
「…」
「…」
「…」
そしてその場に静寂が訪れた。何かまずいこと言ったか?
ガラガラ
「?」
そのとき、部室の扉が開いた。俺的にはここの扉を躊躇なくあける人物にびっくりなのだが。
「集まってるね若者達〜。お、新入部員じゃない」
俺以外の3人の部員はみんなこの人に頭を下げて挨拶していた。
この人は一体何者?!
あの3人が頭を下げて挨拶するなんて!!
「彼女は顧問よ」
「あ…」
そうですよね〜。普通に考えればそうですよね〜。
「私は山手なつめ。この愛研究部、略してアイケンの顧問だ!!」
その女性教師は偉そうにふんぞり返って名乗った。
そして俺に近づいてきた。
「では新入部員に挨拶せねばな」
「え?!んぐっ!!」
俺はいきなりこの顧問の先生にキスされた。
「んんっ!!」
俺の口の中に先生が舌をいれ、嘗め回す。
頭がおかしくなりそうだ。
その状態がしばらく続き…
「さて、挨拶も終わったことだし」
「…先生。彼が失神しています」
「あ、長く息を止めすぎたかな?」
俺のファーストキスはこうして奪われた。
悲しすぎる…
…ちょっと!どこまで見てんのよ!
登場キャラ紹介
川崎聖子
海斗より二つ年上の3年生。
血の繋がらない弟を欲しがる、言うまでも無く変態。
身長は162センチで、スタイルは普通。だが、かなりの変態。というか多分一番だと思われる。
奈緒美とは親友で、肉体関係もある。
海斗を誘惑することに今はハマっている。