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アイケン  作者: 霞川悠
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女装ストーカー変態男

俺はもじもじしていた。理由なんて言わずもがな。

初めて、女装をして往来を歩いているのだ。

こんなことがバレてしまったら……


「ねえねえ、君、一人?」


「俺達と遊ばない?」


……またか。

何か知らないけど、俺に話しかけてくる男が異常に多い。

まあ時間も時間だからかもしれないが。今は、午後5時。

目的地はアクアさんの家。俺は近くに待機して、ナギサが彼女の家に入るという算段だ。


「(ご主人様、モテモテですね)」


「(お前、帰ったらどうなるか分かってるんだろうな?)」


俺も随分と攻撃的になったものだ。

それにしても……


「ねえねえ。シカトしないでよ」


「そうそう、俺達はそこらへんの男たちとは違うよ?」


「……」


声を出したら、俺が男だということがバレてしまう。

必然的に、シカトになってしまう。


「いつまでその態度貫くつもり?」


「……」


何だか雲行きが怪しくなってきた。

いつもよりしつこいみたいだ。

こういうときは……


「(しつこい男たちですねぇ!! もうプンプン!!)」


「(婚期を逃した女性のものまねかよ)」


「(そんなつもりはなかったんですけど、ただ、ご主人様が穢されないか心配で……)」


「(安心しろ。手は打ってある)」


俺は男たちの方に笑顔を向けて振り向く。


「お?」


男たちが俺をニヤニヤと見る。

俺は男たちの後ろを指差す。


「「え?」」


男たちが後ろを向いた。

今がチャンス!! Bダッシュ!!

俺は全速力でその場から離れた。


「(わー! わー! ご主人様!! スカートの中身が!!)」


「(こんな短いスカートしか持ってなかったナギサが悪い!!)」


「(だってぇ!!)」


「(帰ったら、お前のコスプレグッズを処分だ)」


「(ひどいっ……)」


俺は追ってこないのを確認すると、息を整えた。

ああ……少し回り道してしまった……

俺は溜息を吐くと、再び歩き出した。

もう変な男に捕まりませんように……!!


「ねえねえ」


「……」


歴史は繰り返されるものである。






















「はぁはぁ……」


結局、本来1時間以内に着くはずだったアクアさんの家に、2時間もかかってしまった。

もともと駅からかなり遠いのに、殊更に遠く感じた。


「(ご主人様、誰か来ます!)」


「(気配を消す。お前も)」


「(はい!!)」


二人で物陰に隠れて気配を消した。

一歩間違えればストーカーであるが、女の子の格好なので、意外と怪しまれなかった。


「(あれは……!!)」


「(アクアさん!?)」


家から出てきたのはまさかのアクアさんだった。

時刻は午後6時。

こんな時間に彼女はどこへ向かうというのだろうか。


「(後を付けましょうか?)」


「(……かなり俺は離れるぞ。でもお前はある程度まで近づくんだ。だが、あまり近づき過ぎるな。あ、それと俺の携帯を持って行け。霊的な意味で、ある程度俺から離れられるようになるはずだ)」


「(ええ……分かりました)」


「(お前も気が付いているだろうが、予想外に隙が無い)」


「(そうですね)」


アクアさんは意外と手練てだれのようだ。

俺達を容易に近づかせてはくれない。


「(ミッション開始)」


「(はい!!)」


そして俺は予想以上にノリノリだったりする。


「(定期報告忘れるなよ)」


「(はい)」


俺とナギサは距離を開ける。

だが、ある程度までしか距離は開けられない。

俺を感じられる距離という制限つきだからだ。


「(アクア様は何やら繁華街の方へ向かう模様)」


「(げっ……)」


ナギサから報告が来た。

俺はその報告に嫌な顔を隠そうとしなかった。

さっきまで酷い目にあっていたから。


「(アクア様が男たちに話しかけられますが、シカトしています)」


「(そんな奴らばっかりか? ここらへんは)」


「(その男たちが今度はご主人様を……)」


「(分かった。みなまで言うな……)」


俺の前に男たちがやって来た。

悪夢、再び。


「ねえねえ」


「……」


だが、シカトでOKだったらしい。

アクアさんもシカトでOKだったんだから、ダメだったら不公平だ。訴えてやる。


「(アクア様がファミレスに入っていきます)」


「(ファミレス?)」


「(私も行きましょうか?)」


「(……分かった。そうしてくれ)」


ナギサは元気よく返事して、即行動に移した。

俺もファミレスに行こうとする。

しかし、誰かに肩を掴まれた?


「何……」


「見つけたぜぇ……さっきぶりだな」


「なめた真似しやがって……」


まさか俺が前に捲いた男共が俺に再び絡んでくるとは……

アクアさんのことに気を取られて、すっかり忘れていた。

こういうしつこい奴らもいるということに。


「(ご主人様?)」


「(悪い、ナギサ。ちょっと遅くなる)」


「(え? え?)」


ナギサの困惑する声が聞こえたが、それは無視した。

まさか、女の状態で喧嘩をするとは思わなかったが。


「(いいから、お前は先に行け。ちょっと野暮用だ)」


「(まさか……お手洗い……)」


「(興奮せんでいいから、早く行け)」


「(は、はい!!)」


ナギサを何とか捲き、俺は男たちと向かい合う。


「へっへっへ……ちょうど人がいないところだしな……」


「……」


周りに人がいない。どうやら、知らないうちに路地裏に入っていたらしい。

相当集中していたようだ。

だが、奴らは俺を女だと思っている。そこが、隙になるだろう。

次回、まさかのバトル回!?




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