アイケン外伝だいばけ 触っちゃいやぁ
更新するの、忘れてたああああああああ!!!
幾重にも張り巡らされたトラップを潜り抜け、俺はたどり着いた。我が家に。
そして父からの死刑宣告。
「お前は死ね」
い、いやいやまだ早いって!!
でも何となく嫌な感じがするのは確かなんだよな……
「久しぶりだね海斗」
「北斗従兄さん」
俺に話しかけてきたのは、従兄の北斗さん。
人をからかうのが趣味の困った人だ。
「今日、当主が刀を研いでたんだけど、どうしてだと思う?」
「え……」
この人はからかうのが趣味の人! からかうのが趣味の人!
「じょ、冗談ですよね?」
「南未に訊いてみな? 同じこと言うと思うよ」
「そ、そんな……」
北斗従兄さんの顔はニヤニヤしていた。
この人、素で俺の今の状況を楽しんでる……
「海斗。占いではこう出てる」
「お、おう何ださみゅ」
彼女は俺の従妹の西海。言いにくいので、みんなさみゅと呼んでいる。
こんな名前を付けた哨空叔父さんは、何を考えていたのだろうか。
本人いわく、夢に出てきた世界樹が教えてくれたらしいのだが……信憑性に欠ける。
「自らの道を切り開くのは自分。でないと、死ぬ」
「な……」
さみゅまで俺を脅してくる。
みんな俺に恨みでもあるのだろうか……
「(なぁ、さみゅ、それって人間誰しもそうじゃないか?)」
「(北斗は黙ってて)」
「(へいへい。さみゅのお好きなように)」
「どうした?」
何か北斗従兄さんとさみゅが話していたようなので、気になったので訊いてみたが、二人とも肩を竦めた。
「?」
俺は道場へと歩いていくことにする。
足取り重いけど!!
「海斗」
「南未従姉さん!」
道場の入り口で南未従姉さんが俺を待っていた。
「久しぶりね。見ない間に背、伸びた?」
「どうかな?」
「ふふ、それで……後でお姉さんの部屋に来ない?」
「い、いえ……遠慮しておきます……」
この南未さんと言う人は、俺の姉さんと波長が合うためか、性格も少し似ている。
まあつまり……俺を誘惑する人間ということだ。
従姉なだけに、タチが悪い。だって結婚できるし。
「大丈夫よ、真紀とは違って同意を取るから……ね?」
「そ、それじゃあ俺に今、密かに薬を打とうとするのにも同意を取って下さいよ!」
「気づいてたのね……」
そしてさりげない行動で俺を陥れることをする人でもある。
だからか、俺はこの人の部屋には一度も言ったことが無い。
そして南未従姉さんは、注射器をポケットに仕舞い込んだ。
「とりあえず、死にに行きますよ」
「死ぬ前には精子を頂戴ね。実験に使うから」
「何のだよ!?」
俺は彼女と別れて、道場への入り口の前に立った。
まずは深呼吸。すーはーすーはー。
よし、準備完了。
俺は道場の扉を思いっきり開けた。
「やはりな!」
その途端に、3本の矢が俺に向かって飛んできた。
俺は道場の扉でそれを防いだ。
「一応俺も台場家の人間ですからね……」
「ふん。今の攻撃、防げて当然だ。台場家の人間ならな」
「って陸斗もか!?」
「そうだ。あいつはすでにジャングルで1カ月過ごしたことがある」
「げっ! 何つう小学生だよ……」
陸斗もあんな優しそうな顔をしておきながら、実際はかなりのやり手らしい。
将来有望と言うところか。
「さて、貴様。女にうつつを抜かしているようだな」
「な……!!」
父が俺に信じられない言葉をぶつける。
俺が女にうつつを抜かす? アイケンメンバーのことか?
笑えない冗談じゃないか!!
「真紀の情報によれば、貴様は普通の女に貞操を奪われかけたらしいじゃないか」
「ね、姉さんの情報か……」
どうやら姉さんは俺の監視を任務としていたらしい。
あの人、結構侮れないな。
「ですが……姉さんや南未従姉さんはともかく、普通の女の子には護身術なんて使ったら死んじゃいますよ!?」
「そうだな、だからそれに関してはどうでもいい」
「いいんかい!!」
父の変わり身の早さには付いていけない……
いや、これがペースで翻弄するという奴か……!!
↑(考えすぎ)
「問題なのはその右手だ」
「うっ!」
「喧嘩素人のヤンキーごときにそんな傷を負わされおって……」
「返す言葉もございません」
「と、いう訳だ。お前には試練を与える」
「試練?」
俺は首をかしげる。
「貴様の負傷は油断と隙が生んだものだ。よって、お前を今から一週間、つまり1学期の終業式まで人に触れることを禁止にする」
「は?」
「分からぬか。人に触れることを禁止する。つまり、握手、肩たたき、その他もろもろ、この家で人との接触を禁じる。もちろん、この家の敷地内から出ても厳罰だ」
「マジか……」
良く分からないけど、意外と楽そうだ。
「一つだけ言う。油断すると、すぐに終わるぞ」
「……」
俺は気を引き締めて、道場を出た。
「ふぅ……」
「痛っ!」
「?」
そのとき、俺の前で南未従姉さんが転んでいるのが見えた。
何でこんな変なところで……
「あ、海斗。ついでだから助け起こしてくれる?」
「あ、はい」
俺は彼女に手を伸ばそうとする。
『人に触れることを禁止にする』
「!!」
「もらった!!」
「くっ!」
俺は急いで南未従姉さんから腕を引っ込め、距離を取った。
「さすがの反射神経ね」
「南未さん、どういうつもりですか?」
「そんな怖い顔をしないの」
俺はいつの間にか南未さんを睨みつけていたらしい。
昔の癖が出てしまったようだ。
「海斗に嫌われたら嫌だから教えてあげる。私たちには褒美を与えられたの」
「褒美?」
「そう。海斗に触れた者のみが得られる褒美。私の場合は……海斗の精子」
「はいいいいいいいい!?」
「覚悟することね!」
俺の地獄(?)の日々が今、始まった。
というか今までの緊張感返せ。
感想と評価を出来るだけしてください。
……あまり放置されるとモチベーションがまた低くなるので……