アイケン外伝だいばけ 我が家への帰還
アイケンの好きなキャラクターを書いてくれると助かります。
目標とかを決められるので。
木々が生い茂る森の中……
耳を劈くほどの蝉の声。
俺はそんな森、いや、ジャングルを歩いていた。
「そこかっ!!」
俺は飛んできた矢をサッとかわす。
俺の心臓を狙ってやがった、今の一撃。
やべえよ、本気で俺を殺るつもりらしい。この一家は……
だが、やっぱり顔を出さなきゃまずいよな……台場家には。
「ヤッホー!」
「来たわよ」
「来ましたです~」
「折角来てやったんだ。歓迎しろ」
「何ですか。みなさんお揃いで」
テストが終わり、二学期が終了するまでの数少ない間、そう、いわゆるテスト休みだ。
それの到来と同時に、アイケンメンバーも俺の元に到来したのだ。
迷惑極まりないですよ、全く。
「遊びに来たに決まってるだろ。お前で」
「えーとその……すいませんがそれは無理です」
「は?」
俺の言葉にアイケンメンバーは目を丸くする。
「俺、今から実家に帰るんです」
「何だと!? 連れて行け!」
奈緒美先輩がそんなことを言う。
だが……彼女たちを巻き込むことは出来ない!
「駄目です!」
「どうしてかしら? そもそも実家帰りにそんな軽装だなんて……おかしくないかしら?」
「そうなんですけどね……この格好で無いといつ殺されるか分かりませんから」
「「「「はい?」」」」
「まあ詳しいことはナギサに言ってあります。彼女は事情に詳しいのでそっちに訊いてください。それでは……」
「「「「……」」」」
俺は足早に家を後にする。
時間をかければかけるほど、俺の身が危険になる……とにかく……急ごう!!
俺は振り返らずに走った。アイケンメンバーには悪いが、命の方が惜しい。
と、言うわけで俺は今、実家への道のりを歩いているのだ。
今はその手前のジャングル舗道。トラップなんて当然だ。
「はぁ……俺は負けないぞ……!」
俺は半年ぶりにこのスリルを味わうこととなった……
―台場家―
「海斗はもうそこまで来てるそうよ」
海斗の母親、台場家経理担当、台場由紀、4●歳。
「お兄ちゃんが?」
海斗の弟、台場家期待の新星、台場陸斗、10歳。
「でも、ここまで来るのに生き残れるのかなぁ?」
海斗の従兄、台場家開発担当、台場北斗、25歳。
「何ですって……? 兄さんがやられるとでも?」
海斗の妹、台場家家事担当、台場亜紀、14歳。
「例えの話じゃない。熱くならなくても、彼の強さは分かるでしょ?」
海斗の従姉、台場家医療担当、台場南未、20歳。
「そんなの当然よ……」
「ま、最低でも俺のトラップはクリアしたようだぜ、あいつは」
海斗の叔父、台場家警備担当、台場哨空、48歳。
「一難去ってまた一難……フフ……」
海斗の従妹、台場家情報処理担当、台場西海、13歳。
「あなた、帰ったらどうするのです?」
「どうもこうもない……性根を叩きなおす」
海斗の父、台場家当主、台場正空、50歳。
「こりゃ、帰ったら大変だな。兄さん、ほどほどにしなよ」
「分かっている」
これにて台場家の風景終了。
落とし穴、電気網、岩落とし、爆弾、数々のトラップを何とか避けて、俺はとうとうたどり着いた。
懐かしい我が家に。
門の両側にある獅子の銅像が俺を睨みつける。
帰って来てしまった……ここに。
出迎えは……
「兄さん!」
「お兄ちゃん!!」
「陸斗! 亜紀! 久しぶり……って亜紀はそれほどでもな」
「兄さんのバカぁ!!」
「ぐおっ!!」
帰って来たとたんに俺の首を締め上げる我が妹。
我ながらバイオレンスな妹を持ったものだ。
「お兄ちゃん、帰って来てくれたんですね!」
対照的に、純粋に俺を慕ってくる我が弟、陸斗。
全くもって嬉しい限りだ。どこかの妹もこれくらい優しくしてほしい。
「そ、そろそろ離してくれないか……」
「はっ! 何勝手に死にかけてんのよ兄さん!」
「お前が殺しかけたんだろうが!!」
「それよりお兄ちゃん……父さんがお待ちです」
「う」
何だか嫌な予感が漂うのだが。
俺、死ぬ?
「亜紀、陸斗、後は頼んだぞ」
「くだらないこと言ってないでさっさと行きなさい!!」
「お、おう」
俺は亜紀に背中を押され、台場家の屋敷の中に足を踏み入れた。
内装は半年前と変わっていないようだ。そりゃま、当然か。
「戻ったか」
「!?」
俺は声の聞こえた上を見る。
そこには、俺の父親が俺を見下ろして立っていた。
「と、父さん……」
「挨拶はどうした?」
「た、ただいま帰りました……」
「ふむ。一通り挨拶を済ませたら、道場へ来い」
「は、はい……」
俺はこれからどうなってしまうんだ!?
※アイケンはエロコメです。
アイケンはどこに終着するのか分かりませんね