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アイケン  作者: 霞川悠
22/43

お食事にしますか? お風呂にしますか? それとも…

新キャラ登場の回。

「長かった…」


雷が外で轟く間に、真っ暗な部屋で少女が微笑む。


「ついにやって来ました…このときがっ!」


その威勢の良い声とともに雷が鳴る。


「思えば封印されて約50年! ついに私の時代がやって来ましたっ!!」


そう少女は言い放つと、フッフフフと笑いながら暗闇に消えた。



















ある時代、ある場所、乱れた学校の片隅、俺は身を守るために処世術を覚えていった。

そんなことを繰り返していたある日、俺は体に軽い倦怠感を感じた。


「どうかされたのですか? 旦那様」


「あ、いや…」


歩ちゃんに心配され、俺はどう言うか考えた。

何せ、体がダルいだけなので、言うほどのことじゃないと俺は感じた。


「何でもないんだ」


そう言って俺は周りを見渡す。

薄暗い部屋の中には俺と歩ちゃんの二人しかいない。

ちなみにここは部室です。


「二人…ですね」


「そうだな」


歩ちゃんが意味ありげな視線を俺に送るも、極力無視することにする。


「二人っきりですね」


「そうだな」


歩ちゃんが俺に体を寄せる。

だが、何で俺をここまで気に入っているのか理解しかねるのだが…


「旦那様は好きな人っているんですか?」


「Likeなら。Loveはいない」


「まさか旦那様って…同性好き?」


「違う!! それは断じて違う!!」


そんなことは周りから思われたくない。

愛の形は人それぞれなのであるが、それが周りの人達が異質だと感じれば異質なのである。


「でも私達があれだけ言い寄っても、あまり反応しませんよね?」


「そりゃあ君達が俺をからかって誘惑しているからだろうが」


「…」


突如黙り込んだ歩ちゃん。

何やら複雑そうな顔をしている。


「どうしたんだ?」


「旦那様は私達に魅力を感じないんですか?!」


「はい?」


俺は首を傾げる。


「だっておかしいじゃないですか!」


歩ちゃんが俺に詰め寄る。


「本当に何とも思わないんですか?!」


妙に必死そうな歩ちゃんを見て、俺はため息を吐く。


「いや、みんな魅力的だと思うけどさ、俺はもっと普通で良いんだよ。それに、今は恋愛にそんなに興味が無い」


俺は本心を言うことにした。

大体俺に何を求めているんだ?


「そうなんですか…今流行りの草食系男子って奴ですね!」


「まあそうなんのか?」


「では早速です! 家に泊めて下さい!」


「何でそうなる?!」


「草食系男子なら安心です! だから泊めて下さい!」


「意味が分からんし、断る!!」


俺の平穏な生活は無いのか〜!


「じゃあ仕方ありません…」


あれ? 意外と楽に引き下がったぞ。


「今日は誰も来ないようなので帰りましょう」


「そうなのか?」


「だって今日は部活は休みです」


「早く言え〜〜〜〜〜!!」


俺達は学校を出て、それぞれの帰路についた。歩ちゃんも呆気なく引き下がったので、楽だった。

さあ、後は家でまったりするだけだ。
















「お帰りなさいご主人様」


「………………………は?」


呆気に取られるとはこのことを言うのだろう。

俺は家に帰り、ドアを開けたときのそのセリフに固まった。

目の前にはメイド服を着た一人の少女。

しかも正座しながら頭を深く下げるという格好。

な ん だ こ れ は ?


「夕飯はもう作ってあります。食事にしますか? お風呂にしますか? それとも…」


「せ、説明が先だろうがぁぁぁぁ!!」


俺は近所迷惑なくらいに大きな声で彼女を怒鳴り付ける。

そもそも俺は彼女なんて知らない。

でも向こうは俺のことを知っているようだ。


「あん!! そんな…大きすぎますわ…」


「声がだろ?! 主語を抜くな!!」


「ご主人様は私にどんな体位をお望みなのですか?」


「誰もそんなことは言ってない! まず君は誰?! どうしてここにいる?!」


俺は頭を抱えたくなる気持ちを抑えながらも、言葉を言い切った。


「あ、言い忘れていました。私はナギサと申します。今日から自主的に海斗さんのお世話をさせていただきます」


「ナギサ…っていうか自主的?! 爺ちゃんに言われたとかじゃなく?!」


「まあそれはいいじゃないですか。私の自由ですし」


「っていうか君はここにどうやって入ったの?! 不法侵入だよ?!」


「何を言ってるんですか? ずっと側にいたじゃないですか」


「は?」


俺の思考が急停止する。

これはまさか…アレなのか?


「私、幽霊ですから」


「やっぱりぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」


俺は今期一番の絶叫を上げた。


期限が刻一刻と迫ってくる…

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