表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイケン  作者: 霞川悠
2/43

ちょっと待って!俺を殺さないでください!

アイケンスタート。

まだまだ過激じゃないですね…

桜の花びらが舞う。そんな季節…つまり4月。今日はとっても天気もよく、運勢もいい。こんなについている入学式は中々ない。

俺、台場だいば海斗かいとは今日から私立創世学園に通う1年生である。創世学園…そう、名前はものすごいのだが、実際は創立者がインパクトのある名前を付けようと考えたらしい。多分創立者はア○エリ○ンとは何も関係がないと思われる。

それはともかく、俺は晴れてこの学校の1年生となれたのだ。思えば去年、受験で死ぬほど苦労し、苦労し、毎週読んでた週刊少年ジャ○プを読むのを諦めるほど頑張った。それほど去年はすごく勉強をした。

思春期の男子に訪れるムラムラ感も出来るだけ我慢し我慢し、ついに手に入れた自由!すなわち幸福!

俺の人生は今日からまたハッピーなものになる…そう確信しなければいけなかった。

まだ学校にも行ってないのだが、俺はもう浮かれに浮かれて緩みきっていた。

部活や友達との交友…そしてムフフな展開!全てに期待しまくりだ!


「オイ、ボスどうします?」


「フン…殺せ」


「ん?」


俺は桜の木の隣で立ち止まる。

何やら人が話しているようだ。しかも結構物騒な…


「じゃあこいつは?」


「関係ない。刃向かうものはみんな殺せ」


「?!」


これ、ヤバイんじゃないか?!桜の季節に似合わない単語が死ぬほど聞こえてきたんですけど!!

俺は頭を抱えながらどうするか迷った。


「おいそこのお前」


「うえっ?!」


み、見つかった?!

俺に黒ずくめの服装の二人組みが近づいてくる。


「今の話、聞いたか?」


「ええ?!何のことですか?!」


な、なんでこんなことになってるんだよ俺は!!

今日は運勢も良くて…ハッピーな一日になるはずじゃぁ…


「何も聞いていないの?」


声的には女性だ。しかし、サングラスのおかげで俺はビビリにビビリまくっている。


「そ、そうです!僕は貴方達がどなたかも知りませんし、さっきここを通ったばかりなのです!」


「そう。じゃあちょっとこっちに来なさい」


「ええ?!だ、だから僕は…」


「来なさい」


「は、はい!!」


俺は声を裏返しながら返事した。だって怖いし。


「こ、ここまでですか?」


俺はその女と2歩ぐらいの距離で立ち止まる。

ここでナイフとか拳銃とか出されて…うわぁぁぁぁぁ!!


「もっと近くだ。吐息のかかるぐらいの距離でもいいぞ?少年」


「ええっええ?!」


どうすればいんだ?!

とりあえず言われたとおり近づかなくちゃ…殺される!!

俺はゆっくりと近づき、とうとう半歩ぐらいの距離まで来た。


「いい子だ。手を出して」


「て、手?」


俺は混乱した。どういうことだ?


「右でも左でも両方でも。さっさとしなさい」


「は、はい!」


俺は左手を出した。失うならせめて利き手じゃないほうで…!!

俺は泣きそうになりながらも我慢した。


「さて…」


女は俺の左手を取った。

ほ、本当に斬られる?!撃たれるのか?!

女はその俺の手を自分の胸に当て…胸に当て…


むにっ


「?!」


俺は硬直した。

な、何が起きたんだ?!い、いや分かるけど…分かるけど…


「揉んだわね?」


「ひ、ひぃーーっ!!」


今度こそ殺される!何で俺は指を曲げてしまったんだ!!


「い、命だけはお助けください!」


俺は土下座しそうな勢いで頭を下げた。


「ならばこれに自分の名前を書きなさい」


「は、はい!!」


俺は無我夢中でその紙に自分の名前を書いた。

いったい何の紙だったんだ?


「そう…台場海斗というのね?」


「は、はい!!」


女が少し微笑んだ。これは助かるかもしれない…


「…っしゃあ!!!」


「やりましたね!!」


「しっかりと揉んだシーンは写真に収めました」


「え?え?」


何か突然俺を脅してきた女はガッツポーズをし、隣にいた人は自分のことのように喜び、草むらの影から出てきた女の子はカメラを片手にVサインしていた。


「な、なんですか?」


「ふっふっふ…台場海斗よ!創世学園愛研究部へようこそ!!」


「は、はぁ?!」


俺は、突然サングラスと黒いコートを脱ぎ捨て先ほどまで俺を脅していた女性を見つめた。

素顔は結構美人だったとかそんなことを考えている場合ではない。


「キミは今、入部届けにサインしただろう?証拠がここに!」


そして俺に見せてきたのは、先ほど俺が名前を書いた紙だった。


「な、なんなんすかその愛研究部って!」


奈緒美なおみちゃん、新入部員が興味深々よ」


どうやら俺を先ほどまで脅していた女の名前は奈緒美と言うらしい。


「愛研究部っていうのはね…」


「愛研究部っていうのは…?」


「次回説明しよう!!」


「次回かよ!!」


「だって早くしないと入学式遅刻だぞ?」


「うわぁ!!」


俺の学校性活はこうして始まった

ん?誤字じゃないのかって?

じゃあそういうことにしよう。



まさかこれを執筆してしまうとは…

随分と血迷ってしまったようです。


登場人物紹介



台場海斗


創世学園新入生。超ラブコメ体質。まあ説明しなくても分かりますよね…

家族構成は祖父、祖母、父、母、姉、妹、弟。自分は長男。現在は一人暮らし。

一人称が安定せず、俺と僕を場合によって使い分ける。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ