押し倒されたか弱き乙女、アクア
今日、小説家になろうがまさかのリニューアル?!
何かいろいろ変わって大変です。というかアクセス解析が見れないんですけど。
「アイケン活動約10回、現実と空想の間」
アイケン部室の黒板に奈緒美先輩がそんな文を書いた。
つうか約10回と書いている時点でこの部活のやる気の無さが浮き彫りになっている。
「さて、愛…それは形の無いもの。それは儚いもの。それは美しいもの…」
奈緒美先輩が恍惚な表情を浮かべながら言った。
ついでに目もイった。
「しかし、愛とは中々得難いものである」
何か真面目な話をしているようなのだが、怪しい。
何かを覆い隠している気がするのは気のせいだろうか?
「だから人は空想するのだ。愛を求めて。すなわち妄想。自分勝手に物事を捉え、考える。それが妄想」
「…」
何か話が変な方向にずれてきたぞ。
「さて、海斗」
「う…」
また下ネタが来るか…?!
「お前はどんな妄想が出来る?」
「へ?」
どうやら下ネタ一直線ではなかったらしい。
変化球も使えるようだ。
「いや、俺はあんまり妄想なんて…」
「これだからゆとりは」
「あんたらだってゆとりだろう?!」
「フッフ。海斗をからかうのは面白いなぁ。つい癖になる」
「…」
何で俺はこんな部に所属してるんだろう?
「今日は海斗の妄想力を鍛える活動だ」
「はいぃぃぃぃ?!」
すると、俺以外の部員の4人が俺を囲い込んだ。
何する気でやがりますか? アンタらは。
「大丈夫だ。今日は直接的なセクハラはしない」
「間接的か?!」
「まあ聞け。私達とお前が性行為をするという妄想をお前がしろ」
「何でだよ?! R18になるぞ?!」
そんなことをしたらアイケンは…
「作者も分からないらしいのよ。どこからがR18なのかが」
「作者って何?!」
アクアさんの口から変な言葉が飛び出した。
「だから、今回はどこまでがR18なのか、検証をしてみよう、ということだ」
「ちょっと待ってよ! 確か18禁は、直接的な性描写、性器の名前が書かれている場合らしいですよ!」
「何故お前がそれを知ってる?」
「そ、それはともかく! とにかくそういうことですから!バーチャルでもそんなことは出来ません!!」
説明口調有難うございます、俺。
「じゃあどこまでが18禁じゃないんだ?」
「俺の口から言わせるんですか?!」
「女の子にお前はそれを言わせるのか?」
「今更なんでそんなことを気にするんだよ?!」
「いやいや、いいから教えてくれよ」
奈緒美先輩にじわじわ壁へと追い詰められる俺。
あれ? 何で俺、追い詰められてんの?
「じゃあ私が詳しく説明するわ」
「ア、アクアさん…」
アクアさんがスクッと立ち上がって黒板の方へと向かった。
どうやらマジで説明するらしい。
「じゃあねぇ…私と海斗で妄想するわ」
アクアさんの妄想が始まった…
かいと「俺、台場海斗。女の子とHするのが大好きな学生だぜっ!イイ女はいねえがあ?!」
そのとき、一人の女子生徒が通りかかる。
か弱き乙女アクア「はぁ…働いたら負けよね…」
かいと「ウホッいい女!」
かいとはアクアに近づく。
かいと「やらないか?」
か弱き乙女アクア「え? 何をですか?」
かいと「男と女がヤることなんて決まってるだろ?」
か弱き乙女アクア「え? …社交ダンス?」
かいと「違う違う! もっと気持ちのいいことだ」
か弱き乙女アクア「気持ちいいこと? …あ」
かいと「気づいたかい?」
か弱き乙女アクア「スカイダイビング!」
かいと「何でだよ?! 別に男女混合の必要ないじゃん!!」
か弱き乙女アクア「はぁ…じゃあ何でしょうか?」
かいと「とりあえず、俺の部屋に来い」
妄想一時停止。
「まあここまでは大丈夫よね」
「ちょっと待て!! 何で俺がケダモノ化してるんだよ! アクアさんもキャラ違うよ!!」
理不尽な妄想に俺は横槍を入れる。
「海斗。お前はバカか? それなら妄想の必要は無い」
「何?!」
「実際ありえないことを妄想したほうが面白いに決まっているだろ?」
「な、何てことだ…」
妄想って思ってた以上に奥が深い…
って騙されるな!!
「では続きを頼むアクアたん」
アクアさんが再び妄想を開始した。
かいとの部屋に連れてこられたか弱き乙女、アクア。
純粋な娘アクア「それで、どうしてここへ連れて来たんですか?」
かいと「今から教えてやるよ」
純粋な娘アクア「え?」
アクアはかいとに押し倒された!!
純粋な娘アクア「キャッ!」
かいと「へっへっへ…さっきから俺のマグナムが抑えきれねえんだよな…」
純粋な娘アクア「な、何をするんですか?!」
かいと「ショータイムだ」
かいとはアクアの服を破った。
妄想一時停止。
「アクアさん! これはマズイです! もう少し純愛チックにして下さい! これは強姦です! 犯罪です! 強姦は最低な犯罪行為です!」
ついでに作者の声も言ってあげた。
…は? 作者?
「そうね。でも純愛だとちょっと有り得ちゃうかもしれないでしょ?」
アクアさんが潤んだ瞳で俺を見る。
「え…」
俺とアクアさんの視線がぶつかった。
何を訴えているんだ? この瞳は?
「…」
「…」
俺とアクアさんが見つめ合う。
そういえばアクアさんって結構端正な顔立ちしてるんだな…
そんなとき、グイッと顔の向きを何者かに変えられた。
「え?」
目の前に見えるのは奈緒美先輩の顔だった。
「な、何ですか?」
「い、いや…何となくむかついただけだ」
「何にですか?」
「そうだな…あれ? 何で私はイラッときたんだ?」
アクアさんはそんな奈緒美先輩を見て笑った。
「何だアクアたん?」
「いえ、副部長って結構鈍感なんですね、と」
「は?」
奈緒美先輩はポカンとする。
「いえ。何でもないわ」
「な…!! そう言われると逆に聞きたくなる!!」
奈緒美先輩が不利な立場になるなんて珍しい。
アクアさんは何かを知っているのだろうか?
「そういえば聖子先輩と歩ちゃんは?」
俺は言い合いをしている二人に訊いた。
「そうね…二人は奥で…」
「レズってる」
「…」
この部活のダメさは世界一の自信がある。
そんな意味のない誇りを得た瞬間だった。
何か最近続き物が多くなってきている気がする。
次回の更新は10月中です。
実はR18バージョンのアイケンを執筆しようとしたのですが、断念しました。
ちょっとまだ自分には早かったようですね…