絶望した!この部活に絶望した!チート軍団に絶望した!
中身が無いとはこのことを言うのだな…
中間試験の結果が返ってきた。
いや、俺はいろいろ最近忙しかったんですよ。
アイケン部員達に家に押し入られたり、姉さんがハイジャックしてここにやってきたり、家で肝試しもしたり…
まあとにかく忙しかった。あー忙しかった。本当に忙しかった。誠に忙しかった。真に忙しかった。かなり忙しかった。すごく忙しかった。超忙しかった。果てしなく忙しかった。究極的に忙しかった。働きバチ並に忙しかった。
しつこい? 上等。言い訳してなんぼだぜ。
いや、別に何かをひたむきに隠しているわけじゃないんですよ?
全然何も隠してませんってば。いやいや、隠すようなことなんてあーりませんよ。
隠し事なんて…ねぇ? 俺は主人公だし、する必要も無いって言うか…察されるというか…
と、とにかく! 全然隠し事なんてしていないんだからね?!
うっわ〜。俺キモ…すんげぇ…キモ…でもま、これで何とか誤魔化せたでしょう。
「海斗って勉強が全然出来ないのね」
「うっわぁ!!」
アクアさんが俺の上から登場する。
「気をつけろ!上から来るぞ!」
続いて歩ちゃんも俺の上から降下。パンツ丸見え。
「今日は旦那様のために勝負パンツです」
「言わなくて良い事実もあるんだよ!!」
「実は少し透けます」
「そんなものを学校に穿いてくるな!!」
そんな会話をしている俺たちの横で、アクアさんが熱心に俺の解答用紙を見ている。
つまり、俺の成績を見ていることと同義であり…
「英語30点。数学25点…」
「絶望した!!隠していることを公開させられる今の世の中に絶望した!!」
閣僚に次々と不祥事が発覚。
WI○Yによって個人フォルダがネットに流失。
酒○容疑者が覚せい剤を服用。
KA○-TUNのKとAの確執。
ふか○りょうの親戚のとある人。
h○deの身長。
ダ○ョウ倶楽部の熱くない熱湯。
その他大勢のズキャンダル。
「海斗、貴方の週刊誌的報道に絶望したわ」
アクアさんから鋭い指摘を受けられた俺。
あ、少し事実と違うこともあるかもしれないよ?
「それはともかく、貴方ってこれだけ勉強が出来ないなんて…ねぇ?」
「そうですね〜」
歩ちゃんは俺の2倍いや、科目によっては3倍以上の点数を取っていた。
予想外に頭が良いんだな…
「アクアさんは?!」
「私はいつも通り学年トップ」
「ええ?! 何ですかそれ! チートですか?!」
「チートでもプロ○クションリプレイでも無いわよ」
アクアさんの顔は自信に満ち溢れていた。
なんだかもう自分が情けなくて情けなくて…
「そ、そうだ!!」
俺はアイケンの部室に入り、奈緒美先輩と聖子先輩にも成績を訊くことにした。
そうだそうだ!一人くらい成績が悪い人がいてもおかしくない!
「部室に行こう!!」
俺たちは部室に行くことにした。
「私か?いつものとおり学年トップだ」
「はいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ?!」
奈緒美先輩の口から信じられない言葉を聞いた。
「さすがだね奈緒美ちゃん。私は2位だよ〜」
「そうだな聖子はいつもル○ージだな」
「だったら奈緒美ちゃんはマ○オになるよ?」
「いや、ワ○オよりは良いと思っている」
何だこの人たちは…
会話のレベルは正直アホみたいだが、侮れない奴らだ…
何というチート軍団!!
全盛期のSSラ○ィオやヴェ○ディ川崎、阪○タイガースみたいな奴らだ…
「それよりも童貞少年」
「その名前を口にするのは部室だけでお願いします」
「お前ってまさか…落ちこぼれ?」
「ガーンOTL」
直接的に言わないでよ〜。
まあ奈緒美先輩らしいけどさ。もっとオブラートに頼むよ〜。
隠れたバ○ァリンの4分の一でもみせてよ〜。
「大丈夫!私が弟君を手取り足取り腰取り見てあげる!」
「ハァハァしながら近寄らないで!!」
聖子先輩の目は完全に猛獣だった。
ダメだこの人たち…早く何とかしないと。
「じゃあ次の話の内容は決まったわね」
「はい?!」
次の話って…アクアさんは何を言ってらっしゃる?
「海斗のドキドキ勉強会。アイケンメンバーによるイイコト教えてア・ゲ・ル」
「うわぁ!その言い回しは俺のベッドの下からかよ!!」
何て記憶力のいい人たちだ。
「じゃあ報酬は前払いで」
「こうなることも予測済みだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
このあと海斗を見たものは誰もいなかった…
「何でだよ!!」
俺は全裸で地の文にツッコミを入れたのだった…
本当はもっとストーリー性のあるものを執筆したかったけど、労力の問題が…