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アイケン  作者: 霞川悠
14/43

お姉ちゃんが何でもしてあげます!

妄想の果てに生まれたエロ姉。


それが台場真紀なのである。


プルルルル…♪


GW最終日、早朝…午前3時に家から電話が掛かってきた。

つうか迷惑です。こんな時間に電話は迷惑です。


「もしもし。あら海斗」


「何で電話に出てねえのに声が出てんだよ!しかもアンタがかけたんだろ!母さん!」


声の主は母さんだ。

特徴として、勝手に電話を繋げることが出来る能力を持つ。

何その能力…いらねぇな…

まだゴミを木に変える能力や、手ぬぐいを鉄に変えたりする方がSF的には面白い。

つうかこれはSFじゃないか…


「ねえ海斗、あまり言いたくないんだけどね…」


「え…」


何を言うんだ?このお方は。


「真紀がそっちに向かったかもしれないの」


「さ、今日はホテルでも借りるか」


俺は荷物をまとめて出て行く準備を整える。


「もう遅いかもしれないわ。真紀だもの」


「…まだ大丈夫だ」


ピンポ〜ン♪


「だぁぁ!!!この家族は夜中に人様の迷惑を考えないのか!!」


「うっせぇぞ!!」


隣の部屋から怒鳴り声が聞こえた。


「…どうやら海斗にも受け継がれているようね」


「黙ってください」


俺は仕方なく玄関に向かった。


「あの、どなたですか?」


「あなたの夜のパートナーです!」


「…警察に捕まらなかったの?」


「脱獄してきた」


「…」


この姉貴は脱獄クイーンと呼ばれ、犯罪社会では有名な存在らしい。

一説にはヤクザと繋がりがあるとかないとか…


「それでぇ…早く入れてくれる?」


「分かったよ」


「やった!今日は交わってくれるんだね!」


「そっちじゃない!」


俺達は一応小声で会話している。


「姉さんはモラルとかそういうの…考えるわけないか」


「当然でしょ」


「そうだよな…小学生の頃は万引き常習犯だったもんな…」


「そうそう。中学の頃は潮吹き常習犯だったもん」


「あえてそこには触れず、何しに来たんですか?」


俺は出来るだけ怖い目で姉を見た。


「ナニをしごきに」


「さ、お帰りはあちらで〜す」


「ちょっとぉ!ノッテよ少しは」


「ノッたらマジにするくせに」


「あ、分かる?」


「どれだけ長い付き合いだと思ってるんですか」


「そうだね。今の私達は70年間毎日、夜に頑張る熟年夫婦みたいだもんね!」


「せめて熟年夫婦だけでいいだろ!!しかも違うし!!」


この姉さんも下ネタばっかりだな…嫌になりそうだぜ。


「それで…ん?」


「…別の女の匂いがする」


「?!」


姉さんは俺のベッドなどの匂いを必死に嗅いでいた。


「これはあれね…ギリギリ交わっていないけど、Hなことを少し女の子としちゃった匂いね」


「?!」


な、なんだこの人…エスパーか?!


「白状しなさい!何をしたのかな〜?」


「ひぃぃぃぃ…」


姉の手が俺の股間に触れる。


「つうかドサクサに紛れて何やってんだよ!!」


「弟の生態観察。あ、日記もあるよ」


「消せ!それは失せさせろ!」


なんつーものを書いてるんだ。この姉は。


俺は荷物を持って外に出ようとする。

もうここにはいられない。いや、いたくない。


「どこに行くのかな〜?」


「コ、コンビにだよ」


「そんなに大きな荷物で〜?」


姉さんがさり気なく通せんぼをしている。


「大きくするのはここだけで充分だから〜」


姉さんが俺の股間にまた触れようとする。


「うわぁ!いい加減にしてよ!」


「なでなでしてあげる〜」


俺は姉さんに押し倒された。

マズイ…ヤられる…?!


「あー。熱いわね〜」


姉さんはそのとき、そう言いながら服を脱いで下着姿になった。


「ちょっ!!」


「優しくしてくれなきゃ。ダメよ」


「うおおおお!!」


ガッチャーン!


そのとき、うちの窓ガラスが割れた。


「な、なんだ?!」


そこに機動隊が入ってきたのだ。


「ええ?!何で機動隊?!」


「台場真紀。飛行機を勝手に運転した罪で逮捕する」


「姉さんある意味すげえよ!!」


そうして姉さんの手首に手錠がかけられた。


「あー。ここまでか〜」


「台場海斗…姉を襲うとは何たる鬼畜な!お前も逮捕だ!」


「えええええええええええ?!」


俺はこの日、2度目の逮捕を味わった。

何でこんなことになるんだぁぁぁぁ…



















「お兄ちゃんの制服プレイ好き」


「うおお!何故それを知ってる?!妹よ!!」


後日、妹からそんな電話が掛かってきた。

あ、誤解は解けてるんでもう出所してますよ。




さーてこのオチはどこかで見たぞ、とか言わないでくださいね。



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