お姉ちゃんが何でもしてあげます!
妄想の果てに生まれたエロ姉。
それが台場真紀なのである。
プルルルル…♪
GW最終日、早朝…午前3時に家から電話が掛かってきた。
つうか迷惑です。こんな時間に電話は迷惑です。
「もしもし。あら海斗」
「何で電話に出てねえのに声が出てんだよ!しかもアンタがかけたんだろ!母さん!」
声の主は母さんだ。
特徴として、勝手に電話を繋げることが出来る能力を持つ。
何その能力…いらねぇな…
まだゴミを木に変える能力や、手ぬぐいを鉄に変えたりする方がSF的には面白い。
つうかこれはSFじゃないか…
「ねえ海斗、あまり言いたくないんだけどね…」
「え…」
何を言うんだ?このお方は。
「真紀がそっちに向かったかもしれないの」
「さ、今日はホテルでも借りるか」
俺は荷物をまとめて出て行く準備を整える。
「もう遅いかもしれないわ。真紀だもの」
「…まだ大丈夫だ」
ピンポ〜ン♪
「だぁぁ!!!この家族は夜中に人様の迷惑を考えないのか!!」
「うっせぇぞ!!」
隣の部屋から怒鳴り声が聞こえた。
「…どうやら海斗にも受け継がれているようね」
「黙ってください」
俺は仕方なく玄関に向かった。
「あの、どなたですか?」
「あなたの夜のパートナーです!」
「…警察に捕まらなかったの?」
「脱獄してきた」
「…」
この姉貴は脱獄クイーンと呼ばれ、犯罪社会では有名な存在らしい。
一説にはヤクザと繋がりがあるとかないとか…
「それでぇ…早く入れてくれる?」
「分かったよ」
「やった!今日は交わってくれるんだね!」
「そっちじゃない!」
俺達は一応小声で会話している。
「姉さんはモラルとかそういうの…考えるわけないか」
「当然でしょ」
「そうだよな…小学生の頃は万引き常習犯だったもんな…」
「そうそう。中学の頃は潮吹き常習犯だったもん」
「あえてそこには触れず、何しに来たんですか?」
俺は出来るだけ怖い目で姉を見た。
「ナニをしごきに」
「さ、お帰りはあちらで〜す」
「ちょっとぉ!ノッテよ少しは」
「ノッたらマジにするくせに」
「あ、分かる?」
「どれだけ長い付き合いだと思ってるんですか」
「そうだね。今の私達は70年間毎日、夜に頑張る熟年夫婦みたいだもんね!」
「せめて熟年夫婦だけでいいだろ!!しかも違うし!!」
この姉さんも下ネタばっかりだな…嫌になりそうだぜ。
「それで…ん?」
「…別の女の匂いがする」
「?!」
姉さんは俺のベッドなどの匂いを必死に嗅いでいた。
「これはあれね…ギリギリ交わっていないけど、Hなことを少し女の子としちゃった匂いね」
「?!」
な、なんだこの人…エスパーか?!
「白状しなさい!何をしたのかな〜?」
「ひぃぃぃぃ…」
姉の手が俺の股間に触れる。
「つうかドサクサに紛れて何やってんだよ!!」
「弟の生態観察。あ、日記もあるよ」
「消せ!それは失せさせろ!」
なんつーものを書いてるんだ。この姉は。
俺は荷物を持って外に出ようとする。
もうここにはいられない。いや、いたくない。
「どこに行くのかな〜?」
「コ、コンビにだよ」
「そんなに大きな荷物で〜?」
姉さんがさり気なく通せんぼをしている。
「大きくするのはここだけで充分だから〜」
姉さんが俺の股間にまた触れようとする。
「うわぁ!いい加減にしてよ!」
「なでなでしてあげる〜」
俺は姉さんに押し倒された。
マズイ…ヤられる…?!
「あー。熱いわね〜」
姉さんはそのとき、そう言いながら服を脱いで下着姿になった。
「ちょっ!!」
「優しくしてくれなきゃ。ダメよ」
「うおおおお!!」
ガッチャーン!
そのとき、うちの窓ガラスが割れた。
「な、なんだ?!」
そこに機動隊が入ってきたのだ。
「ええ?!何で機動隊?!」
「台場真紀。飛行機を勝手に運転した罪で逮捕する」
「姉さんある意味すげえよ!!」
そうして姉さんの手首に手錠がかけられた。
「あー。ここまでか〜」
「台場海斗…姉を襲うとは何たる鬼畜な!お前も逮捕だ!」
「えええええええええええ?!」
俺はこの日、2度目の逮捕を味わった。
何でこんなことになるんだぁぁぁぁ…
「お兄ちゃんの制服プレイ好き」
「うおお!何故それを知ってる?!妹よ!!」
後日、妹からそんな電話が掛かってきた。
あ、誤解は解けてるんでもう出所してますよ。
さーてこのオチはどこかで見たぞ、とか言わないでくださいね。