表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月攻緋翔セイアッド  作者: 阿礼 泣素
1/11

《月憑きの人間嫌い》

今日から連載します。良ければブックマークお願いします!


すべての人間は死にゆくもの  月だけが生まれ変わる


月翔るなと、もしも父さんの身に何かあったときはこれで鍵を開けるんだ。これが地球と月を繋ぐ架け橋になるんだ……

 俺はそう言って父さんからペンダントをかけられた。その時の俺は欣喜していた。父さんから初めてもらったプレゼントだったから……まさか、それが形見になるなんて思っていなかった……


月からの贈り物がやってきたのはこの日、月が我々を狂わせてしまったのもこの日である。

「見てください、月がこんなにも我々の近くにまで迫っています。まるでこのまま月が落ちてきそうな位、大きな月が出ています」

 テレビのニュースキャスターがそう言ってレポートしている。

月翔るなと! ご飯よ!」

 俺の名が呼ばれる。母さんが呼んでいるのだ。

「今行く……」

「父さん、今日はきっと一睡もできないでしょうね……」

「そうだね、しばらく研究所から帰ってこれないね。まあ、いつものことか……」

 父さんは月を専門に研究している研究者だ。太陽光が脚光を浴びて幾年、その一方で月の光を陰で研究し続けていた父さんが学会で成果を出した。研究が認められてからは、父さんが家に帰って来ることはめっきり少なくなった。

――俺は、父さんを離してやまない月が嫌いだった。

「父さん、帰ってきても月の話ばっかりだから嫌になるよ」

「仕方ないじゃない、あの人ずっと月のことばかり考えてるんだもの」

深月みつきは?」

「今日は塾に行って遅くなるって」

「ふーん」

 俺はそう言いながら夕飯を口の中に掻き込む。

「ごはっつがはッ……」

 俺は食道に掻き込んだご飯を噴き出した。

「なんだ……これ……」

 さっきまで中継していたレポーターが突然、気でも狂ったかのように暴れ出していた。

まるで狼男のように、月の光の影響を受けて、満月を見て血気盛んになっていた。

 途端、中継はさし止めをくらい、一瞬にして放送が断絶される。

「先ほど、画面に不適切な映像が流れましたことを……」

 テレビでそう謝罪がなされている。


 《月狂い(ルーニー)》と呼ばれる未知の現象で町が覆いつくされるのもそう時間はかからなかった。


 簡単なことだ。月を見たものは、月に侵食される。自我を失い、まるで月に支配されたかのように周りの人間を襲う。それは、《月憑きの人間嫌い(ルナシィ・ミザンスロピー)》と呼ばれた。


 父さんは月に殺された。


――だから俺はやっぱり月が嫌いだ。


――父さんを奪ったこの月が、のうのうと地球の周りを回っている、この月が。


――絶対に許さない。憎き月、絶対に許すものか。


挿絵(By みてみん)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ