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私のお兄ちゃんは完璧すぎる  作者: 朱雀 蓮
第1章 日常編
7/75

副会長

更新しました!1話から3話まで少し編集しましたので良かったら是非どうぞ

家に着いた奏多は敗れた牛乳パックから溢れ出る牛乳に沈んだ杏仁豆腐の材料を救出し厨房に立った。


「お兄ちゃん、今日の晩御飯何するの?」

「今日は、中華。青椒肉絲(チンジャオロース)回鍋肉(ホイコーロ)棒棒鶏(バンバンジー)だよ。まぁ、楽しみにしててね」


中華鍋を取り出しとりあえず具材を切り始めた。

ピーマン、タケノコ、キャベツ、キュウリ、牛ロース、それぞれを一瞬にして切り終わり、水を張った鍋にササミ肉を入れ弱火で下茹でした。

中華鍋に油を流し、片栗粉をまぶし切った牛ロースを炒め、一度皿に分けピーマンとタケノコを炒める。ある程度炒まったら肉を入れ直し醤油、酒、擦り生姜、擦りニンニク、塩胡椒、オイスターソースをいれ全体に味が馴染むように炒めた具材がザッザッと空中を舞った。

リビングにいる2人も厨房の調理に夢中だった。

一度中華鍋をキッチンペーパーで拭き、油を流し、豚肉のカットをいれ火を通しそこにキャベツをいれ、甜麺醤(テンメンジャン)豆板醤(トウバンジャン)豆豉(トウチ)酒譲(ジューニャン)を配合した特性ダレをいれ再び炒めた。

甘辛い匂いがリビングにいる二人の鼻孔をくすぐる。

そして鍋のササミをザルに入れ手でほぐし、キュウリの上に乗せ、ゴマだれを掛け、食卓に並べた。


「うわぁ・・・」

「す、凄い・・・」


出てきた料理に目を輝かせながら感動を受け、二人は料理に手をつけた。


 『いただきまーす!』


奏多は二人が食べている間に杏仁豆腐の下準備をパパッと終わらせ、一緒にご飯を食べ始めた。


 「いただきます。」


 奏多の料理は1度手をつけたら止まらず、山盛りだった料理はものの数分で空になった。

 食卓のものを食べ終わり締めの杏仁豆腐で脂ぎった口の中を甘さに変え暖かい烏龍茶(ウーロン)で一服し、その日の夕食は幕を閉じた。


「はー!お腹いっぱい!ご馳走さま〜!」


可奈はソファにドスンともたれかかる。その姿は中年オヤジにしか見えなかった。


「ご馳走さま、お兄ちゃん。」


お腹が一杯のせいか奏も椅子に座ったまま動けなかった。


「お粗末様でした、よーし洗い物するか!」

「お兄ちゃん、私手伝うよ。」

「大丈夫、お腹いっぱいで動けないんだろ?気持ちだけ受け取っとくよ。」


と言いながら手は凄まじいスピードで皿の一枚一枚をピカピカに磨いていた。

皿洗いを終え奏多も椅子に座りひと段落ついた。


「轟、風呂うちの入るか?」

「じゃあお言葉に甘えまーす!」


 あらかじめ入ることを予想していたのか、鞄から下着とジャージを出した。

 奏多はやれやれと笑い湯船にお湯を張った。


「ねぇ!奏ちゃんも一緒に入らない?」

「えっ?一緒に・・・ですか?」

「うん!ガールズトークしたいし!」


 断る理由などないので奏も下着とパジャマを手に風呂へとむかうのだった。

 身体をざっとシャワーで清め、二人は一番風呂に浸かる


「は〜・・・ビバノンノン」

「ビバノンノンてどういう意味なんですか?」

「ん〜知らない!」


お湯にどっぷり浸かり、鼻歌を歌う。

体を洗いながら鼻歌を歌う可奈の胸を凝視する。

ぷかぷかと浮かぶ胸を見ながら自分の少し膨らんだ胸を見る。


「1学年しか変わらないのに・・・この差は」

「どした?」

「いえ〜何もありません!」


揃ってお湯に浸かり、少しの間静寂に包まれる。


「ねぇ、可奈ちゃんはさぁ、好きな人とかいるの?」

「え?好きな・・・人ですか?」


言えない、実の兄が好きだなんて・・・


「あー、いるんだね・・・ごめん!言わなくていいよ。実はね・・・私もいるんだ。」


私は口をつむったままお湯に浸かりぶくぶくした。


「お互い青春してますなぁ!まぁ、頑張ろう。」


結局、無言でコクリと頷き、お湯から出た。


「おーい出たよー」


リビングでコーヒーを飲みながらクロスワードパズルをする奏多はすっと立ち上がり来ていたパーカーとシャツを脱ぎ上半身裸になった。


 「え、ちょっと!お兄ちゃんココで脱ぐの?」

 「いや、今日はパーカーは洗わないからここで脱ごうかと・・・何か問題があるか?」


 鍛え抜かれ洗練されたしなやかな筋肉、私たちは声が出なかった。

 だが兄が筋トレの類を見たことがない。

 だけど良く見るとその背中や脇腹にはうっすらと色の違う箇所がある様に見えた。

 そう、まるで傷跡の様な痕が・・・

 奏多は風呂に入ると自分の体を見た


「本日も特に異常なし、健康(バイタル)も良好。」


深く深呼吸をし、奏多は湯船に浸かった。

全身をお湯につけ水中で心を無にする。それを5分、奏多はザバァとお湯から出ると頭と体を洗い最後に冷たいシャワーで体を清めて出た。

 改めて考えると、このお湯あの二人が使った後だった・・・まぁ、いいか。

 風呂から出るとリビングには可奈の姿はなかった。


「あれ、轟帰ったの?」

「うん、もう寝るって、ファァァ私も眠いや。」

「明日の準備してから早く寝ること、奏の朝の起きなさは本当に手を焼くんだから」

「はーい。」


奏でと奏多はそれぞれ部屋に上がり今日はもう寝るのだった。

                  ◇

翌朝、あいも変わらずギリギリに起き奏多と学校に到着した。

校門前には珍しく飛鳥がいた。


「おはようございます。生徒会長、今日はどうなさったんですか?」

「おはよう、靫空君、奏ちゃん。実はね今日はついにゲーム明けの彼女が来るんです。」

「副会長、ですか・・・奏、先に行ってなさい。」


お兄ちゃんが警戒する生徒会副会長とは・・・実際、全校生徒の大半が見たことのないと噂されている人だ。


「そろそろよ。靫空君、決して気圧されてはダメよ。久々だからどう対応していいか私は不安だけど・・・」


奏多がコクリと頷くと、黒塗りの高級車が校門前に止まった。

そして勢いよく車の中から出てきたのはは片目にアイパッチ、軍服の刺繍を施した制服をきた少女、そう彼女こそ生徒会副会長、2年、十六夜(いざよい) 月夜(つくよ)だった。


「ふっふっふ、ご苦労。我が同胞たち。深淵より目覚めし我の姿、クックックッ、我が封印されし魔眼の解放は近い、それまで我を楽しませろ!フハハハハ!!」


そう彼女は厨二病だった。


 「おはよう、月夜。」

「おはようございます、月夜ちゃん。」


二人は手慣れたように簡素な挨拶で終わらせた。


「ふっ、十六夜月夜は仮の名前に過ぎぬ!我が名はゲーベルト・シュナイダー・アレク ()()()だ!」


―あ、噛んだ・・・

 月夜は顔を真っ赤にし下を俯いた。


 「靫空君、悪いけど月夜ちゃんと一緒に教室に行ってあげてくれない?」

 「了解。」


 コミュ障かつ人見知りである月夜は奏多と手を繋ぎ教室に向かった。

 見た目は完全に迷子の娘を連れ帰るお父さんとの後ろ姿だった。


 「わ、我が盟友よ。いつもすまんな・・・」

 「気にしないで、これでも僕は楽しいからさ。」


 人をたらしめる笑顔が炸裂し、月夜の顔は真っ赤になった。

 そうこうしているうちに教室に着くと月夜は奏多の隣の席に座った。

 数日おきに学校に来るので皆物珍しそうに月夜を見る。


 「め、盟友。我はなんだか恥ずかしいぞ。」

 「まぁ、仕方がないよ。休み過ぎたんだからさ。」

 「で、でも・・・新作のゲームが我を待っているのだから仕方ないだろう。」


  奏多は苦笑いしながらその後も若干ネガティヴになった月夜の話を聞いていた。


次回更新も未定です。感想、レビュー、評価バシバシよろしくお願い致します!

次回予告:相対する生徒会と風紀の副委員長、彼らの親指にあるスティックは旋風を巻き起こす。

次回【副会長対副会長】

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