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私のお兄ちゃんは完璧すぎる  作者: 朱雀 蓮
第1章 日常編
5/75

体育

短編です

 奏多がグラウンドに行くと皆昼明けなのでねむそうにしたり、張り切っている者とで別れていた。だいたい高校での体育の授業なんて体育系とそれ以外に分かれるものだ


「全員集合!」


体育教師の藤村の掛け声と共に全員ピシッと並んだ。


「本日は女子はバトミントン、男子はサッカーとする。」


 ハーイと返事をしやはりここでも嫌々なものもいればやる気満々な者とで別れた。

 奏多は入念にストレッチをしているとサッカー部が睨んでいるのに気がついた。


 「今回こそは」

 「サッカー部の」

 「名誉と」

 「誇りにかけて!」

 「お前を倒す!」


5人の息のあった掛け合いに周りはおぉーとなっていたが、奏多はキョトンとした顔で冷静に言った。


 「僕だけ倒しても意味ないよ。サッカーは集団競技なんだから。」


正論だった。サッカー部はそのまま何も反論できず試合は始まった。

試合開始後女子の大半はバトミントンそっちのけで男子の、主に奏多のプレーを見ているだけだった。


 「頑張ってー!!」

 「サッカー部なんて倒しちゃえ!」 


奏多はそれに答えるように試合が進み奏多にボールが渡った瞬間、奏多の一人超次元サッカーが始まるのだった。

一人、また一人と華麗なドリブルで抜き去り、ハーフラインを少し過ぎた位置からの超ロングシュートを放った。

 

 「嘘だろ!?あ、あれは・・・・」

 「ドライブシュートだっっ!!!!」


 ドライブ回転のかかった球はゴールに上から突き刺すようにゴールネットを貫いた。

シュート直後、女子の歓声が高まり、ゴールが入った瞬間、グラウンドにいる女子からの歓声が飛び交う。


「くそっ!ふざけやがって、たまたまだ、偶然だあんなスーパーショット!!」

「落ち着け!まだ1点だこっちも返すぞ!」


ボールをセンターサークルに起き試合再開。

流石サッカー部というべきか、一気に前に進みサッカー部5人衆の連携は奏多のチームを翻弄しゴール前にまで来ていた。


「これで・・・同点だぁぁぁぁぁ!!」


と、サッカー部のストライカーが勢いよくシュートを打とうとした瞬間、横から奏多がボールを奪って行った。


「なっ!?いつの間に!?ってか、マークはどうした!!」


 と後ろを振り返るとマークについていたはずのサッカー部ではない3人は後ろに突き放されドフリーの状態で後衛まで戻っていた。

そしてボールを蹴り大きく相手側のサイドラインからボールをクリアーするかと思いきや、ボールの軌道はググッと曲がり、上がっていた味方に渡った。

オフサイドギリギリのパスに呆気にとられている味方に


「シュート!!」


 と声を掛けるとハッとなったFWはボールを蹴るとバスっと音を立ててゴールが決まった。

 奏多はゴールを決めた生徒とハイタッチをし喜んでいる。

 放物線を描く見事なバナナシュートでのアシストにグラウンドだけでなく観戦していたらしい校舎側からも歓声が上がった。


 「くそっ!どうすれば・・・!!」

 「あんな奴どうやって止めれば・・・」

 「こうなったら!!おい、皆!あれやるぞ!」

 「あれか!!」

 「よし!俺が合図する、同時に息を合わせるんだ!!」


 一斉に奏多に向かって走り始めるサッカー部一同

 

 「今だ!!!」

 

 と一人のサッカー部員の掛け声と共に奏多を囲む


 『ウォぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』


 そして、奏多にボールが渡った瞬間、凄い勢いでサッカー部5人衆の反則ギリギリスライディングタックルが襲う。

 逃げようにも逃げられないように四方を囲み確実にボールを奪う寸法に出た。また奏多のコケる姿を女子に見せつけてやろうという考えが浮かんでいた。

 だが、奏多は両足にボールを挟み空中で1回転し華麗にかわした。

 頭上を舞う男に呆気を取られながらサッカー部員たちは各々の足が互いの弁慶にヒットし凄まじい痛みに襲われた。

 軽やかに空中でくるっと周りゆっくりすとんと着地し、クリアするとスライディングで地べたでキョトンとしている5人の泥を払ってあげた。


 『くっそォォォォォォ!!!』


 惨めだった、反則ギリギリの手段を避けられ、尚且つ情けをかけられた。もう、我慢の限界だった。

 その後、点をいれられ、リスタートでボールが渡った瞬間、怒りを込めた狙いもせずに蹴ったボールはバトミントンをしている女子に向かって放たれた。

 狙いはないとはいえボールの勢いは凄まじく、当たれば怪我は間違いないだろう。

 しかもまだその女子はボールに気が付いておらず、周りの反応で後ろを振り向くとボールはもう目の前まで来ていた。


 「きゃああああああああ!!!!」


 もう誰もが駄目だと思ったとき女子の前に影が出来た。


 「えっ?・・・靫空君?」


 奏多が鳩尾部分にボールが食い込みながらも威力を殺して防いだ。


 「グッ!」


 女子にぶつからぬよう身体を反らし地面に落下して奏多は土埃を被った。


 「ッツゴホ、ゴホ・・・大丈夫ですか?誰も怪我ない?」


 明らかに奏多の方がダメージを受けているようだが気にも留めず自分達を心配してくれている。


 「は、はい・・・大丈夫です・・・」


 女子達も思わず敬語になってしまう・・・


 「よかった!よし再開しよう!!」


 奏多はそのままボールを蹴ったサッカー部員を責めず、試合を続けた。

 その後もスーパープレイ連発で結局15対0でサッカー部5人衆のチームは敗れた。

 サッカー部としても男としてのプライドも何もかもを折られサッカー部は膝をついた

 試合終了後、奏多は後片付けをしていると、後ろからサッカー部が話しかけてきた。


「何故だ!?何故、そんなに才能があるのにサッカーに使わない!?」


 体育後に毎度聞かれるので答えることは同じだった。


「すいません、興味はあるんですが本格的にプレイする意欲が沸かないんです。」


本人曰く、あのプレーはただ単にテレビ(アニメ)で見た動きを真似ただけらしい。だから本人にはサッカーに関する知識や興味などは一切ないのだった。

 そして奏多は唖然としているサッカー部を置いて一人教室に向かった。

一回今投稿しているものを全て編集しより良くしますのでお楽しみに!

次回予告:少年は怒る、大事なモノに触れられ、怒る、吠える、恐怖する。次回【怒り】お楽しみに

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