反省。
「は?」
「私の名前は」
その時である。
「「助けてくれー!」」
高橋さんとお父さんの声だ。
「助けを呼ぶ声が!今助けます!」
「ちょっとあなた!あなたが無事って言ったんでしょう!」
怒られた。俺は頭を下げた
「そんなことしてないであなたも助けるの手伝ってください!」
また怒られてしまった。
「分かった今行く!」
走って彼女と高橋さんのもとへ行った。
「いてて、膝を擦りむいちゃったよ」
「少し膝を擦りむいていますね。治しましょう」
「え、君は治せるのかい?」
すぐさま彼女が高橋さんの膝を手のひらで覆うとポっと光が出た。
「うわ、傷が治った!」
「え!治ったの!ちょっとちょっと君どうやったのさ!」
高橋さんは彼女に驚いている。俺もだが。
「俺はお父さんを助けてくる!」
全力疾走でお父さんの元へ向かった。するとお父さんの脚の上に瓦礫が乗っかって動けない様だった。
「大丈夫お父さん!今助けるね!」
「...」
お父さんから返事がない。二人を放ったらかしにしてこんな呑気にしていたなんて。謝っても謝りきれない。
俺は瓦礫を夢中で持ち上げ中からお父さんの脚を見つけた。そして、気づいてしまった。父さんの脚と脚が切断されて血が大量に出ていることを。
「うわあああああああああああ!」
「どうしたのですか大声を出して、、、男性の方のあしが切断しているじゃないですか!早く直しましょう!」
するとまた彼女はお父さんの脚に手のひらを覆いポっと光が出た。
「治りましたよ」
「そんな分けないだろ!見てみろよ脚がぶった切れてないじゃないか!」
ん?
「あれ、治ってる」
「ですが男性の方の意識は今も失ってます。」
「早く家に運ばないと!あれが俺の家だ!あそこに運ぼう!」
俺と彼女と高橋さんで急いでお父さんをベッド運び込んだ。
3時間だろうか、その位経った頃、お父さんは目を覚ました。
「ん、」
「お父さん!」
「お、柊人か、おはよう。」
「ごめんなさい。お父さん。お父さんのことすぐに助けに行かなくて。ごめなさい。ごめんなさい。」
俺はお父さんが目を覚ますまで心の底から自分の馬鹿さとお父さんと高橋さんをすぐに助けに行かなかったことを悔やんだ。
「えっと、俺はあの爆発に巻き込まれて、あぁ、そうかそうゆう事か。謝るな柊人。まず俺があんな失敗作を作ったことに原因があるんだ。お前が謝る必要は無い。」
「いや、俺はあの時彼女に夢中でお父さんのことを考えてなかった。それは事実なんだ。これは人として最低な行為だ。」
「彼女?なんだお前俺が死にそうなときにガールフレンドのことを考えてたのか。しかもテメェ女と出来てたなんて初耳だァコラ。さっきの俺の言葉撤回な。歯ァ食いしばれ糞ガキ。」
殺される。
「違うよお父さん、作品ナンバー13の中から出てきた女性のこと!あとその彼女がお父さんの命を救ってくれたんだ!」
「なに?マリーアントワネットが出てきたのか!そして俺を助けた!?よし許すぞ柊人。流石にいきなり美女と言われているマリーアントワネットに会ったら夢中になるわな。」
許してくれたそれと、、
「彼女は美人。それはあってるよお父さん。だけど彼女自分でマリーアントワネットじゃないですって言ったんだよ。あと、お父さん脚切断してたの覚えてる?あれも彼女が治してくれたんだ」
「なぬぅ!1度にとんでもないことを言ったな!えっと、まず彼女はマリーアントワネットではないのか。だとしたら誰だ?」
「それは俺にも分からないんだ。恐らくあの作品から別時代の歴史人物を呼び出してしまったんだと思う。そんで、彼女が名前を言ってくれようとした瞬間高橋さんが「たすけてー!」って言ったからお父さんとか高橋さんを助けに言ったんだ。」
「そうなのか。というか、高橋くんとその美人さんどこにいるんだ?」
そ、それはね。
「高橋さんがお父さんの心配なんて忘れて彼女のこと質問攻めにしてるよ。リビングで。」
「俺ちょっと悲しい。二人に見捨てられたことに。」
お父さんの声のトーンが、、
「まぁ、俺も柊人や高橋くんの立場になったら忘れるわな!ハッハッハ!」
強がってるよお父さん。ごめんよ、ごめんよ、
「...」
返す言葉が見つからなかった。
「次の質問だ柊人。俺の脚なんで何ともなってないんだ?」
「あの彼女が治したんだよ!パって!パって!パって!」
俺は興奮して早口になってしまった。
「落ち着け。今度は俺が興奮する番だ。」
お父さんは咳払いをして興奮する準備をした。
「おい!マジかよ柊人!彼女ズゲェな!なんなんだ彼女は!魔法使えるのか?魔術か?超能力か?」
「落ち着け。お父さん。俺にも分からないんだよ。とりあえずリビングに言って聞いてみようよ」