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すいません自首します



心臓が締め付けられる、痛い、痛い、痛い

まるで体の中に直接溶かした鉛を流し込んだ様、熱い、熱い、熱い

恐ろしい、感覚で直感で理解した、体の中に潜む何かがとても恐ろしい

『ワタシヲ』

来ないでほしい、これ以上怖い思いをしたくない、それでも視線だけは背けられなかった、強制されたわけじゃない、できないわけじゃない、ただ逸らしたくないのだ。

『ミテイテ』

きっとこれから先、彼女と縁が切れる時が来るならば、自身が死ぬ時だけだと

『ズット』



☆☆☆



「ここは……」

知らない天井だ、なんでやって居る余裕のある体の状態では無かった。


「おぉっ、気付いたか?エルビン」

ふと名前を呼ばれ反射で顔を向けようとするが体が全く動かない、しかし頻繁に聞く声の持ち主の事は見ずとも分かった。


「おやっさんか……迷惑かけた……みたいだな」

おやっさん、拠点にして居る町で行きつけの医師だ、スレイブや俺はパーティでの持ち場が前衛なので細かい傷から深い傷まで、怪我を負ったらこのおやっさんの元へ来て居る、本名は、ゴルイドと言うらしい、かなりのマッチョメンである。



「全くだ、いつもいつも怪我して待合室占領しに来るのに今日はベッドまで占領してんだ、迷惑だぞ」

厳しいことを言う様でこのおやっさんの表情は笑っている、其処には俺が無事で良かったという安堵も含まれて居た様に見えた。


「皆んなは?」

姿の見えないパーティメンバーについて尋ねた。


「今何時だと思ってんだ、夜明け前だぞ、ガキどもは宿に戻らせた」


「そうか……あいつらにも迷惑かけてるからな、後で礼も言わねぇと」

割とあいつらは謝罪するなら飯おごれみたいなタイプだからな、金銭面平気か……入院もしてんだぞ……


「まぁ、ともかくお前についての症状について、医師の俺からと、神官様からの診断だ」


呪いが効きづらい体質だ、割と軽傷では無いか……と甘く見て居た。


「光神教会の巫女レベルでも歯が立たないであろう程の呪いだ、正直どうしようもない、その呪いがどんなことを引き起こすのかも分からない、以後経過を診るしかないな」


「嘘だろ……」


「残念ながら本当だ、まぁ今日はゆっくり休めよ、このベッドは貸してやらぁ」


呆然とおやっさんの背を見送った、呪いが治らない、それは今後の人生に重くのしかかる問題だった。


(あぁ、今は考えられない、考えたくない)


そうして俺はもう一度眠りに落ちた。



☆☆☆



腹部に重みを感じる、寝るまで患っていた痛みは今は無かった。


「あな……ず………しょ……はな………ない」

聞き覚えはあるのに馴染みはない声、分からないこの声は誰なんだ?


もう一度同じ言葉が聞こえる

「あなたと、ずっといっしょ、はなさない」

とても熱いラブコールだ、そんなの受ける間柄の女性も、もちろん男性もいない。


開きたくない、もう少し眠っていたいと言う欲求を振り払い、重い瞼をあげる。


美しい黒髪の少女だった。黒い髪に黒いドレスの様な服、端正で綺麗な顔の少女


こんな子知り合いにいたっけな、そもそも黒髪自体この世界では珍しい部類だ、基本は茶髪金髪は勿論ファンタジー特有の赤い髪や緑の髪の人ばかりいる。

こんな綺麗な黒髪の子見かけていたら忘れるはずもないのだが?


意を決して話しかけてみようとした時少女が先に口を開いた。

「起きたの?」

出鼻を挫かれた様なものでテンパって

「あっはい」

としか返せなかった


「貴方が主人、貴方が愛おしい人ふふふ」


少しやばい人かもしれない、こ、怖いけどお兄さん頑張っちゃうぞ……


「君は……一体誰なんだ」


「えっ……」

やばい、なんか泣きそうになってるでも見覚えないし


「えぇっあのごめん、泣かせるつもりはなかったんだけ「昨日私の初めて貰ってくれたのに」はうぇっ!?」


私は一体この少女にナニをしてしまったと?俺の記憶ないのに?それだけ聞くと俺クズじゃないか!


「昨日、2人の大事な所…深く、深く繋がりあった」


これはもうポリスメンに自首すべきでは俺


「ごめん本当に君みたいな綺麗な子記憶にないんだ、何処で俺と?」


「ダンジョンで」


「ダンジョン……?」

俺は首を傾げた、昨日は俺の倒れたダンジョンしかはいってない、それも俺たち以外人っ子一人あっていないはずだ


「ダンジョンで、狭い所に閉じ込められていた私の体を乱暴に掴んで……」


もしかしてーーーーー


「もしかして、からかってる?」


「バレた?」

彼女はおっとりとした喋り方のまま、おどけた様に笑った。



☆☆☆


「私は、呪槍、『呪槍エルグランヒルド』貴方の下僕」


「下僕って言ったって」


「貴方とは同化した、武器は人に振るわれるもの、主人と下僕、大体一緒?」


「おい」

ご当人割とぽけぇっとしてるぞ、大丈夫か


「その辺は、まぁ……いい、さっきの冗談はなんだったんだ」


「?あながち、冗談でもない」


「は?というと」

話を聞く所


私の初めて(の呪刻印)を貰ってくれた(押し付け)

大事な所(心臓)深く繋がりあった(蔦を伸ばして呪刻印を書いた)


と言う感じらしい、一言言わせて欲しい

大切な言葉を抜くな!




「貴方の心臓に書いた呪刻印は強力貴方が死ねば、私も死ぬ、蔦達は血肉に交わった、文字通り一心同体」


この子の呪いは巫女様でも解けないと言う

だからこの子の言うことは


「だから、一緒について行く」


半分脅しに近いと思った。





場面転換の際に文章と文章の間に☆☆☆を入れることにしました、あとこの世界には四字熟語はあってもポリスメンは居ない、いるのは衛兵

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