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TYPE B  作者: BALmf
1/26

#01 プロローグ

何も期待なんて出来ない時は、

本当に何にもないから、

この恋に出逢っても

たとえ出逢っていなかったとしても

心はぽっかり空いていた。



変化は連鎖して、

更なる変化を呼び起こすんだ。

何が最初で

何が原因かなんて

そんなの分からない。


仕事を転職して

自動車会社に入社した。


勤務地が変わり

この街に引っ越した。


車なんて乗ったことがなかったから

免許を取りに行った。


あの人に出逢った春

三十歳になっていた。


歳がうんと離れた彼氏が

プロポーズしてくれた。



変化の波に呑まれずに、

今までも

これからも

もう何年もずっと、

素のままの私を全部受け入れてくれる

彼氏を残して。


恋は

それが永遠に続くことを願うこと


愛は

この先も永遠に続くことに耐えること



すでにこの手の中には

絶え間なく注がれる、

こんなにも寛大で

変わることのない愛が

満ち溢れているはずなのに、

それを背負っていく

覚悟も

優しさも

無かったから、

いっぱい、いっぱい、

恋していた・・・



永遠なんていう幻を

恋は願うだけだから

愛よりすごく簡単で、

だけど、

あのひとときだけは

キラキラ輝いていた。



後悔なんてちっともないけど、

一つあるとしたら、

それでも変わらず続いていくこと。


こんな私の裏切りを、

「自分が私に与えられなかったトキメキを、

 代わりに与えてくれたあの人に感謝している」


そんな風に片付ける彼氏を

黙ったまま見つめていたこと。



このどうしようもなく

ぽっかり空いている私の心を

埋めようともしないまま、

まるで何事もなかったかのように

消えていく。

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