3
出会ってしまった。
というより再会してしまった。
葉灯 光香。
俺の実の妹。
葉灯、水灯、雷灯、炎灯、空灯。
この5つの名字は、五大貴族なんて呼ばれている。
俺の名前は鬼灯 解。
この名前はある人に授けられたもの。
俺は葉灯を追い出された。致命的な魔力の欠如。
それが俺の欠陥。
家から不良品と見なされて、15の頃に家を追い出された。
それまでにも色々あったが追い出された時に誓った。
絶対に復讐してやる。
俺の誓いはまだ続いているから、ここで光香に会ったのは絶好の好機。
だがまだ手は出さない。
そこまでバカじゃあないし。
光香は学校のバカ共、しかも先輩に絡まれていた。
そこをヒカルが助けてしまった。
幸い俺はある程度顔を変えているからバレてない。
そして光香もヒカルに惚れてしまった。
それは俺にとっては不幸以外何でもない。
この殺意を押し殺して。
俺はヒカルの元を去らなければいけない。
凄く不愉快だ。
「助けてくれてありがとうございます」
妹は綺麗になっていた。
俺はあの綺麗な金髪が嫌い。
昔も今も。
「いやいや、いいんだよ。ねえ?カイ?」
「良くねえ。うっとおしいのがまた増えるじゃねえか」
「そんな事言っちゃだめだよ」
ヒカルは笑う。
だが今の俺にとっては不愉快。
いっそここで殺してしまおうか。
皆殺しだ。
そんな気持ちを押し殺して俺は今日も逃げる。
抜きかけた刀は少し残念そうに見える。
「食堂」
俺は一言で済ます。
「ああ、今度こそ行こうか」
斬りたい。
斬りたい斬りたい斬りたい斬りたい斬りたい斬りたい斬りたい。
その首を今すぐはねてしまいたい。
殺してしまいたい。
そうすれば俺は楽になれるだろうか。
毎日殺意、憎悪に身を焼かれる生活から解放されるだろうか。
…まだ、まだだめだ。
この感情は俺にとって生きる糧だから。
俺達は食堂へ行く。
ぐっだぐだでしたね。