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温かい明かり  作者: 松田
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判決

先輩の事を相談されて3日目。俺はまだ篠田さんの事をどうするか考えていた。

先輩を探って欲しいとは言われたものの先輩はもう浮気をしていることを俺に話しているわけだから探る必要なんてなかった。

それでもこちらから連絡すると言った以上しなくてはいけない。連絡したところで何を伝えればいいのやら。

変に意識し過ぎるせいで先輩とは何を話してもそんな話になってしまう。

今日だってそうだ。とりとめのない会話をするはずだったのに、彼女達どうするか決めたんですか?といつの間にか踏み込んでしまっている。

「まだ考え中だよ。どの子も捨て難いからな」

そう言い捨てるとポケットからケータイを取り出しメールを確認していた。すぐしまわないところを見ると誰かからメールが来ていたのだろう。

しばらく考えて、先輩は何も打たずにケータイをポケットにしまった。

「誰だったんですか?」

「陣野だよ」

「そう言えば先輩陣野さんのこと名字呼びなんですね」

「前に名前で呼んだことあんだけど、そんときに嫌がられたからさ。名前があんまり好きじゃないんだって」

「なんでですか?」

「さあな。本人もよくわかってないみたいだったし」

でもそんな子と長く続くんですかね?と言うと、さあな、無理かもなと返してきた。

諦めの姿勢を見せていた先輩にまた少し苛立った。どうしてそんなに軽く考えていられるんだ。

篠田さんと会うことにした。会って先輩の悪事を話したかった。ばらしてしまいたかった。

雲が多く湿った空気を吸い込んで、篠田さんにメールを打った。先輩の隣で。

だれ?彼女?と聞かれたけれど友達です、と答えるとそれ以上は何も聞かれなかった。

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