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温かい明かり  作者: 松田
2/18

1人目

あれから先輩とメールで打ち合わせをし3人の女の子と会う日にちが決まった。

1人目は次の日曜。2人目はその週の火曜。そして3人目がその次の日だ。

なんだかハードなスケジュールに感じたけど押し切られて断れなかった。悪い癖だ。

なにか準備した方がいいですかね?と聞くとダサい格好で来なければいいよと言われた。

前日に決めた店に行くと先輩と1人目の彼女がいたのでその席に座る。遅刻もしてないのに遅いと言われてしまった。

「えーと、こいつがおれの後輩の白浜幸太。こっちが彼女の篠田明香理」

お願いしますとお互いに言い合うと、篠田さんはコーヒーをすすった。

俺もどうしたらいいかわからずに、とりあえず店員にコーヒーを注文した。

結局何を話せばいいのかわからずにしばらく沈黙してしまう。すると突然先輩が彼女にちょっかいを出し始め、空気を緩めるつもりだったのだろうが返ってどうしたらいいのか分からなくなってしまった。

「明香理」「枚方くん」とやっているのをしばらく眺めていると少し理不尽に思うが先輩になんか喋れよと言われた。

俺は篠田さんが先輩を枚方くんと呼んでいたのを思い出して、篠田さんは先輩のことを名字で呼んでるんですね、と言ってみた。

「うん、この人枚方圭一郎じゃない?」

「確かに、長いですもんね」

「そうそう。だから枚方くん」

1度話が弾むとその後はなんともなかった。

3人で楽しくおしゃべりをして過ごした。その時に先輩の黒歴史を話してやると篠田さんは爆笑して、先輩は恥ずかしさからかなかなか顔をあげようとしなかった。その時に篠田さんは先輩の高校の同級生だと教えてもらった。

しばらく話し込んでそろそろ店を出ようということになり、先輩が全額負担してくれることになったので俺と篠田さんは先に店の外に出ていた。

待つ間は暇だったが篠田さんがすぐにケータイを取り出し操作しだしてメアド交換しよと言ってきた。

不意にそんなことを言われたので慌ててポッケからケータイを取り出す。

「赤外線こっちから飛ばすね」

「はい」

「どこ?」

「このへんです」

こっちの画面に篠田さんのアドレスが表示されたので保存した。

「そっちからも送って」

「今送りますね」

「きたきた」

篠田さんもケータイをカタカタやって俺を登録した。

その時丁度よく先輩が店から出てきたのでさっとポッケにケータイをしまう。

なんだか仲良くしてるのが後ろめたい気がした。

「何してたんだ?」

「べーつにー」篠田さんはにこにこ笑っている。

「まあいいや、おれらこれからぶらっとするけどお前どうする?」

「俺ですか?そーですね。暇だから帰ります」

さようならと言って帰ろうとすると篠田さんがそれじゃあねー、と手を振っていた。

元気で可愛らしい人だな、と思った。

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