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温かい明かり  作者: 松田
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未練

電話を終えてドアを開けると篠田さんが起きていた。

「すいません。おこしちゃいましたか」

「いや、いいよ。それよりなんの電話?」

俺は先輩に電話していたことを彼女に告げた。

先輩は昨日俺と別れたあと、陣野さんと水戸さんに散々な目に会わされたらしい。

先輩は適当な店に2人を連れ込み話し合いで解決しようとしたらしいが上手くいくはずもなく、店に2人を連れ込むと2人だけで会話がはじまり先輩の入る余地はなかった。

結局先輩は2人の彼女と別れたらしいが、それもまた特殊だった。

陣野さんには愛想を尽かされ振られたが、水戸さんの方は陣野さんに勝ったと言って先輩にさらにいいよった。私は圭一郎君の事をいつまでも好きだと先輩は言われたが大学の前で待ち伏せされてる事が何度もあり、今回も待ち伏せされていたんじゃないかと思うと水戸さんの事を怖くなって今度は自分で振った。

水戸さんは突然別れを告げられると自分はこんなに愛しているのにどうしてだと泣きわめいて先輩に襲いかかった。それを何とかかわして先輩は帰宅した。

帰ってから水戸さんとの通信手段だけは絶とうとケータイを開くと3分起きに水戸さんから長文のメールが送られてきていたという。

先輩から聞いたその話を篠田さんに話すと彼女は笑い出した。

「そんなシリアスな話を全裸で、しかも人んちの廊下で話してたの」

すいません。起こしたくなくて裸で出ましたと頭を下げるとやめてよ、お腹痛いとさらに笑い出した。「早く服着な、風邪引くよ」

俺は昨日の晩脱ぎ捨てた服を着る。その間ずっと篠田さんは腹を抱えていた。

「そーいえば篠田さん」

「なに?」

「先輩、そんなんだから必然的に篠田さんが選ばれたって言ってました」

その衝撃が大きすぎたのか、えっ…と言って一瞬彼女は固るとうん…そう…と言って朝食の支度を始めた。

「俺、昨日のことで先輩に呼び出されてるんで今日行ってきます」

「うん、わかった」

「篠田さん、先輩のところに戻りたいんですか?」そう聞くと、彼女は無言になって目玉焼きを焼き始めた。

これで最後かもしれない彼女との2人きりでの朝食をなるべく時間を掛けて、ゆっくりと食べ終えた。

「篠田さんが決めてください。先輩の所か、俺の所か」そう言って、先輩に指定された店の場所を紙に書き、そっとテーブルの上に置いて篠田さんの家を出た。

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