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0話 かのじょのけつい
この物語の主人公は、私ではない誰か。
彼であり、彼女であり、そこで生きている人々のもの。
それぞれが持つ、たった一つの物語。
物語の中に紛れ込んでしまった私には、何一つわからない物語
何が正しくて、何が間違っていたのか。
何を選択すれば、よりよい終わりを見つけることができるのか。
きっと私は最後までわかることもなければ、気がつくこともないのだろう。
そして、私は泣くのだ。
泣いて、泣いて、泣き続けて。
魂の慟哭を知るかも知れない。
胸を切り裂く痛みを知るかも知れない。
それでも、私は最後まで目をそらさずに見ているのだろう。
彼ら一人一人がつむぐ物語を。
0話は全てヒトの意識化の無意識が基軸なので、それぞれの意識の辿々しい言葉が非常に判りにくいと思いますが、ご容赦くださいませ。