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おとしもの

作者: 小雨川蛙

 

 その日、交番に落とし物が届けられた。


「スマホか」


 警官は落とし主に繋がる情報はないかとスマホの電源を点ける。


「は?」


 思わず呟いた。

 画面に表示された日付は2028年9月28日。

 数年先の未来……落とし主は何を考えてこんな日付に?


 警官は興味本位に負けてスマホを弄っていると、中にはいくつもの見覚えのあるアプリと『見覚えのないアプリ』があった。


「なんだこれ? ニュースアプリか?」


 そう思いながら開いた所、飛び込んできたニュースに目が点になる。

 それは数日前に起きた凄惨な殺人事件の犯人が捕まったというニュースだった。

 ――少なくとも、今この瞬間ではまだ犯人どころか凶器も見つかっていないのに。


「『潜伏場所は現場近くのアパートだった。三年も潜伏していた』……だって?」


 悪質なイタズラだ。

 そう思ったにも関わらず警官は『他のニュース』の記事を次々に見ていった。


『現在は』まだ売り出し中の新人俳優が海外進出をしたニュースがあったと思えば、『現在も』いつ起こるか分からない大災害が遂に起きたというニュース、さらには株価の推移までも記事にされていた。


「なんだ、これ……」


 いたずらだ。

 間違いなく。

 だが、もしこれが真実なら?


 警官が唾を一つ飲み込んだ瞬間、スマホの画面が不意に消えた。

 充電切れだ。

 警官が慌てて充電器に繋いで起動すると、スマホの中はメモアプリ一つ残して空っぽになっていた。


 ――しまった。

 焦りながら警官がメモを起動するとそこには短く書かれていた。


『うまくつかえ。しかし、はなすな。みらいはあっさりとかわる』

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