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一等星  作者: 遠藤 敦子
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「みんなでボウリング行こうって話してるんだけど、亜美も来る?」

 翌日、私は日本語クラスで顔を合わせるアレックスに誘いを受けた。他にも仲良くなった女の子たちも来るとのことなので、私も行くことにする。私とジルとターラ、男子はアレックスとリアムとルイが参加メンバーだ。金曜日の学校終わりに行くことになったので、あと3日間待ちきれなかった。



 ついに金曜日の夕方となる。私たちはボウリング場に向かった。お父さんには今朝、ボウリングに行くことと夕飯はいらないことを伝えてある。私は小学3年生以来ボウリングをしていなかったので、足を引っ張らないか不安だった。そのことをみんなに話すと

「大丈夫、私もボウリングは小学生ぶりだから」

「俺もボウリングは5年以上やってないや」

 とのことだった。

 ボウリングはアレックスとターラが1番上手だ。アレックスは趣味でボウリングしているそうで、ターラはこの日のために練習してきたそう。それでも勝敗は気にせず、全員で楽しめたかと思う。


 ボウリングを終え、私たちは近くのハンバーガーレストランで夕食を食べる。私を含めた女性陣はバーガーのみ、あるいはバーガーにポテトかチキンナゲットのセットを注文した。しかし男性陣はバーガーにポテトもチキンナゲットも両方つけている。中にはバーガーを2つ食べるひともいた。よく食べるなあと、私は彼らの胃袋がどうなっているのか気になってしかたなかったのだ。

 夜ご飯を食べながら談笑しているうちに、時計が20時をまわった。そろそろ解散しようかという話になり、それぞれが帰路につく。私とアレックスは家が同じ方向にあるので途中まで一緒に帰っていた。

「そういえば亜美におすすめしたい場所があるんだけど……」

 アレックスにそう言われ、私は一緒についていく。アレックスに連れてこられた場所は、星がよく見える河原だった。

「星きれい。私、シドニーにこんな場所あるって知らなかったや」

 私が言うと、アレックスは

「あれがおとめ座で、あそこで青白く光ってるのはスピカっていう一等星。スピカから右上にたどると、しし座の二等星のデネボラがあって……って、いきなりごめんな。こんな難しい話して」

 と星について説明してくれる。こういった一面があると知らなかったので、私はアレックスの違う顔を見られた気がして嬉しかった。それからお父さんに「もうすぐ着く」とLINEで連絡し、アレックスに家まで送り届けてもらう。また時間が合えば河原で星を見ようと、私とアレックスは約束した。

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