表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

小説家になろうラジオ大賞6

童貞を拗らせ魔法使いになった俺、政府から童貞卒業を禁止される

作者: 夜狩仁志

なろうラジオ大賞6 参加作品。

テーマは「卒業」

 社畜歴20年。

 ブラック企業に勤める俺は、誕生日の前日も残業。


 俺の人生、なんなんだろうな。彼女もできぬまま40歳を超えて。


 日付が変わり終電も逃す。


 最悪な誕生日だ。

 あーあ、一瞬で家に帰れればなー


 その瞬間、魔法で俺は家に転移していた。

 俺が童貞を拗らせて魔法使いになった瞬間だった。


 その噂をどこで聞きつけたのか、政府の公安がスカウトにやって来た。

 国内で数例目の魔法使い、らしい。

 国防の為に力を貸してもらいたいとのこと。

 ブラック企業を辞め、生活の保証と引き換えに、俺はその申し出を引き受けた。


 俺は一躍有名人に。


「あっ! 大魔童貞士(だいまどうていし)様だ!」

魔童士(まどうし)さまー!!」


 ……あんまり、嬉しくないな。


 女性からも人気は高かったのだが、政府は俺の女性交遊を認めてくれない。

 要するに、童貞を卒業してしまうと魔法が使えなくなってしまうからだ。


 そっか……俺、一生独身なんだなぁ。


 よいことばかりではない。

 他国からのスパイが、俺の童貞を狙ってくるのだ。


「ねぇ、お兄さん、今晩どお?」


 美しい女性がハニートラップを仕掛けて迫ってくる!


 くっそー

 飼殺しじゃねーか!

 周りに美人がいるってのに、手を出せないなんて!


 そんな生活が続いていると……


「大変だー! 北の国から魔法少女小隊が攻めてきたぞ!」

「なんだと!?」


 初のスクランブル。

 俺は現場に急行した!


 なんとか国家権力と協力しながら、都市を守り抜き、敵の魔法使いを確保した俺。


 北の魔女達は、驚いたことに若い少女ばかりだった。


 そのリーダーと思わしき美少女。


「クッ、殺セ!」


 辱めを受けるくらいなら死を選ぶ覚悟だ。

 この子達も処女なのか?


「貞操ヲ失エバ魔力ハ無クナル。国二帰ッテモ殺サレルダケ」

「だからってだなあ」


 この子らは捨て子だったらしい。

 国に拾われ、その時から魔法使いになるために厳しい訓練を毎日繰り返してきた。その間、多くの仲間も失った。もちろん、男性との交際を禁じられながら。


「ドウセ死ヌナラ、最後ニ恋ガシタカッタ……」


 可哀想に。

 まだ若いのに、人生と青春を捧げて。


「なあ、俺と一緒に行かないか?」

「オマエト?」


 こうして俺と彼女は、駆け落ちすることに。

 ついでに俺たちは北の国の魔女養成施設を破壊していった。


 主力の魔法使いを失った両国は終戦した。


 今は大自然の中でひっそりと暮らす俺たち。

 魔法も国も失ったが、大切なものを手に入れた。

 そして俺たちの子どもには……


 早く結婚してもらいたい。

 魔法使いにならないように。

テーマの「卒業」はねぇ……

ネタが被るんで苦労しましたよ。


ちなみにもう一つ作った

「私、大好きなお兄ちゃんから卒業します!」

という短編も、気が向いたら投稿します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
まさかこの世界の魔法使いは全員……。 国家ぐるみで童貞の育成に力を注いでそう。エリート童貞士なんてもいるのかな。(笑) それにしても 「大魔童貞士」はヒドい。 笑わせてもらいました。
男の魔法使いは40年の熟成期間が必要なのか・・・ そう思うとなんともジワジワくる(笑)
主人公が子供作れてよかったですね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ