茂る生命の祝福
最近毎回更新が遅くてすみません。やっと書き上がったのでどうぞお読みください!
「神殿はこっちだ。ほら、少し道が整備してあるだろ?そこを通れ。」
現在、リリナはルキア(泥酔中)とルナとの3人で神殿に向かっているところだ。今回修復する対象は「ノルフォ神殿」及び、「茂る生命の祝福 」。その修復作業は作業に向かう過程含めて、他の祝福の中で1番簡単なものだとリリナ達は考えている。しかしリリナは、今回が初めての修復になる為、本当にしっかり役目をこなせるのかというような不安に心の奥底で苛まれていた。
…そう考えると、呑気に飲み潰れて爆睡しているルキアに少し腹が立ってきた。
「おい、着いたぞ。」
「あ、はい!ありがとうございます!」
そうこうしているうちに神殿に着いたようだ。少し寂れながらも大きくて威厳のある神殿を前に、リリナはついに覚悟をするしかないと感じたと同時になにか一瞬記憶のような物が頭をよぎった。あまりに一瞬だったため、リリナは記憶の内容までは捉えられなかったが、なにかそれが自分の大きな1部であるように感じた。そして強い使命感も何故かここで初めて湧き上がってきた。
「神殿自体には危険は感じられないが、中について行く必要はあるか?」
「いいえ、私一人で行ってきます。何故か根拠は無いんですけど、これは自分1人で成し遂げないといけないことの様な気がするので…」
「わかった。じゃあ俺とルキアはここで待っている。」
大きく息を吸って正面をくぐる。内部はとても広く、白い大きな柱が乱立している。少し奥へ進むともう外の明かりが届かなくなった。無音に近いと言っていいほどの静けさが、厳かで威圧的な雰囲気を作り出す。
もう少し奥へ歩いていくと、それぞれ二体の女神が彫られた大きな柱が二本あるのを見つけた。何やらその柱に挟まれた場所が光って見える。リリナはそこへ近づいた。すると、上に小さな緑色の宝玉が置いてある小さな台が光っていることがわかった。宝玉は一見硝子玉のように見えたが、覗くとまるでその中に「無限」が広がっているような不思議な感じがした。不思議に思いながらも、リリナは役目を全うしようとしたが、やはりやり方が分からなかったので、とりあえずいつも魔法を発動する時のように右手を宝玉に向かって突き出してみた。すると、淡い光が台座から出てきて、リリナの手に吸収されていく。それと同時に、ある記憶も頭に入ってきた。それは、祖父に関することだ。
祖父の名前は「エルネス・スカイア」。人類屈指の魔術師、いわば賢者と呼ばれる存在だった。
読んで頂きありがとうございました!最近絵の練習をしていたのですが、あまりに自分に画力がなかったため、表紙を作るのは難しそうです…代わりに世界観やキャラクター達の魅力がより伝わるような四コマ漫画を書きたいと思っているので、のんびり待って頂いたら幸いです。