食事会
だいぶ久しぶりになってしまい申し訳ありません。やっと更新できる機会を得れたので更新させて頂きました!ぜひ読んでください。
食事会のようなものが始まり、場は少し盛り上がる。森の綺麗な水のお陰でお酒も美味しいらしく、ルキアは朝からお酒を飲んでばかりだった。全くあの小さな体のどこにお酒が入るのか知りたいものである。
それはそうとして、今という森について聞く絶好のチャンスを逃すまいと思ったリリナは2人に質問した。リリナは1度気になり出すと放っておくことが出来ないタチなのである。
「あの、ずっと聞きたいことがあったんですけど、なぜこの森では夜になることがおかしいんですか?夜って普通どこにでも来るものですよね?」
するとルナが隣でゴソゴソし始め、ムウが代わりに質問に答えた。
「あぁそれはね、この森には「ダイナマイト現象」なる物が存在するからなの。」
「ダイナマイト現象?」
「俺が説明しよう。」
そう言うとルナはどこからともなく謎の板を出てきた。心做しか少し気分が高揚して見える。そう、まさに最近街の若い人たちの間で流行っていた「ドヤる」みたいな感じの雰囲気だった。もしかしたら、先程ルキアとお酒を1杯飲んでいたから酔っているのかもしれない。
「おい、説明するぞ!よく聞いとけ。」
ルナは謎板に図を書き出した。
「この森の隣には、夜の森っていういつも暗い森があってな。この現象はその森に安置される祝福が原因だと言われている。詳しい原理はよくわかっていないんだが、その祝福が近辺の「闇」を吸って夜の森を暗くしているらしく、それに影響されて俺らの森は通常、昼のままになっているらしい。」
「でもその祝福、すぐに闇を溜めきれなくなっちゃうみたいで、定期的に近辺を夜にしちゃうんだよね。そうすると、夜の森に住んでた怪物共の活動範囲が広がって、そのまま外で暴れ散らかしちゃうって訳。夜の森の怪物共は近辺の森の動物より圧倒的に強いし、暴れやすいのかもね。ま、また祝福が闇を吸収し始めて昼になり始めたら怪物共は死んじゃうけど。」
「どうだ?理解出来たか?実の所俺はあまりよく理解していないが。」
いや「ドヤる」感じだった本人は理解していなかったんだ。リリナはそう思う気持ちをグッと押えた。
しかし、これでなぜ森に夜が来ないことがおかしいのか理解出来た。あの謎板は何なのかよく分からないが、とりあえずよく聞かれる質問だからあのようなものを持っていたのか、とは思った。とりあえず、ずっと気になってしょうがなかった心がスっと落ち着いてよかった。
「なるほど、実は気になってしょうがなかったんですよね…教えてくれてありがとうございました!」
そうしてその後、皆は食事を終え、食事会は終わりを告げた。
お酒で潰れたルキア以外は、各自で自分の使った道具などを片付け始める。そういえば自分達がここに来た目的を話していなかったなと思ったリリナは、自分の皿を洗いながら言った。
「実は私、ここに来たのは祝福のためなんですよね…」
2人が作業をしながら聞いているのを感じる。
「どうやら我が国の国王様は、「近年緩んできた各祝福の結界を直す」という事を私にやらせたいみたいで…出来る確証は無いんですが。それでも一応やってみようと思って、まずここにルキアさんと来たんですよね…」
「え、それならなるべく早く、それこそ今から行かないとヤバくない?」
「え?」
「いやだってリリナ、それつまり世界旅行しないといけないってことだろ?ノロノロやってたらあっという間に数年、下手したら数十年経つぞ…」
「…言われてみれば確かに…」
「いや気づいとけよ…」
「そういうことなら、今すぐ行こう!洗い物は私がやっとくから、ルナはルキアくん抱えて、リリナちゃんは先にルナと神殿に行ってて!」
「わかった。」「わかりました。」
そういう訳で紆余曲折ありながらも何とか神殿に行くことになった。なんだかこの森に来てから常にドタバタしているような気がするのは私だけだろうか…
読んで頂きありがとうございました。次回も不定期ながらよろしくお願いします。