逃走戦
いつも読んで頂きありがとうございます!随分間隔が空いてしまい申し訳ないです…これからも自分の都合によりこのような更新頻度になりそうです。ご了承ください。
「うおおおおお!!走れ走れ走れ!!!」
暗い茂みと魔物を掻き分け走り、激しく血泥が散る。
どこかからか追いかけてくる魔物の雄叫びが聞こえるが、逃げるのに動き回っているせいで方向が分からない。
右?左?後ろ…?
「ルナ!上!!」
「了解!」
ザシュッ
どうやら上だったらしい。
上から大量の血が降り注いできた。生暖かさと体にまとわりついてくる感覚を感じる。作戦を実行してからしばらく繰り返されていることだ。
「ムウ!1時の方向から2匹!!6時の方向に後退しながら戦え!!」
「ルキアも上と下気をつけて!」
「おい、もうすぐ着くから敵を巻く準備に入るぞ!!リリナ、ステルス魔法を頼む!」
「わかりました!全力でします!!」
最後の魔力を振り絞ってステルス魔法をかける。
すると途端に全身を骨抜きにされたかのような強烈な倦怠感と睡魔が襲ってきた。
「すみません…もうダメしょうれ…す…」
「わかった。ゆっくり休め。」
それを最後に意識は途切れた。
「…ん?」
「お、起きたか。」
目が覚めた。
見渡してみると、木の中に居るような不思議な部屋に寝かされていた。そこら辺にはツタが絡みついている。
「やれやれ…あれから一日丸々寝込みやがって。一応心配したんだからな。」
「ということは、作戦は無事成功したということですか?」
「じゃないとここに居ないだろ。」
「確かに。」
作戦が無事成功していて良かった。なんだか体も綺麗になってるし、誰かが気絶している間に綺麗にしてくれたのだろうか?だとしたらとても申し訳ない…。
それにしてもなんだったのだろう、昨日のは。
世間一般的に夜というものは来るものだと思うが、ルナ達はその事をまるで不自然かのように捉えていた。一体何故だろうか?
そう頭を抱えていた所、扉を開ける音がした。
「おぉ、起きてたか。」
「あ!良かったー!ちゃんと目が覚めて。」
「あ、お二人共。お世話になっております…」
「いい。気にするな。」
「むしろ人を家に初めて招けて嬉しいし!」
ルナとムウが部屋に入ってきた。
私は、自分が迷惑をかけたことについて最大限の誠意を込めて謝ったが、二人はそんなに気にしていないようだ。
ぐぅ
ルキアの腹の音が突然鳴る。
「…あ、わり!安心したら腹減っちまった。」
「おっけー!!!じゃあご飯の支度してくるから3人で待っててね!!!」
「待って。俺も手伝う。」
「珍しいね。いいよ!おいで。」
「じゃあ行ってくる。」
「はい!」「ざっす。」
そうして、二人は部屋を去っていった。
読んで頂きありがとうございました!次回もよろしくお願いします。