修復完了
お久しぶりです。いつも読んでいただきありがとうございます!最近、毎回何人かの方々が繰り返し読みに来てくださって、特にそれがとても励みになっています。本当に感謝しています。
「…っ!!今、一体何が…?」
リリナは多少の頭痛を伴って現実に引き戻された。その彼女の頭の中には今、色々な疑問が渦巻いている。エルネスエルネスは私が引き継ぐ事を予想していたのか、いったいどんな意図でこの記憶を祝福に残しているのか…考えてもキリが無い。しかし、リリナはある二つのことのみは理解した。それは、「今後も神殿を巡る理由ができてしまったこと」と「エルネスが神殿を通して何かを伝えようとしていること」だ。
そう考えていると、今度は突然自分の力が抜かれていく感覚をリリナは感じた。しかもその力はどんどんと威力を増していく。リリナは段々と自身の感覚が無くなっていくのを感じた。数十秒後には立っている事すらままならなくなり、地べたに座り込んでしまった。しかしそれでも手をかざす事だけは、まるで何かに縛られているように辞めることができなかった。
更に意識が朦朧としてくる。もうダメだ。やっぱり自分にはこんな大役をこなせる訳が無かった。そう思いながらリリナが意識を落としかけたその時、ギリギリで力の吸収が止まった。リリナは肩で息をしながらやっと腕を下ろす。するとリリナから吸い取った力らしきものが宝玉に取り込まれ始め、取り込み切った途端に小さな台の足元に巨大な魔法陣が形成された。そしてその魔法陣は爆発的に巨大な膜のようなカーテンを神殿中に貼り、それっきり消滅してしまった。
魔法発動自体は思ったよりもあっさり終わってしまったが、とりあえずバリアを補強する事には成功したらしい…?にわかに信じがたいが、ルキアやルナを外で待たせている事を思い出したリリナは、とりあえず一回神殿を出る事にした。
「ルナさーん!ルキアさーん!」
「お、戻ってきた。」
「おかえり…ってちょっとフラフラしてるな。支えよう。」
「ありがとうございます…」
神殿を出るとルキアとルナが柱に寄りかかって待っていた。ルキアに関してはまだ酔い潰れているかも分からないのでとりあえず声をかけただけだったが、まさか反応が返ってくるなんて。一体この短時間でどうやって回復したのだろうかとリリナは思った。しかも結構しれっとしている。
「私、ちゃんとバリア直せましたかね?実は自分でもよく分からないんですよね…」
「うーん、まぁでも確かに雰囲気は結構前に近くなったよな。」
「そうだな。少なくとも1000年前はこんな感じだった。」
「は?」
「え?」
「あ」
読んでいただきありがとうございました!良かったら感想や反応など、よろしくお願いします。次回も頑張らせて頂きます。