エルネスとリリナの記憶
今回も読んでくださり、ありがとうございます!良かったら感想や評価等を読み終わった後によろしくお願い致します。
輝く一筋の光が、暗くなった部屋中を駆け巡る。これは、頭の片隅に追いやってしまっていた記憶。リリナが子供の頃の話だ。
「わぁー!!おじいちゃんすごい!まほうってこんなこともできちゃうんだね!」
「お前もすぐにできるようになるよ。」
「ほんと?」
「あぁ。お前は賢いからな。きっとこの世界で1番の魔法使いになれるよ。」
「やったー!!じゃあもっとまほう、おしえて!」
「わかったよ。これはな、光を操る…」
10年前、エルネス・スカイアは自身の役割を全うし、国付きの魔術師を引退していた。その後は子供や孫とその余生を暮らし、天寿を全うした。これは、その天寿を全うするまでの10年間の記憶の1つだろう。
「父上!リリナは将来人類史上最強の魔術師になれます!!今からでもより多く''教育''しましょう!」
「私には、リリナを縛る気は無い。確かに彼女には何か強大なものが秘められているのは確かだ。しかし、だからといってその将来を縛る権利はないだろう。」
「私は、ただでさえ貴方のお役目を継げなかったのですよ!?あんなに憧れていたのに!!それをリリナが出来ると言うなら、私は何をしてでもリリナに貴方の仕事を継がせる!!!」
「そんな事、させてどうするの!!私は貴方に反対です!あの子には荷が重すぎる!」
外では激しく雨が降り、雷は嫌という程鳴っていた。ああ、そういえば私は、そんな雨の中を泣きながら帰って来たのだ。トラウマと一緒に。
「ぱぱー!!ままー!!おじいちゃん!!て、てがああああ!!」
「…!!」
「この火傷…!リリナお前…!!」
「と、とりあえず、まずは手当てが先です!!リリナ、こっちおいで」
そこまで記憶が流れると、リリナは現実へ引き戻された。
読んで下さりありがとうございました!引き続き更新頑張りますので、よろしくお願い致します。