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第二話 少年は社会の荒波に揉まれて大人になっていく

 俺がイメージしていた『文芸部』というのは、七割の人が分厚い眼鏡をかけて、図書館で難しそうな本を読んでいるか、辞書を片手に鉛筆で原稿用紙に向かっているか。

 そんなイメージだった。

 だけど、実際の俺が所属する文芸部は、

「ウノ!」

 俺のイメージとは大きくかけ離れていた。

「よっしゃあ、俺五連勝!」

 嬉しそうにそう宣言した香藤先輩は、残っていた最後の一枚を木製の重たそうな机の上に投げた。

 そしていそいそとチョークを手にして後ろの棚の上に置いてある黒板に一本線を付け足した。黒板には香藤先輩と仲渡先輩の名前が書かれていて、その横には沢山の正の字が並んでいた。

 香藤先輩は手についたチョークの粉をパンパンと手を払って落とすと、得意気に仲渡先輩の前の席に座った。

「俺の勝ちは確定だな。仲渡、さぁ何を奢ってもらおうか」

 楽しそうに話す香藤先輩を、仲渡先輩はじろりと睨んだ。

「あぁ? 何言ってるんだお前。まだ勝負はついてないぞ」

 仲渡先輩はバラバラに積まれたカードをかき集めてまとめると、慣れた手つきでシャッフルした。

「もう一回やるぞ」

「臨むところだ!」

「……あの」

 思わず俺が声をかけると二人は一斉に振り返った。

「なんだよ一ノ瀬」

「いや……あの」

 俺は一度深呼吸をして再び口を開いた。

「書かなくていいんですか? さっきからゲームばっかりやってますけど」

「一ノ瀬、お前水差すなよ」

「たまには息抜きも必要だぜ?」

「息抜きばっかりじゃないですか」

 俺はため息を吐いて、持っていたシャーペンの先をさ迷わせた。今日もノートは白い。

「他の奴ら遅くね?」

「喜多川は用があるって言ってたし……」

 俺は思い出してあっと口にした。

「部長はちょっと遅れてくるって言ってました」

 ここに来るときに廊下ですれ違って、早口でそう言われたから理由は聞き取れなかったけど。

「は? やる気あるんかあいつら」

「なにか一言」 自分たちもゲームばっかりしているくせに。

「そうだ、一ノ瀬お前も混ざれ」

 仲渡先輩がカードをシャッフルしながら言った。

「え」

「仲渡逃げんのかよ!」

「そうじゃねぇよ。やっぱり人数多いほうが面白いだろ。もしこれで俺が負けたらちゃんと奢ってやるよ」

「一ノ瀬が負けたら?」

「一ノ瀬の奢り」

 なっ……!

「何でそうなるんですか!」

 聞き捨てならない。思わず立ち上がって机を叩く。するとシャーペンが手の下敷きになって痛かった。だけどそんなこと言ってられない。

 自分でも予想外の大きな声が出て、香藤先輩と仲渡先輩がびっくりしてこっちを見た。

「と、とにかく俺はしませんから」

 なんとなく気恥ずかしくなって机に転がったシャーペンを握って座る。

「へぇ」

 仲渡先輩の声がして顔を上げると、口角を上げた先輩と目が合った。

 ——―嫌な予感がする。

「お前、逃げるんだ」

 さっき香藤先輩が仲渡先輩に言ったのと同じ言葉。

 予感的中。

「え、あの別に逃げるとかじゃ……」

「じゃなんだよ」

「そうだそうだ!」

 香藤先輩、あなたどっちの味方なんですか!

「はぁ……分かりましたよ、やりますよ」

 渋々そう言うと、二人は無言でハイタッチを交わした。

「でも俺、ウノ出来ませんよ」

「何でだよ」

「やったことないので」

「はぁ?」

 いや、そんなこと言われても……。

「教えながらやるのも面白くねぇしな」

 仲渡先輩が困り顔で唸っていると、香藤先輩が「安心しろ」と何やら棚の辺りをごそごそと漁りだした。

「これがある」

 香藤先輩が取り出したのは、少し古びたトランプ。この部室には結構色んな物が揃っているな……。

「トランプか」

「で、何する?」

 香藤先輩がカードをシャッフルしながら言うと、仲渡先輩が俺に顔を向けた。

「お前、何できる?」

「え? えーっと……」

 急に振られて少し焦って考えて答えた。

「ババ抜き……?」

「は? ババ抜きかよ、もうちょっとマシな……」

「いや、いいかもな。ババ抜き」

 二人からクレームがくるかと思って身構えていたけど、意外にも仲渡先輩からフォローの声がかかる。

「シンプルなゲームの方が心理戦が面白くなるし、後は運次第だから文句も出ねぇだろ」

「な、なるほど」

「お前にしちゃ珍しくまともなこと言うじゃねぇか」

 香藤先輩の褒めているのか貶しているのかよく分からない言葉を仲渡先輩は気にも留めずに続けた。

「じゃ、先に二回勝ったら抜けな。一番最後に残った奴が奢りってことで」

「おい、先に自分の希望のジュース決めとこうぜ。俺サイダーな」

 香藤先輩が近くにあった誰のか分からないプリントを裏返して、ペンを走らせながら言った。

「一ノ瀬は?」と聞かれ、いいんですかと言いつつ答える。

「あ、じゃ俺コーヒーでお願いします」

「コーヒーな。……仲渡は?」

 仲渡先輩は少し考えて膝を叩くと答えた。

「やっぱり俺、ジュースじゃなくてパンにするわ。クリームパン」

 仲渡先輩のこの言葉に、

「えぇ!?」

「はぁ!?」

 思わず俺と香藤先輩は声を上げてしまった。

 俺と香藤先輩が仲渡先輩の言葉に声を上げた理由は、この学校の構造にある。今俺たちのいる部室がある、文化部の部室や理科室などが集まる特別棟と、向かって東に三学年分の教室が集まる教室棟が縦に並んでいる。

 その向かって南に職員室や視聴覚室、図書館などがある管理棟が横に並んでいる。

 その管理棟と教室棟を、一階と二階に伸びる渡り廊下が結んでいて、二階の渡り廊下の真ん中に、昼だけ店を構える売店スペースがある。

 自動販売機があるのは売店前、一階の昇降口前、そして管理棟の更に南にある体育館前。その内、パンの販売機があるのは昇降口前と体育館前の二か所だ。

 料金は学生向けに設定されていてジュースとあまり変わらないため、それほど問題ではない。

 問題は……。

「お前、クリームパンって体育館前にしかないじゃねぇか!」

 そう。昇降口前と体育館前では微妙に内容が違っていて、仲渡先輩の指定したクリームパンは体育館前にしかないのだ。

「そうですよ! パンにするならせめて昇降口前にあるやつにしてくださいよ!」

 香藤先輩がいつの間にか手放したトランプをいじりながら仲渡先輩は答える。

「俺、今クリームパンの気分」

「お前の気分なんか知るか!」

 香藤先輩が声を荒げるのも構わず、仲渡先輩はトランプをいじり続ける。

「大体めんどくせーしよ、あんな所まで行くの」

「お前らさぁ」

 香藤先輩の抗議を黙って聞いていた仲渡先輩は口を開く。

「色々言ってるけど、要するにあれだろ?」

 言いながらカードの山から一枚抜き取って、

「勝ちゃいいんだろうが」

 抜き取ったカードを人差し指と中指で挟み、顔の前まで持ってきてくるっと回し、絵柄を向けた。描かれた絵はジョーカー。

 言ってることは分かるけど、なんだか……。

「お前、説得力ねぇぞ」

 香藤先輩が不満そうに口にした。

「ま、時間もないし、そろそろ始めるか」

 やれやれと呟きながら香藤先輩がプリントをどかす。

「そうですね」

「よし、配るぞ」

 そして一回戦が始まった。

 数分後。結果は……。

「よっしゃ、まず俺一勝」

 香藤先輩の勝利。

「やっぱり運は俺に向いてるな!」

 心底嬉しそうにカードをまとめる香藤先輩を、俺と仲渡先輩が悔しそうに見る。

「……次は負けねぇ」

 仲渡先輩の呟きと同時に第二回戦の幕は開いた。

 二回戦の順番は、俺、仲渡先輩、香藤先輩。

 数分後の戦況はというと、香藤先輩と仲渡先輩が一枚ずつ。そして俺がジョーカーを含めた三枚。

 やばい。

 手元に残っているのはジョーカーの他にクラブの七とダイヤのエース。

 香藤先輩と仲渡先輩。どっちがどっちを持っているかは分からないが、香藤先輩がジョーカーを引けばまだ勝算はある。

 俺から見て右にクラブの七。左にダイヤのエース。そして真ん中にジョーカー。

 香藤先輩の番になり、先輩の手が俺の左のエースのカードに触れる。

 あぁまずい。香藤先輩のカードがエースじゃないように……!

 香藤先輩はなかなか引かない。固唾を呑んで見守ると、先輩は俺の顔をじっと

見て手を離し今度は真ん中のカードに触れる。

 よし、いいぞ。そのまま……。

「一ノ瀬」

「はいっ?」

 香藤先輩がいつになく真面目な顔で俺を呼ぶ。そのせいで素っ頓狂な声が出

てしまった。

 香藤先輩は少し呆れた顔で続けた。

「お前顔に出すぎ」

 ピッと右のカードが抜かれる。

 あ、と思ったのも束の間、加藤先輩は「よっしゃ揃った、上がり!」とクラブの

七とスペードの七を机の上に放った。呆然としてる間にも仲渡先輩の視線が凄く痛い。

「ほら、お前らもちゃっちゃと終わらせてジュース買ってきてくれよ」

「黙れ」

 仲渡先輩が不機嫌そうにカードをまとめる。中から一枚抜き取ると人差し指と中指で挟んで俺に向けた。

「次は勝つ」

「お前やることがいちいちキザったらしいんだよ」

 仲渡先輩の行動に冷静に突っ込みを入れた香藤先輩は、棚から漫画を一冊抜き取って読み始めた。勝負の行く末を見守る気はないらしい。

 仲渡先輩がカードを配って、カードの中身を見て半数以上のカードを捨てる。

 流石、二人だけのババ抜き。三回戦と四回戦はさくさくと進み、俺と仲渡先輩の一勝ずつとなった。

 五回戦。

「二人だけのババ抜きってやっぱりつまんねぇな」

 仲渡先輩の言う通り、三回戦、四回線同様、特に心理戦なんて大層なものを

使う場面も来ず、あっという間に俺の手持ちはハートの二の一枚だけとなった。

 その瞬間、俺と仲渡先輩の間に緊張が走る。

 俺の指が右のカードに触れる。仲渡先輩の顔を見るが何の変化はない。

 無駄に焦らしてもしょうがない。すんなりとカードを抜き取ると、「ジョーカー」の文字が目に入る。

 今度は仲渡先輩が引く。俺の手元にはハートの二が残ったまま。

 俺が再びカードを引く。親指と人差し指の間にあるカードはジョーカー。

仲渡先輩が引く。手元に残ったハートの二。

俺が引く。手元に戻って来たジョーカー。

「おい、お前らいい加減にしろよ」

 漫画から顔を上げた香藤先輩がうんざりした口調で言った。

「しょうがねぇだろ、こればっかりは……」

 仲渡先輩が香藤先輩の方を向いたままカードを引いた。

「あ」

 思わずその一言が口から漏れた。手元に残ったのは……。

「やっと終わったな」

 仲渡先輩が疲れた様子で、俺から抜き取ったハートの二と一緒に自分が持っていたカードをぐちゃぐちゃに置かれた山の上に放り投げた。ハートの二とクラブの二が仲良く重なり合う。

 手元にまだあるジョーカーの絵が俺を嘲笑っているかのように見えて、なんとなくカードを無意味に睨み付けた。

「一ノ瀬、奢りだぞ」

 漫画に飽きたらしい香藤先輩が椅子を少し傾けて、棚に寄りかかって言った。これ以上恨めしそうにカードを睨んだってしょうがない。渋々最後の一枚をカードの山の一部に加えると、俺は財布を手にして立ち上がった。

「お前買うもん覚えてるか?」

 仲渡先輩がまとめたトランプをケースに仕舞いながら聞いてきた。

「サイダーとクリームパンでしょう」

 仲渡先輩の問いに答えて部室を出る。まだ最終の下校時刻まで時間があるせいか、人の姿はちらほら見受けられた。

「全く、あの人達はどうして……」

 吹奏楽部の奏でる音を耳にしながら、ぶつぶつと愚痴を口にしながら体育館に向かう。最初に仲渡先輩のクリームパンを買ってからサイダーを買って戻るか。

「あった、あった」

 パンの自動販売機まで辿り着き、中を見ると奇跡的にクリームパンは最後の一つだけ残っていた。

 さっさと買って戻るか。まだ今日の分書けてないし。

 そう思って財布を開く。しかし、その瞬間俺の動きは止まってしまった。


「おぉ、お帰り」

 部室に戻ると香藤先輩がこっちを見ずに出迎えた。

「あ? お前ジュースとクリームパンはどうしたんだよ」

 うっ、仲渡先輩気付いた……。

「実は……」

 仲渡先輩の言葉に怪しんだらしい香藤先輩もこちらを見る。ますます言いにくい。

「売り切れだったか?」

「いえ、パンはあったんですけど……」

 二人の顔色を伺いながら続ける。

「財布見たら……お金ありませんでした」

 そこで一旦口を閉じる。二人の顔を見るのが怖い。

「だから買えなかっ……」

「はぁ!?」

「あほか、あほか、お前はあほの子かぁ!」

 予想通りだったが、二人の剣幕にちょっと怯む。香藤先輩は若干訳の分からないことを言ってはいるが。

 自分でも情けなくなるくらい小さな声だったけど、それでもおどおどとなんとか続けた。

「いや……だから今日弁当がなくて、パン買いに行ったの忘れてて……」

 そこまで言って口籠る。

「へぇ……」

「ふーん……」

「いや、だから……あ、明日ちゃんと買ってきますから……ね?」

「本当かよ」

 仲渡先輩が不機嫌そうな顔をしながら睨んだ。

「証拠は? 口だけじゃなんとでも言えるもんな」

 それに便乗する香藤先輩。俺も溜息を一つ吐いた。

「分かりましたよ。誓約書、書きますよ」

 ノートの最後のページにサラサラとペンを走らせる。

『わたくし、一ノ瀬薫は明日の放課後、クリームパンとサイダーを買って部室に来ることを誓います』

最後に今日の日付と『一ノ瀬薫』とサインして、破いて二人に突きつけた。

「ほら、これでいいでしょう」

 俺の書いた誓約書を二人は無言で覗き込んだ。緊張が走る。

「だめだな」

「えぇ!?」

 これ以上どこを直せばいいんだ!?

「血判押せ、血判」

「えっ!?」

香藤先輩がとんでもないことを言いだして、思わず俺は声を上げた。

「ちょっと、そこまでします!?」

「誠意が感じられねぇな」

「ちゃんと明日買ってきますから!」

 それだけは勘弁してほしい。

「ほら、さっさとやれって」

「普通そこまで言いますか!?」

「食いもんの怨みは深いんだ」

 二人が睨む。目が本当に怖い。

「香藤、押さえろ」

「了解」

「え、ちょっと……!」

俺の抵抗をもろともせず、その体の割に強い力で背後から俺を羽交い絞めにした。

「いいぞ、仲渡」

「良くなぁい!」

「ちっ、カッターもハサミもねぇ……」

 仲渡先輩が鞄の中を漁りながら何やら恐ろしいことを呟いているのを、俺は黙って聞いているしかなかった。

「ま、いいや。仕方ねぇ」

 諦めたか。ホッとしたのも束の間。

「……っ!」

 いきなり左手首を掴まれ、ぐいっと仲渡先輩の顔に近づけられた。二の腕を香藤先輩に押さえられているせいで痛い。

「噛むしかねぇな」

「え!? ちょっと冗談きついですよ!」

「冗談じゃねぇもん」

 必死に手を握って抵抗するが、仲渡先輩にあっさり開かれる。足をばたつかせて抵抗するもなんの意味も成してない。

 仲渡先輩の口に人差し指がつきそうになった瞬間。

「ごめん、ごめん。なかなか課題終わらなくてさ」

 部室内に響いた柳井部長の声に俺はほっと胸を撫で下ろした。

 助かった!

「部長……ってあれ?」

 部長の様子がおかしい。半分口を開けたまま、ぼんやりとこちらを見ている。気付けば仲渡先輩も自分の唇に俺の指が触れるか触れないかくらいの距離で止まったまま、部長の方を見ていた。

「あー……えーっと……うん」

 歯切れ悪く呟く部長はボリボリと頭を掻いた。

「あんたたち、そういう関係だったんだね……」

「え?」

 苦笑いを浮かべる柳井部長の言葉に、俺は深呼吸して今置かれている状況を確認した。

 椅子に座ったまま俺を押さえる香藤先輩。

 必死に抵抗する俺。

 そして、抵抗する俺の指に口を近づける仲渡先輩。

「……」

「……」

「……」

 無言が痛い。お願い、誰か何か言って。

「ごめんね、邪魔して」

 俺の祈りが通じたのか部長がそう言った。でも俺の欲しかった言葉じゃない。

「違っ……ちょっと先輩方、早く離して下さいよ!」

「そうですよ、部長! これには訳が!」

「痛っ!」

 香藤先輩と仲渡先輩がいきなり手を離す。背もたれがなかった為、全体重を香藤先輩に預けていたせいで椅子から転げ落ちてしまった。

「あーごめんごめん、もう退散するから」

「部長!」

 仲渡先輩が呼び止めるが、部長は後ずさって部室を出た。そして少しだけ扉を開けて顔を覗かせると一言だけ口にした。

「ごゆっくり」

 その顔には苦笑ではなく、ニヤリと口の端を歪めた笑みを浮かべている。

 そして扉は閉じられた。

 行っちゃった……。

「あー、部長に勘違いされたじゃねぇか仲渡」

 香藤先輩がかなり不機嫌そうな顔で仲渡先輩を睨んで口にする。

「あ? 俺のせいかよ」

 溜息をついた仲渡先輩はしかめっ面のまま、俺が書いた誓約書を手に取った。そして口を開いて言うことには、

「一ノ瀬、血判押しとけよ」

「まだ言いますかー!」

 俺の渾身の叫びが部室内に響いた。



その後、明日必ず買うとやっと信じてもらえた俺は、ノートにこう綴った。

『今後部室での賭け事はやめよう』

「そこかよ」

 香藤先輩のツッコミ付き。



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