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星霜のイヴ ~希望の詩と絶望の永遠~  作者: 二神 秀
CHAPTER.4 イヴ・ソフィート A計画報告全記録
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§ 4―1 日常



 2億4000万年前。



 地球より4光年離れたケンタウルス座アルファ星A系の第4惑星カーサーのオービタルリング・R1リング内。



 出発予定、3か月前。



 研究の合間の休憩時間に、アダム=ニールセスクは研究室の5つ年上のラルク=サンサーラと、研究室から歩いて5分の位置にある定食屋に来ていた。昔ながらの食堂で、60歳近い店主とその奥さんで経営している。気さくに話しかけてくる人で、アダムもラルクも、定食の味と値段も合わせて気に入っている。



 店内にある古めのディスプレイには、再移住派の過激派グループ・デルダによる、何処ぞの研究施設の爆破テロのニュースが流れていた。


「最近、テロが多いよな」


 そう言って、ラルク先輩はいつもの生姜焼き定食を食べている。


「先月も、どこぞの議員の家が襲撃されてましたよね」


 と、カレーライスを頬張りながら答える。


「テロなんて起こしても、印象悪くなるだけなのによくやるよ」


「もっと平和的に主張してもらいたいもんです」


 いつも通り、食事をしながら、流れてくるニュースについてなんとなく話していた。


「それで、イヴとの関係は進展してるのかね、アダムくん」


「そんな毎日言われても、急な進展なんてしないですから」


「かわいい後輩の、恋の成就じょうじゅを願うのは当たり前だろ」


「面白がってるだけなくせに」


「ふふ。ちゃんと応援してるから、この間、おまえとイヴを家の食事会に誘ってあげた訳だが」


「それについては、何度も感謝したじゃないですかー」


 この話もいつも通りだ。同じ研究室内での色恋沙汰いろこいざたなもんで、冷やかしたいのだろう。


 ラルクは32歳で、現在のおれの年齢の27歳のときに学生時代から付き合っていたサラさんと結婚した。サラさんは優しくほんわかした女性で、世話焼きのラルクとお似合いだなって思っている。今は3歳のジェイクも元気に成長していて、しあわせのおすそ分けでもしたいのだろう。



 食事を終え、研究室に戻る途中。


「そういえば、出発の準備は進んでるの?」


「あー、父さんに準備を手伝わされて大変ですよ」


「我が研究室、初めての惑星カプリでの調査だから、室長も気合が入ってるんだろう」


「各所への手続きやら、持っていくものの調達やらで忙しくしてますよ」


「あと3か月だからな。こっちも準備し始めないと」


「期待されてますからね。いい成果を、なんとか持ち帰りたいですよ」


「ふっ。そうだな」


 と言って、ラルクは笑みを浮かべていた。


 この閉塞へいそくしている未来を照らす希望になりたい。改めて、心の奥底で熱い気持ちを抱き、研究室に戻っていった。



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