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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

女神

女神のいない世界から

作者: 伊藤@


 クレアは変わった子供だった。


「はぁ〜よっこいしょ」

「え?何?よ、よっこいしょ?」

「あ、ごめんね。煩かった?私もよくわかんないけど、つい言っちゃうの」

「あぁ、そうゆうのってあるよね」

「わあ!わかって貰えて嬉しい」


 そう言うと、ぱぁと花が咲いたように笑った。



 国では年に1度、省の慰労会がある。

 原野省で働く母親に連れられた先は、とても大きな会場で沢山の女性と子供達がいた。

 男性も見かけたけど片手で足りる人数。

 

 11歳になり来年は学園に通う。その前の軽い顔合わせも兼ねていて。大人も子供も大変だよな。

 

「ほら、マリアご挨拶して」

「初めましてマリア・サザーネイです」

「あら!凛としたお嬢さんね」

「ありがとうございます」


 母の知り合いだ、きっと話が長くなるだろう。もう早々に飽きてしまった、できればどこかでこっそりと持ってきた本でも読みたい。


「お母様、お料理を食べにいってもいい?」

「いいわよ、それと疲れたなら控え室で待っていて」

「はあい」


 さすが母には本が読みたいのがバレているようだ。人がいる場所では読むなと遠回しに釘を刺された。

 母の知り合いにも卒なく挨拶をして、スルリとその場から離れる。


 取り敢えず、口実とはいえそのまま控え室にいくのもなあと考える。

 ところが美しく盛り付けされた料理の前にきてみたものの、悲しいかな身長が足りなかった。


 ふと横に誰かいた。

 私よりも少し低い身長に、緩く波打つ絹糸の様な金髪。なにより一度見たら忘れられない、その印象的なターコイズブルーの瞳。

 ターコイズブルーはライウッド伯爵家の色だ。この少女はあの有名なライウッド伯爵家の令嬢なのだろう。


「ねぇ、子供でも好き勝手に食べれるように脚立を頼むのと。面倒くさくても毎回食べたい料理を給仕にお願いしてとってもらうの、どっちがいいかな?」


 見ていたのに気がついていたのだろう、パッと私を見て一息で言い切った。つい面白くてぷっと吹き出してから、厳かに伝える。


「きっと、脚立をお願いしてももってきてくれないから。給仕に美味しそうな料理をとってもらおうよ」

「それもそうね!私クレア・ライウッド宜しくね、一緒に食べましょうよ」

「私はマリア・サザーネイ、こちらそ宜しく。勿論喜んで!」


 それが、生涯の友になるクレアとの出会いだ。

 

 すっかり意気投合して彼女を観察すると、クレアは快活で非常に頭が良く、自分の基準を持ち食いしん坊だった。


「ねぇ!もし良かったら今度王都にいかない?お薦めの洋菓子店があるの」

「喜んで、お姫様」

「もう!マリアったらからかわないで」

「え?クレアが可愛いから言っただけだよ?」

「私が?マリアってば無自覚の人たらしだわ」


 クレアがブツブツと何か言っていたけど、クルクルと変わる表情に笑うとえくぼが出来て本当に可愛い。何故か信じてもらえなかった。

 その理由は後でわかったけど。


 クレアは、あのライウッド家の一粒種だけあって既に第1婚約者がいた。

 女性余りの世界で第1婚約者がいるクレアの未来は安泰だろう。相手がアイツじゃなかったなら。

 私も一度見た事がある。

 ラウル・ホールウェイ侯爵家の次男。まだ11歳なのに末恐ろしい程の美貌を撒き散らし女の子を侍らして得意になっていた。

 アイツのせいでクレアは嫉妬や、やっかみで影口を叩かれて、可愛いのに可愛くないとか思い込んでるし。


 本当にアイツ糞だな。


 あぁごめん、言葉が汚かったね。

 言い直すと、軟弱でナルシストで頭が弱い糞だ。

 アイツとなんてクレアが苦しむだけなのに。不思議に思って聞いた事がある。


「ねぇクレア。なんでアイツと婚約する事になったの?」

「侯爵家が王家に泣きついて、王命出されたから仕方無くだよ」

「うわ、酷いね」

「でもほら世間はさ、第1婚約者で、婿入りで、私以外の婚約者は認めないという条件ならあの位は大目にみる()()みたいな感じでさあ」

「あー大目にみろなんていう奴。なら、お前が代われよって思うよね」

「そうなのっ!全くその通り。お母様がブチ切れしてて大変なんだ」

「ほら、ケーキ食べな。我慢出来ない事があったら愚痴聞くからさ」

「マリア優しすぎ〜!レイみたい」

「レイ?」

「あ、よく通ってた魔道具店の子なんだ。凄い頭がよくて優しいんだよ!」

「そうなんだ」

「まぁ…もう、あんまり行けないけどね」


 大好きなケーキを食べているのに、悲しそうな顔をするクレアに胸が傷んだ。

 彼女の、その表情は知っている私もたまにするから。


 永遠に望んでも手に入らない愛。


 クレアは、いやクレアになら私の秘密を知って貰いたいと思った。



 

 学園を卒業して2年、私もクレアも20歳になり別の道を歩んではいるが、今も親密に交流は続いている。

 あの時、クレアの婚約が白紙になってクレアはもう結婚はいいやなんて言っていた。

 クレアは魔法省に入省して魔道具開発をしている。

 私は子供の頃から騎士を目指して鍛錬はしていたけれど、運動音痴と壊滅的な剣のセンスのなさで騎士登用試験の実技で落されてしまった。

 その代わり筆記試験で最高得点を叩き出し、騎士団の事務官として拾って貰えることになった。家から独立出来てホッとしている。

 一人暮らしする時に、子供の頃から片思いの相手である侍女のナターシャをつけてもらった。


 クレアから至急来てほしいと連絡があったのはそんな時だった。


「マリアついに出来たの!」

「本当にクレアは凄いわ」


 クレアは完成した錠剤と器具を持ち、ターコイズブルーの瞳をキラキラさせて説明してくれた。感極まるとはこうゆうことなのか。


「クレアこれで私は男性に?」

「ええ、マリア。親友の夢を叶えることが出来て私も嬉しい」


 私は心は男性で体は女性、こちらの世界では認知すらされていない。


 子供の頃のあの日、クレアに恐る恐るカミングアウトすると。


「なら、私はマリアが男性に戻れるように魔道具をつくるわ!」


 クレアはそう力強く宣言した。

 わかってくれる?あの時の衝撃。男性になれるようにではなく、男性に戻れるって言ってくれた事。


 クレアは間違いなく私の恩人だ。


 最初は小さな違和感。

 もしかして自分は人と違うのかもしれないという不安。それを確信した時の複雑な気持ち。

 ボタンを滅茶苦茶に掛け違えで服をきているような居心地の悪さ。

 誰かにバレたらどうしようという不安と、何故私だけがこんなに苦しまないといけないんだと喚きたく気持ち。

 誰にも言えなくて、毎日毎日少しずつ心が死んでいくようだった。

 鍛えても肉のつかない身体、どんどんと丸みを帯びて、とうとう女性としての準備も整った。自分の身体が気持ち悪くて現実を見るのも嫌だった。


 それをクレアは救ってくれた。


「この錠剤を1年服用してゆっくりと体を整えて作り変える準備をして貰うの。体の準備が整ったら、この魔道具を埋め込むと性別が転換して固定されるわ」

「ありがとうクレア」

「頑張って幸せになるのよ、マリア」

「勿論よ、任せて。絶対に叶えるわ!」



 最初の1ヶ月はこれと言って体に変化は見られなかった、クレアには申し訳ないが劇的な変化があるのかと思っていて肩透かしを食らった気分だ。


「ナターシャ」

「はい、マリア様何でしょう?」

「ナターシャは好きな人いる?」

「いいえ、ナターシャの唯一は敬愛するマリア様だけです」

「そっか…」


 侍女のナターシャは私が拾った孤児だ。雪の降る寒い夕暮れ時、10歳の私は王都にある屋敷の窓から外を眺めていた。

 誰にも言えない悩みで自己憐憫に浸りきって色々と空想していたら、屋敷の門の外に何か黒い塊があるのに気がついた。

 なんだろうとよく見れば風で黒い布が煽られて細い手足が見て取れた。


「子供?」


 慌てて侍女を呼び、門の外を確認させると痩せてガリガリの子供を抱えて戻ってきた。

 6歳くらいだらうか、親に捨てられ彷徨ったのだろうボロボロだ。しかし此方を見つめるその瞳にある生命力はなんだろう。私は一目で虜になった。


「名前は?」

「ナターシャ…」

「今日から貴方は私のナターシャよ」

「え…うん、わかった」


 両親にお願いしてナターシャを私の侍女にした。最初は全く笑いもしない懐きもしない、ただのガリガリに痩せ細った子供だった。

 それでも初めて私が心惹かれる存在に私は夢中になった。


 食の細いナターシャに必死にスープを飲ませ、お湯を嫌がり暴れるナターシャを風呂に入れて細い体を洗ってやる、夜は逃げ出そうとするナターシャを抱きしめて一緒に寝た。

 人に優しくされるのを怖がっていたナターシャ。

 そのうちに食事を心待ちにしていたり、大人しく体を洗われて気持ち良さそうにしてくれたり、朝には私にピッタリとくっついていたり。ナターシャは徐々に心を開いてくれた。


 漸く懐き始めたナターシャを、教養も知識も無いとナターシャと年の近い侍女達は馬鹿にして嘲笑い隠れて虐めていたのだ。

 ただ同情で拾われただけの子供の癖にと。

 

 1ヶ月後のある日ナターシャが居なくなった。


「ミラ、ハンナ、リーズ」


 意気揚々と顔を上げる彼女達は、私と同じ位の年齢だ。親に問題があったり、女だけで子沢山だからと奴隷に売られそうな所を見かねた母達が侍女として雇い入れた経緯がある。

 ナターシャと境遇が似ているのに何故彼女達は優しくできないのだろう。


「今日からお前達は親元へ帰って貰うわ。本来は母様達からの通達を私が言いたいから代わって貰ったの。なぜだか解る?」


 ミラとハンナは真っ青になって下を向いた。リーズは顔をどす黒くして、その目に怒りを溜めて私を見た。


「屋敷に1ヶ月前から記録水晶がつけられたの知ってた?」

「?!」

「リーズ、お前は駄目。その目はいけない。反省するなら親元に返すだけにしたんだけどね。連れて行っていいわよ」


 ヒラヒラと手を振り護衛の女達に連れて行かせる。その時に暴れたリーズが喚いた。


「何故ですか!お嬢様。あんな捨て子より私の方が」

「おだまりっ!同じ使用人同士で上も下もないわ!しかも同じような境遇なのに何故優しく出来ない?そんなにお前は偉いの?」

「で、でも…」

「母様達に拾われたからナターシャより偉いってこと?ねぇ文字が読めたからって威張っていいわけ?痩せてるから沢山シーツも持てないのがそんなに頭にくることなの?何故自分より弱い者をいじめるの?そんな、品性下劣な人間はサザーネイ伯爵家にはいないで欲しいの。わかった?わからないのなら一生考えなさい」


 項垂れたリーズは連れて行かれた。あれの性根は治らないだろう。記録水晶には屋敷の銀細工を盗む場面も記録されていた。

 リーズは犯罪奴隷として引き渡す。

 ミラとハンナは親元に返すが、まぁ未来は明るくはないだろう。


「出ておいでナターシャ」

「………」


 そっと衝立からナターシャは出て来た。居なくなって直ぐに必死に探し連れ帰ってきた。人を怖がってるナターシャに彼女等の処分を見てもらった。


「私が気が付かなくて辛い思いをさせたよね。ごめんね」

「…お嬢様は悪くないです」

「優しいねナターシャ」

「や、優しくなんかないです!怖くて悲しくて何も出来なくて震えて悔しくて、このままいたらお嬢様に嫌われるって、グズッ、お、思って…」

「おいで、嫌うわけない。ナターシャが大好きなんだよ」

「お、お嬢様」


 涙でぐじゃぐじゃになったナターシャは私の腕の中に収まった。


 腕の中の小さなナターシャの愛おしいこと。あぁこれは私の唯一。絶対誰にも渡さない。目眩にも似た高揚感に、私は自分の気持ちを自覚して絶望する。自分が女と言う事に。

 それからのナターシャは何かの信仰のように私を敬愛して尽くしてくれる。



「あのね、ナターシャ。誰にも言わないで欲しい事があるんだ」

「はい、けして誰にも言いませんが?」

「実は1年後に男性になるんだ」

「は?…はい」

「今は信じて貰えないだろうけど」

「いえ、マリア様。マリア様が私に嘘をついた事は一度もございません。ナターシャはマリア様を信じております。もしかしてクレアお嬢様のお力添えで御座いましょうか?」

「うん、そうなんだ。それでね色々とこれからナターシャを頼る事になると思うから」

「畏まりました、この事は一切他言致しません」

「ありがとうナターシャ」



 2ヶ月目になると少し声が掠れるようになってきた。


「マリア様、風邪でもひかれましたか?」

「いや特に体調は悪くないよ」


 3ヶ月目あたりからどんどん筋肉がついてくる、それとかなりの脛毛が生えてきて自分でもちょっと引いた。

 半年も経つとすっかり声は低くなり、肌の質感も変わり始めて初めての髭が生えた。

 そして、精神が不安定になりだした。

 自分で望んだ変化なのに、目の当たりにする変化にショックを受けた自分に落ち込んだり。

 そうかと思うと、小さな事で多幸感に包まれたりと日々の生活の中で感情が剥き出しになり非常に疲れた。

 気持ちの浮き沈みや事務官として同僚達の視線が怖くなったりと、クレアとナターシャがいなかったら乗り越える事が出来たか怪しい。


「マリアの気持ちが落ち着くまで幻術かけてもらおうか」

「幻術…」

「別に周りを騙すとかそんな意味あいじゃなくて、体と心の変化にマリアが対応できるようになるまで。なんてどうかな?」

「考えさせて…」

「うん、大丈夫。他にも何か出来そうな事考えておくから」

「ありがとうクレア」

「お礼ならナターシャに言ってあげて」

「ナターシャ?」

「毎日マリアの些細な変化でも書き記してくれて、3日に1度はここに顔を出してマリアの報告してくれてたから。直ぐに色々と対応できる様になったのはナターシャのお陰だよ」

「…ナターシャ」

「ふふふ、惚れ直したって顔してるわよ」

「そうだね。私にはナターシャもクレアもいる」

「もし本当に辛かったら投薬を休んでも大丈夫だから。あまり自分を追い詰めたら駄目だよ」

「うん、ありがとう」


 

 両親にはなにも伝えてはいない。

 父はサザーネイの当主をしているが病弱で最近は寝たきりだ。実質は第1夫人が当主代行をしてサザーネイ伯爵家を支えている。私の母は第2夫人、そして第3夫人がいるだけで、他の貴族からすると妻の数がかなり少ないのは父の負担を減らす為だ。

 3人の妻が合計6人産んだが、生まれた子は全て娘だった。取り敢えず、長女のルリア姉さんが婿を取り家を継ぐ予定だ。

 

 職場には部分的な幻術をかけてもらった、髭と喉仏、他はそのままにしておいた。

 女が男に変わるなんて有り得ないんだから、ビクビクするより堂々としてたらいいやと開き直った。


 半年を過ぎ開き直ってからは、吹っ切れたのもあって心が軽くなった。

 自分の変化でいっぱいいっぱいだったのも、余裕が出てきたからかしたい事をした。


 ナターシャと沢山デートをした。

 ナターシャが私を見つめる眼差しは半年前と変わらず敬愛だったけど。

 それでもいい。どんなナターシャでも好きだから。


 7ヶ月目になると背が伸び、胸の脂肪が減り始め、体の丸みが消えてきた。

 8ヶ月目腹部に激痛があり、すぐさまクレアに診てもらうと子宮が別の器官に作り変わっている途中だと教えてくれた。

 取り敢えず安静にして欲しいと言われたので2ヶ月程長期休暇を貰った。


 ナターシャに変化が見え始めたのもこの頃からだ。手を握ると赤くなるし、視線がうろうろすると思えば、キラキラした目で見上げてきたり。


 9ヶ月目は兎に角安静にしていた。動くと内臓が引きつれる痛みでかなりきつかった。

 10ヶ月目にそれは起こった。

 朝起きたら何かが違うのだ、長年の違和感が無くなっていた。掛け違えていたボタンはキチンと留まっているような。そんな不思議な気分でトイレに行って歓喜の大声をあげてしまった。


「マリア様どうされましたか!」


 心配して声を掛けるナターシャ。

 トイレから出るとすぐ様ナターシャを思い切り抱きしめる。抱き締めた後は男の生理現象で色々と大変な思いをした。


「もう大丈夫!動いても平気よ、仕事するもよし運動するもよし」


 クレアから太鼓判を押されたので、思い切って仕事を辞めた。休養中に考えていた事だった。幸い事務官の経験とスキルもあるし資格もとっておいた。頭のどこかで辞めてもどこでも潰しがきくようにと思っていたし。


 11ヶ月目、男性が働くのは極稀だ。それでも王都にある中堅クラスのギルドの受付事務として、ナターシャにつけてもらった新しい名前のリアンとして採用された。

 荒くれ者の女性冒険者が、私の前だとしおらしくし行儀もよくなった事でギルドマスターはニコニコ顔だ。

 

 12ヶ月目。


「リアンこの魔道具を埋めたらもう女性には戻れない。止めるなら今よ?」

「大丈夫クレア。私は止めない」

「わかった。じゃ術式を開始するね」


 麻酔から覚めると左の胸に小さな傷跡があった。


「おめでとうリアン。術式は成功だよ」



◇◇◇◇


 あれから4年、私達は2児の親になった。どちらも健康ですくすく育っている。

 妻のナターシャは姉の伯爵家でバリバリと働いていて侍女頭になった。私はギルドを辞めて育児をしながら、たまに講演会の依頼がきたら出向いて自分の記録を見せ自分の体験を話している。



 クレアの魔道具は、またたく間に有名になった。初めの頃は物凄い賛否両論で世間は揉めたり大騒ぎになったけど。確実に世間に男性が増えてきたのをみるとそういう事なんだろうと思う。


 男性になってから、姉に会いに行き度肝を抜いてやった。帰り際良かったわねと言われたのが嬉しかった。


 世界は変わり始めた。

 女神のいない世界から奇跡をもぎ取ってきたクレアに感謝している。

 願わくばクレアにも奇跡が起きるようにと。


 


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