3 廃墟
馬って角生えてないよね?そうゆうのもいる?いやいやいないよね?
普通の馬に角が付けられているのかとも思ったけど、この美しく幻想的な白馬を見ていたら、そうゆうファンタジーな生き物だと納得できそうだった。
「ここって日本、いや地球じゃないのかなぁ…?」
そんな非現実的な事を考えていたらユニコーンが歩きだした。少し歩いては振り返り、こちらをじぃぃっと見てくる。
「あれだ。ついておいでってやつだね?」
ユニコーンはどこかに案内するようにゆっくりと歩きだす。こんな童話のような展開があるかしら。私はひとまずその後をついていく事にした。
ユニコーンはたまに後ろを振り返ってくれて、ちゃんとついてきているのか確認しているように見えた。ぽくぽくと歩いて、やがて森を抜けた。人の気配はまだ無いけど…石造りの大きい橋があって、ずっと下には川が流れている。
「結構な高さだわ。でもお魚はいる…かな…」
漁だわ。漁をするしかないんだわ。
この高さでも分かるくらいのサイズの魚影がある。巨大魚が獲れても困るけどね…
橋は立派な造りではあるものの、所々崩れていたりして、はしっこに行くと危なそう。ユニコーンについて中央をまっすぐ歩いて行った方がいいね。橋を渡り終わるとこれまた立派な建物があった。
正面の階段は大部分が崩れてはいるものの、存在感がすごい。そびえ立つ壁の一部には蔦が好き放題伸びて覆われている。
壁に沿って少し歩いてみたら、地面に水が染みている所もあって、そうゆう所は苔に覆われていた。小さい白い花も咲いているわ。
石畳の隙間には草が生えてきている。もう繁っちゃってるとこも遠目に見えるけど、人の手が入って整えられているような所もあるなぁ。
ここはいわゆる廃墟だわ。でも日本にあるような廃墟とは違う。実際行ったことは無いけど、写真集持ってたから。
鉱山後とか、遊園地とか、集合住宅とか?そんなんじゃなくて…
「古代のお城の遺跡って感じかな…」
生活感が無いのだ。石以外の資材が無いからかな?この状態になってから長い年月がたっているような感じがする。
「古代という程昔のものじゃありませんよ」