プロローグ
今日も何も変わらない日々だと思っていた。ここから見える景色は何も変わらず、只々無為に一日を過ごすのだとそう思っていた。それでもせめて、自分にできることをしていようと思い、外に出ようと扉に目を向けるとそこには、黒ずくめに大きな鎌を持った人が立っていた。
扉が開く音も何もなく、いつから居たのかも分からず到底普通の人が持つとは思ないものを持っているものがそこにはいた。
その人物はこちらが見ているのも関わらず、そこにただ立っているだけだった。どれくらいの時間がたったのか分からないが、こちらに何かをするわけでもなく、唯佇んでいる姿を見て、恐怖よりも興味のほうが勝り、気づいたら声を掛けていた。
「えっと、さっきからそこにいるけどどうしたの?」
そう声をかけてもその人物から反応はなく、状況も変わらなかった
「何か反応してほしいんだけど」
苦笑交じりにそう告げてみたら、件の人物は首を振り周囲を見回したかと思うと、不思議そうに首を傾げた。まるで自分以外の誰かに声をかけているとゆうような反応に、自分は怪訝に思いながら、
「君に言ってるんだけど…」
と、そう告げるとその人物はびっくりしたかのように固まると少し間をおいて、
「私が見えるの?」
そう聞いてきた。黒ずくめという怪しい、というか大鎌なんて物騒なものを持っている人物から発せられたとは思えない澄んだ声に、多少驚きつつ、その質問に首肯で返す。すると、その人物は小さく、見える人なのねと何かに納得するような反応をし、おもむろにフードを上げるとこう告げた。
「私は、あなたの死を見届けに来ました。」
…その恰好からは想像できない、少し幼さの残る顔に見惚れながらも、告げられた言葉に驚いた。そして何も変わらないと思っていた日々から、何かが動き出したような気がした。