05
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「なんでとどめを刺さない。まさか女に手は出さない、なんて言わないだろうね。」
「…そんなんじゃないよ。」
喉元に突き付けた剣をゆっくり下ろす紘一。
「俺は…俺は父さんを小さい頃に亡くしてる。でも、父さんの思い出や教えてくれたこと、一緒にいた記憶は胸の中でまだ生きてる。でも…。」
剣を握る手に自然と力がこもる。
「でも、俺がここであんたを倒したら、小林琢磨のことを忘れてしまう。小林琢磨もあんたのことを忘れている。そしたら、二人は死んだも同然だ。思いや記憶を完全に殺す事なんて、俺には出来ない。せめて、あんたには覚えておいて欲しいんだ。小林琢磨の事を。小林琢磨が目を覚ました時、忘れられてるかもしれないけど、本当の意味でそばにいてやれるのは、あんたしかいない!」
バイザーの奥の瞳を紘一は真っすぐに見つめた。
「だから、とどめを刺さない、ね。甘ちゃんだね、あんた。」
赤いローブの女は踵を返すと、変身を解いた。
「私は、坪井アカネ。同じ大学だ、また顔を合わせる事もあるかもね。」
赤髪の女、アカネはそう言いながら去っていった。
「変身解除。」
紘一は変身を解くと、肩をがっくりと落とし、そのまま、膝をついた。
「…良いのですか。」
「良くはないだろうね。正しいとは思ってないよ。彼女の恨みがはれたわけじゃないし。
ふう、少し疲れた。…今日の酒はしみるだろうな。早くタカたちに合流しないと。もう七時過ぎてるし。」
「そうですね。約束の鳥貴族までの最短ルートをご案内いたします。それにしても見事でございました。ライカウィングをあのように使い、ここまでのレベル差を覆すとは。」
「前回、見せてもらったのを応用したまでさ。それに、昨日、言ってただろう。魔道具は攻防どちらにも使用できるが繊細だと。それなら破壊も容易だろうと踏んだのさ。」
昨日、紘一はリヴに"Be Alive"についてできるだけ細かく、話を聞いた。その中で、ジョブの優位性と弱点、立ち回りなど、そういったところを既に頭の中で、まとめていたのだ。
鳥貴族が入っていたテナントから、ごうごうと赤い炎が立ち上り、黒い煙が辺りに広がっていた。
炎の周りを消防隊や警察が忙しなく動いていた。そしてそれを取り囲むように人だかりができて、各々、その様子を見守る者やスマートフォンで動画におさめるなどしている。
「うそだろ、おい、タカ、ユイ!…ごめんなさい、どいて!!どいてくれ!!あ、す、すみません、ここで飲んでた男女二人組がいたはずなんですけど!!ここのトリキで待ち合わせしてて、その…!!」
「被害にあわれた方はこのすぐ近くの総合病院に全員搬送されました。恐らくはそちらに…。」
「ありがとうございます!」
通路を封鎖していた警察官に二人の居場所を尋ねると、警察官が言い終わる前に、紘一は走り出した。
「あ、紘一君!」
「…ああ、タカのお母さん!タカは!?」
タカとは幼馴染でもいまだに互いの家に行き来している顔なじみだ。タカの母の顔は普段の元気な姿とはうってかわって蒼白としていた。
「けがはやけどで済んだみたいなんだけど、その…意識が戻らないのよ…。お医者様はショックで倒れたんだろうって。」
「そんな…。あ!そうだ、タカと一緒にいた女の子がいたと思うんですけど、知りませんか?」
「ああ、ゆいさんだったかしら、さっき、ご家族とお会いしてまだ救急外来にいるみたい、彼女も意識が戻らないって。」
「そう、ですか…。」
病院内は騒々しく、医師や看護師たちが大声で必要な物資、治療法、必要人員を伝えあっていた。
その中で何もすることのできない紘一はただ、呆然と立ち尽くすだけだった。
「紘一様。今は祈りましょう、二人の回復を。」
「そう、だな。」
己の無力感にがっくりと肩を落とし、ベンチに力なく腰かけた。
「タカ、ユイ…。」
自然と手を合わせ、祈りの姿を紘一は取っていた。
「患者さ……員の意……ない……て…りえ……。どう……てる!」
「脈拍……定、意識レベ……あ……せん!」
喧騒は相変わらず止まないが、先ほどとは違うざわつきが起こっていることに紘一は気付いた。
『なにか、起こってるのか?』
「紘一様。宜しいでしょうか。紘一様もお気づきになられたようですが、この騒ぎ、少し変です。」
ポケットにしまっていたスマートフォンからリブの声が聞こえ、スマートフォンを取り出した。
「わたくし、先ほどから周辺の音声情報を認識、解析しておりました。すると偶然とは言えない事が起こっているようです。」
「なんだ?」
「医師、看護師の音声を認識した結果、緊急搬送された方、全員が意識不明に陥っているとのことです。」
紘一は大きく目を見開いた。
「全、員…?そんなこと…まさか、そんなこと!いや、…強襲者。強襲者の仕業ってことか?」
「その危険性が高いかと存じます。強襲者は己の怨念や、怒りの精神、それは飢餓感に似ていると言われていますが、それが頂点に達した時、周囲に災いをひき起こします。そして、災いに触れた人間の精神を食らい、満たされると一時的に眠りにつくのです。」
「じゃあ、タカとユイもそのせいで!?」
紘一は動揺を隠せないままリヴに尋ねる。リヴはそれに対していつもと変わらぬ泰然とした雰囲気を崩さずに話を続けた。
「そうでなければ、いくら爆発事故とはいえ、全員の意識が喪失するなど、天文学的確率でもなければ起こりえません。幸い、死者は出ていないようですが、それが逆に不自然なのです。」
「確かに、大事故とはいえ、誰も死んでない、にも拘らず全員が意識不明…。それならタカとユイの意識もその強襲者を倒せば元に戻る…。」
「可能性はあります。事故の現場近くに行けば、強襲者のスピリットの残り香があるはずです。ただ…。」
「俺が勝てる相手かはわからない、か。」
「仰る通りでございます、これだけの事故を引き起こす怨念。脆弱な強襲者ではないでしょう。」
紘一はそれを聞くとベンチから立ち上がり、呟いた。
「それでも戦わなきゃ、俺はLIVINGだから。」
再び鳥貴族へと戻った紘一は改めて現状の悲惨さを認識した。火は既に消し止められたようだがそれでも辺りは黒い煙に包まれ、警察や消防が、慌ただしく動いていた。まだ野次馬の波も消えておらず、皆が足を止め、中の様子を見ているようだった。
「リヴ、ここからだとまだわからないか。」
「そうですね。あくまでも強襲者は一度スピリットを食らうと眠ってしまい、その存在感は薄れてしまいます。」
「せめて中に入ることが出来れば…。とはいえ、今は無理か。残り香ってのはどのくらいまでもつものなんだ?」
リヴはしばし沈黙した。これは彼が裏で計算している証なのだろう。
「恐らくこの規模なら三日程度ならわたくしでも検知できるはずです。」
「分かった。」と一言だけ言うと紘一は踵を返した。
改めて総合病院に戻り、タカとユイを見舞った紘一は、死力の限り、戦う事を決意した。
病院のエントランスは未だに喧騒に満ちていたが、紘一はそれに耳を傾ける事は無かった。
どうやったら、勝つことが出来るか、ただひたすらにそれだけに思考を巡らせていた。
「…。」
「紘一様、お考えになっている事は察しておりますが、今度ばかりは突撃して勝てるとは思いません。」
「それは解ってる。だからこそ、考えているのさ。LIVINGが強くなるには、スピリットを回収するしかない、それは間違いないな?」
「仰る通りでございます。」
「なら、まず、この件の強襲者以外を倒して、スピリットを稼ぎたい。検索できるか。」
「畏まりました。現状、100mが一ButlerOSの索敵できる範囲ですが、他の機関や連合体、LIVINGが持つ情報を並列で計算すれば、紘一様に勝機のある強襲者を探すことは可能です。お時間を一時間ほど頂ければ。」
分かった、そちらは頼むよ。そういうと紘一は病院を後にした。
「今日は帰ってゆっくり休むよ。明日からは、少し忙しくなる。」
そうリヴに呟いた紘一の目には戦士としての決意がありありと浮かんでいた。
あくる朝、いつも通りテンの頭を一撫でした後、最寄りの駅に向かう。
二度、スマートフォンが振動した。敵対するLIVINGが近くにいる証拠だ。そして、紘一はいつものホームにおりず、その対角のホームへと歩いていく。
「…紘一様!?」
リブの声がイヤホン越しに聞こえてくるが、それを無視した。
「おやおや、そちらから来てくれるなんて。ちょっと驚いたな。」
そこには長身痩躯の学ラン姿の青年が立っていた。電車のベルが鳴り、電車が過ぎていき、取り残される紘一と青年。
「はじめまして、と言った方が良いよね。僕は鏑木瞬、Lv28ヒーラーだ。僕の所まで来たという事は戦いたい、という事でいいんだよね?」
「俺は、田中紘一、ファイターだ。瞬、君と戦いたい。が…。」
鏑木瞬は目の前に立つ紘一の真意を測りかねたが、その眼には明らかに闘志が宿っているのが見て取れた。
「あくまでも戦いは模擬戦で戦いたい。つまり、修行を付けてもらいに来た。」
「……アッハハ、急に何を言い出すかと思えば、戦いじゃなくて模擬戦!?笑わせてくれるね。」
「瞬、君は一度、俺の家まで来た、そうだね?」
瞬は目にかかる前髪をするりとなでると、それに頷いた。
「でも、君はすぐに襲ってこなかった。その真意は何か。俺がまだLIVINGになりたてだっていう事を察したから。」
瞬は、紘一の次の言葉を待った。
「君の考えはこうだ。弱いLIVINGを狩っても楽しくない。強くなったところを蹂躙したい、そんなところだろう。」
「…くっくっく、へえ、そんなことまで考えていたのか。大学生っていうのは頭が良いんだね。そうだよ。初心者狩りなんてしたところで面白みも何もないからね。」
「そうじゃなきゃ、わざわざ、敵対シグナルを出して、いつでも臨戦態勢だとアピールする必要もないもんね。」
瞬は前髪をかき上げるとその端正な顔立ちを歪ませた。
「へえ、それもお見通しってワケか、ちょっと腹が立ってきたよ。」
「怒らせるつもりはなかったんだけどね。ただ、こちらの要望は一つ。俺をLIVINGとして強くしてくれ。俺はある強襲者を倒すことが、目標になっている。だが、到底かなう相手ではない。なら、自分のやるべきことは一つ。自分の強化だ。」
なるほど、と瞬はつぶやくと紘一を一瞥した。
「だから、真剣じゃなくて、模擬戦か。でもそれではスピリットは獲得できないじゃないか。」
「そう。それは今、自分の"執事"に自分と同格の強襲者を探してもらっている。スピリットはそれで回収する。あくまで、君に教えてもらいたいのは戦い方だ。」
紘一は瞬をまっすぐ見つめたまま続ける。
「まだ、俺は二人のLIVINGとの実戦を経験しただけでLIVINGとしては弱すぎる。君が敵対シグナルを出し続けているのは何時でも戦えるという自信の表れ。自分の強さに自信がある。なら、君の望みをかなえる方法は?」
「あんたが強くなる事…。で、強くなるためにそれを手伝え、と?」
「そうだ。俺が、倒したい強襲者を倒したら実戦だ。いくらでも蹂躙してくれて構わない。」
「面白いね、実に面白いよ、君。いいよ、いいだろう。なら、次の電車に乗ってくれ、僕の隠れ家まで案内しよう。」
電車にゆられ二駅ほどいったところで、瞬たちは電車を降り、建築途中のビルへと入っていった。
「ここが、僕の隠れ家。建築途中で建設業者が倒産しちゃって、そのまま放棄されてるんだ。埃っぽい事を除けば、良い所だよ。」
建材などが山積みになったまま、だいぶたっているのだろう、埃をかぶっている。その一角に不釣り合いなテーブルとソファ、小型の冷蔵庫に、トースター、コーヒーメーカーまでが置いてあった。
「何かのむかい?電気を隣の雑居ビルから拝借してるんだ。コーラに、オランジーナ、ウーロン茶…あとは、アクエリアスは飲み切ったか。コーヒーも淹れられるよ?」
瞬はウーロン茶をあけながら、紘一を見て笑った。
「そんなに怖い顔するなよ。ここは誰も来ないし、僕は君が予想した通り、今すぐ君を取って食おうってわけじゃないんだ。」
渡されたグラスにはコーラがつがれていた。
「一呼吸置いたら、修行っていうのをやろうじゃないか。人に戦い方を教えるなんてした事が無いから、上手くはないかもしれないけどね。」
「…分かった。」
紘一はつがれたコーラを一気に飲み干した。自然とため息が出る。緊張していたのだろうか。それを瞬には見抜かれていたようだ。
「…倒したい強襲者って、この前の居酒屋が爆発した、あれかい?…ん、なんでわかるかって顔してるね。アッハハ、こっちだってLIVINGだ。そういう情報は僕の"執事"のメリーが集めてくれている。知り合いの魂でも食われたかな?うーん、正直、どうかな、今の僕で倒せるかどうか。それくらい強いようだよ。」
紘一は息をのんだ。
「なにせあれだけの事故を引き起こせる怨念だ。しかも、あの居酒屋にいた人間の魂をありったけ喰らっている。更に強くなっていると考えて良いだろう。」
瞬は自分のグラスに入ったウーロン茶を飲みほした。
「さあ、つまり、最低でも今の僕くらいには強くならなきゃいけないんだ。覚悟してもらうよ。」
「望むところだ。」
紘一は瞬から目を離さずに言い切った。
「グラス、ほら。はい、さて、あとで洗わなきゃな。こっちは水が出ないから、それが不便でね。まあいいや、よし、っと。じゃあ、やろうか。」
瞬の手には折り畳み式のスマートフォンが握られていた。
「ジョブ、ヒーラー、変身。」
瞬が光に包まれると白を基調としたローブのようなスキン、胸部と脛部にプロテクター、右手には青白い穂先のついた身長よりやや長めの槍が握られていた。紘一もスマートフォンを取り出す。
「変身ッ!」
紘一は赤を基調としたプロテクターのファイター。腰を落として、剣と盾を構える。
「紘一様、ヒーラーですが、たた…」「リヴ、今回は口出ししないでくれ。」
「畏まりました。マイマスター。」
「紘一君、本気で来てよ。僕も本気でお相手しよう。実践が何よりの訓練になるだろうからね。ただ、とどめは刺さない。それでいいね。」
紘一はわずかに頷いた。息を深く吸い込んで、紘一は打ちっ放しのコンクリートの床を蹴った。
「ダアッ!」
剣を大きく振りかぶらず突くように、瞬の胸元めがけて斬りつける、が、当たる瞬間に見えない壁にぶつかる。
「ヒーラーのバフ、プリセプツウォール。生中な攻撃では弾かれるよ。…そら行け!」
弾かれてバランスを崩した紘一に瞬は左手を突き出す。すると青白い閃光が紘一に直撃した。
「ヒーラーはソーサリーほどじゃないが攻撃スキルも所持している。今のはセイクリッドレイ。」
セイクリッドレイが直撃し大きく跳ね飛ばされるがすぐに体勢を立て直し、再度斬りかかる、が、まだプリセプツウォールのバフがかかっており、当然弾かれる。が、弾かれると分かっていれば耐えられる。強引に足に踏ん張りを効かせて二回、三回と剣を見えない壁に振るう。瞬が今度は右手の槍で、紘一の胸を突く。
「クッ!があっ!」
後ろに飛んで躱したが槍のリーチがそれを許さず槍は紘一のプロテクター深くに突き刺さる。間合いを離し、再び仕切りなおす。プロテクターの中央に穴はあいたが、幸い紘一の体までは到達していなかったようだ。三度、紘一は床を蹴って瞬に飛び込む。
「シールドロア!せあッ!」
シールドからわずかに発生した波が発生し、即座に紘一は瞬へ斬りかかる体勢を整える。
「こざかしいね。」
紘一の剣が瞬に届く前に、槍でそれを防ぐ。そのまま紘一の腹部へと槍の石突きを振るい深々とわき腹を打ち据えた。
「ごほっ、ぐ、ライカウィング!」
真上に跳躍しすぐに、天井に足を付き、それをばねにして、瞬めがけて突進する。渾身の突き。
「だから、こざかしいと言っているんだよ!」
機転を利かせた一撃も瞬の体をとらえることが出来ず空を切る。後ろに紙一重で下がり、槍を紘一の方に見舞う。
「があ、く、であ!」
槍を受けながらも剣を振るう紘一。それをやすやすと槍の柄で受け止め、右回し蹴りを紘一に見舞う瞬。紘一は大きくよろめくも膝をつかない。さらに瞬は槍を一閃、二閃、振るい、盾で受け止める事も出来ず、紘一のプロテクターが刻まれる。
「もう手品は終わりかな?」
『強い、強すぎる。』
天井を使った、一突きも、連斬の前のシールドロアも先の戦いで、相手を追い詰めた技だ。それを完全に見切られた。考える事で格上の相手を打倒した紘一にとってはまさに驚嘆に値した。
「よし、じゃあ、僕の番だ、ね!」
言い終わる前に床を蹴り、飛び込んでくる瞬。槍を高速で振るう。それを紘一はなんとか、盾で防ぐ。猛攻。盾がどんどんと削られていくのが解る。
「チェック、メイトだ!」
槍を下から上へと全力で薙ぎ払う。それを紘一は盾で受けるが、その衝撃で盾が完全に割れてしまった。無防備になった紘一に瞬は左手を突き付ける。
「セイクリッドレイ!」
リキャストタイムを終えたセイクリッドレイを無防備の状態で喰らう紘一は、無残にもプロテクターが砕けていくのを薄れていく意識の中で感じていた。
「ぐぅ、うう、いつつ…」
「紘一様、お気づきになられましたか!」
「まだまだみたいだね。」
どうやら先ほどの特訓の最後に受けたセイクリッドレイで意識を飛ばされたようだ。冷たいコンクリートから背中を起こす紘一。
「さて、続きといこうか。」
瞬の言葉に反応し、立ち上がる紘一。プロテクターのほとんどは消失しているが、体に曲芸ではない、芯のある戦い方を身に着ける。それがこの特訓の目的だ。スマートフォンを手に取り紘一は息を整えながら、言う。
「変身…。」
紘一の体は光に覆われると先ほどボロボロになったはずのプロテクターが見事に復活していた。
「僕はヒーラー、自分や仲間のプロテクターの耐久値を回復させることが出来る。君が寝てる間に回復しておいたのさ。さあ、つづきだ。行くよ!」
瞬が、まばたきする間に間合いを詰めてくる。剣と盾、槍の攻防はそのまま夜まで続いた。