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13 製作活動 その2

 「パンとリスタヤギの肋肉ですね!」

 

 俺はまだ人間に変幻してないのに、セラは俺の買い物を当てた。

 

 「匂いで分かるか?でもアイテムボックスの中だけどな。」

 「カイト様の体の表面に匂いが残ってます〜」

 「本当?」

 

 自称平原狼人族と同じぐらいの嗅覚のソードキャットに確認する。

 

 「匂い自体は残っている。しかし私はリスタヤギの肋肉の匂いを覚えようとしたこれはないので。」

 

 セラは味の博士ってことか。

 犬の方プラス1ポイント。

 人間に変幻する。

 

 「ちなみにセラは、レクリピア大オークって知ってますか?」

 「知らない。」

 「ヘレナは。」

 「私も知りません。その名から、魔族の類かと。」

 

 知らないか。

 同じ女性なら知るかもしれないと思ったけどな。

 

 「そうか、後自分で調べる。とりあえず食事としてこれらを買った。」

 

 パンと肋肉を出す。

 

 「これ、貴族様が食べるパンですね。」

 「そうですか?銅貨5枚ですけど。」

 「銅貨5枚か、ちょうど私が孤児院にいるときの月給ね。」

 「セラの場合はお小遣いと言え。」

 「いやいやちゃんと働きましたよ。家事は8歳から、仕事は10歳から。そして二年貯めてこのライフを買った。中古だけど。」

 

 なるほど、異世界の児童は働くんだ。

 俺に至って27歳まで無職。

 

 「結構大変だな。何をやらされたか?」

 「ドルイドになったので、基本病院でヒールをかけるぐらいですね。」

 「そうか。」

 

 バリバリセラを使ってやがるな、孤児院も。

 

 「で、パン食べるの?それともお得意の肉を焼くの?あっ、調味料はこっちね。」

 

 ついでに調味料を次々出す。

 

 「私が知らない調味料いっぱい。というより種類が多すぎます。」

 

 どうやらセラはこれらの調味料の使い方が知らないみたい。

 

 「多分この附近では、これらを調味料を扱ってるのは魔法の都のものしかないかもしれない。」

 「なるほど、魔法の都の料理人様は、みんな錬金術士様ってことですね。」

 

 錬金術士か、いや、料理出来ない俺にとって、奴らは錬金術士かもしれない。

 

 「カイト様、大変素晴らしい召し物ですが、今度h野菜類を少々お持ちした方がいいかと。」

 

 ダメ出しされた。

 そうだ、栄養バランス考えてなかった。

 しかしこいつ、野菜を所望するか。

 猫なのに。

 

 「え〜私はいやです。」

 「野菜を食べないと育ちませんよ。」

 「私は孤児院の不味い飯でもちゃんと育てますぅ〜オーバーですぅ〜。」

 

 確かにオーバーかもしれない。

 とても12のガキの体つきとは思えない。

 

 「野菜ね。分かった。」

 「カイト様、鍛治師の第4層に、「無情なる鉄溶の手」というスキルがあります。それで武器ではない鍋と容器が作れます。包丁も作れます。」

 「なんだその物騒なスキル名。」

 

 ていうか包丁は立派な武器だろう。

 俺は職業を鍛治師に変わり、鉄を触れる。

 

 「溶けてないじゃん。」

 「想像を働いてください。」

 「想像?うん。」

 

 これは想像で鉄を予想した形に変化するスキルなの?

 便利過ぎな気がする。

 試しに、フライパン?

 

 「おお!」

 「さすがです。」

 

 鉄インゴットの一部が溶けて、フライパンとなった。

 

 「これは使えるな。でもこんな簡単作れると、いやなんでもない。」

 

 職人さんに悪いと思ったか、別になんの職業に変幻するのもその職業の人に悪いかもしれない。

 その考えは埒が明かない。

 

 「これも使ってください。」

 「木材か。」

 

 ヘレナが用意してくれた木材を、「無情なる鉄溶の手」を扱う。

 これで中華鍋、鍋、お碗、包丁、ナイフ、フォーク、スプーンも作った。

 

 「カイト様、これはなんでしょうか?」

 

 ヘレナは箸を掴んで俺に聞いてみる。

 

 「これは箸ですね。まぁ、苦手なら使わなくていい。」

 「とりあえず器具一式が揃ったね、私が調理しますよ。肉、全部使っていい?」

 

 セラは鉄よりも重い肋肉に指を指す。

 その肉の大きさ、武器にもなるような。

 

 「保存出来るないなら、全部使っていいよ。」

 「それには及びません、私には氷の魔法が使えるので、保存は問題ないです。」

 「むむむ。」

 

 それにしても、竜血騎士lv1なのに、扱えできるスキル多くないヘレナ?

 製作し続けることに、人間の方がlv15になった。

 大分遅くなりましたな、レベル上げの速度。

 製作で経験値を稼ぐには、やはり第五層のスキルでする方がいいかもしれません。

 

 「これから武器と防具を作るだ。ヘレナにセラ、何か所望する装備品は?」

 「私は竜血騎士なので、hp丈夫と精神はかなり高いので、多分鉄の装備品ではあんまり頑丈さは変わりません。」

 「そうなの?ヘレナのステータスまだ見てないけど。」

 「つきましては、裁縫職人でlv5の魔法の布で出来た装備品でいいです。あれがあれば頑丈さがかなり上がります。」

 

 頑丈さだけね。

 他のステータスは一切ないから。

 それでも世界唯一の装備だけどな。

 リティラの話は本当なら。

 

 「セラもそうか?」

 「セラも、鉄の装備じゃ動きは鈍くなるだろう。私と揃えたほうが方がいいでしょう。」

 

 糸糸糸糸糸糸糸糸糸糸糸糸布布布布布布布生成

 単純作業を終え、レベル上げた。

 二回も。

 やはりlv5の経験値は比べ物にならない速さだ。

 

 魔法のワンピース ギアスコア 8/10 全身装備

 hp+122 頑丈+128

 

 「ワンピース、ですか。」

 

 俺が作った絶品のワンピースを複雑な目のヘレナ。

 

 「どうした?」

 「いいえ、これでいいでしょう。」

 「帽子と手袋もありますよ。」

 「はぁあ。」

 

 ふっと溜息、やはり不満か。

 竜血騎士なのに、なんかフリフリなものを着て。

 でも猫耳娘にズボンを履かせるのが嫌だ。

 モチベが散る、俺の。

 

 「そういえは、これがあった。」

 

 俺が出したのは、最初に出来た装備。

 

 狼王のレザーコート ギアスコア 7/10 胴装備

  hp+47 器用+44 丈夫+29 素早さ+52 闇耐性+60 流血状態の敵ダメージ+10%

 

 これはどうだ。

 全身装備なのにhp120と丈夫120しか上がらないワンピースよりはいいだろう。

 

 「ヘレナ、これは」

 「おおおおおおおー!」

 

 奇声を発したのはセラの方だ。

 彼女は火にかけた肉をガン見してるところだったが、こっちの装備を見てすぐ駆けつけた。

 

 「何この狼人族の血を沸かせるコートだろう。」

 「お前昨日も血湧いたっけ。」

 「これは、かっこよすぎる。」

 「欲しい?」

 「欲しいです。」

 

 月光暗殺狼のイメージしたこの装備は、やはり狼人族のセラの心を引き合う何かを持ったのか?

 

 「でもこれ戦士用の装備だけど、お前昨日賢者になったじゃないの?今からでも間に合うか?その〜」

 「平原狼司祭です。」

 

 ヘレナ、即答。

 

 「そう!狼司祭なりませんか?」

 「う、うう。」

 

 やはり嫌だな。

 でも装備が欲しい。

 そんな拗ねたわがままの目線だ。

 

 「カイト様、私はこの聖剣があるだけで十分です。セラにこのコートをください。」

 「あ、ありがとうよ、ヘレナ。」

 

 セラはヘレナに抱きつき、俺に礼を言わず即狼王のレザーコートを装備。

 

 「ワォ〜!」

 

 そして吠えた。

 こいつ阿呆だけど、可愛いな。

 この後、肋肉の焼き物とパンを食べた。

 

 「おお!こんな豪華な食事、初めてです!」

 「とても美味しいでございます。」

 「うん、悪くない。」

 

 悪くないが、俺はこれで焼肉三連続だ。

 変化が欲しいな。

 

 「昨日よく眠れたか?何があったか?」

 「セラは今起きたばかりです。私もカイト様が連絡するまでぐっすり眠りました。とても住みここちいい場所です。」

 「特にあの毛皮、ふわふわです。」

 

 ごめんな、ヘレナ。

 しかし住み心地いいか、一度は寝てみたいな。

 2人と。

 

 「でも、今朝妙な一同が見つかった。ちょうどカイト様との念話後に出てきた。」

 「え〜カイト様と念話したの、私も混ぜたい。」

 「一同?この山にか?」

 「いいえ、違います。」

 

 ヘレナはそういって指を天を指す。

 天から?

 ヘレナとセラの本物が来たでも?

 

 「グリフォンを乗った奴らです。」

 「グリフォン?」

 

 グリフォン、なんか聞いたことあるな。

 つい先。

 

 「はい、全員赤い服を着てました。魔法の都の衛兵隊かと。」

 「私はよく見かけますよ。あれは確かランディアのグリフォン隊です。」

 「セラは知ってるか?」

 

 さすが地元。

 

 「グリフォン隊は魔法の都の結界の守備を任された精鋭部隊だそうですよ、孤児院のおばさんが言ってた。」

 「そのグリフォン隊はこっちまで来た?」

 「こちには見てないと思う。というより見えないと思います。カイト様の結界があるから。」

 「俺の結界って物理的干渉できないじゃないの?」

 「でも意識を逸らすことが出来ます。それも最高級の結界。いくら精鋭のグリフォン隊でも気づけないと思います。結界を張る前にこの場所を知らない限り。」

 

 ヘレナ、それ場合は大体もう気付かれている。

 

 「大丈夫、奴らが来ても、このカイト様から貰った聖剣で一掃する。」

 「そこまでする必要はないと思うけどな。」

 「それもそうです。私の見立てでは、多分普通のパトロールでした。」

 

 パトロールか。

 赤い制服一式で、グリフォンに乗ってパトロール。

 

 「カッコ良さそうだな。」

 「とってもカコイイだよ!私孤児院を出たらグリフォン隊に入る希望だった。」

 

 セラはグリフォン隊進路だったか。

 

 「てことはグリフォン隊に女の子いる?」

 「リーダーらしきものはミールドワーフの若い女でした。」

 「は、は〜。」

 

 ヘレナは「この質問の意味が分からない」の顔、セラはジト目。

 しかし、猫耳少女と犬耳少女がグリフォンに乗って戦う。

 すごくファンタジーではないか。

 

 「そういえば、グリフォンって買えるか?グリフォンあったら。山の中のヘレナとセラも大分動きやすいと思うよ。」

 「それは至難かと。」

 「どうして?」

 「グリフォンは高い騎乗技術と騎乗者の圧倒的実力が必要。その点は私が竜血騎士だから、問題はないです。」

 

 ヘレナ、騎乗技術あり、と。

 メモメモ。

 

 「グリフォンの値段は多分高いでしょう。少なくとも金貨20枚は必要かと。」

 

 20枚か。

 

 「なんとかなれる価額だけどね。」

 「最後の問題が一番深刻です、魔法の都の領空ですね。多分グリフォン隊以外のグリフォンライダーは、排除されます。」

 「それは、確かに。」

 

 国防を脅かすだから、グリフォンは無理だな。

 いや、俺はドラゴンとして飛んでったけど、それって大丈夫なの?

 俺の方がグリフォンより脅威だよな。

 そう考えた俺は再度転移の魔法を使った。


2018/11/13 18:35 (改)

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