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魔法少女にともだちができた日

これで一区切りになります。今回もよろしくお願いいたします。

 あの後は思ったよりも上手くいったと思う……。

 


 倒れて気絶のふりをしているそばに、橋本さんと月見坂さんの二人が空から降りてきた。


 慌てて僕のそばに駆け寄る二人。いろいろ体を確認して大きな怪我がないことを確認して、ほっとしたようだった。


「ふぅ、怪我はないようね。」


「そうだね、良かった。」


 そう話す月見坂さんと橋本さんを僕は眼を瞑り、千里眼で確認する。ちなみにあの目立たなかったマスコットは僕の顔をジット見続けている。気絶しているふりを疑っているように。


「えっと、月見坂さん、だよね。同じ学校の。」


「ええ、そうよ。橋本まなみさん。」


「え!?えぇー!?私のこと知ってたの!?いつから?」


「はじめからよ。あんな生き物を隣に連れていたら、関係者ならすぐに分かるわ。うかつね。」


 すると僕の顔を見続けていた生物が二人の方に振り返り、


「まなみ、だから言っただろ。月見坂は見えているかも知れないって。」


「うー……。」


 橋本さんは魔法少女の姿をしていても相変わらずだ。さっきまで空にいるときは中々格好良かったのだけど……。


「えと、月見坂さんって呼べばいいかな?」


「構わないわ。」


「えと、それじゃ、月見坂さん。どうしよっか……。気絶から覚めるまで待つ?」


「うーん、私に考えがあるのだけど……。一度やってみてダメだったら事情を説明しましょう。」


 そう言って橋本さんと生物に説明する。それは僕をこの森を抜けたところに置いて、無事に逃げれたことにしてしまおうと言う、ちょっと無茶なものだった。


(ちょっと無理があるけど、都合がいいか……。)


 そう思い、月見坂さんの案に乗っかることにした。


 あの後、森の端、街の見えるところに置かれた僕は、少ししてから目を覚まし、ちょっと白々しいかなと思いつつも、


「あれ、なんとか逃げれたのかなー。」


 棒読みでそう言って家に帰るのだった。



 ◇



 次の日、昨日のことで疲れていた僕はいつも通り遅めに学校に向かう。


 教室に近づくと、教室の中が騒がしいのに気がついた。教室の中に入ると、席に座っている橋本さんの側に月見坂さんがおり、橋本さんが話しかけ、ときおり月見坂さんが頷いているのが見えた。


 僕は自分の席に向かい、二人に朝の挨拶をする。


「おはよう。えと、二人って仲良かったっけ?」


 そう聞くと橋本さんが教えてくれる。


「うん、そうだよ、お友だちになったの。ね、月見坂さん。」


「そうね。それよりもおはよう。今日は調子はどう?」


 橋本さんへの対応もおざなりに僕に聞いてくる。中が悪いわけではなさそうだけど、そう思いつつも、


「うん、特に悪いところはないよ。」


「そう、良かったわ。ほんとうに。」


 月見坂さんはそう安心したように言うのだった。そして、僕を見ながら続けて話しかけてくる。


「眠たそうね。やっぱり朝は弱いのね。今日もこの前みたいにお母様に起こされたの?」


 教室が一瞬静かになった気がした。隣では橋本さんが驚いた顔で金魚のように口をパクパクしている。


「えと、どうしたの?」


 僕がどう乗りきろうかと考えていると橋本さんが慌てて月見坂さんに確認する。


「え!?え!?月見坂さん、この前ってどういうこと!?」


 教室のみんなも耳を澄まして聞いている。


「え?あぁ、この前の休日に家に泊まったときに、お母様に起こされていたから。」


 ね、とこちらに聞いてくる月見坂さん。


「「「えーーー!?」」」


 教室中に響き渡る。橋本さんが僕に詰め寄り、


「ちょっと、泊まりってどういうこと?どういう関係なの?ねえ、ねえ」


「まなみ、だから言ったじゃないか。もっと積極的にいかないとって。」


 そんな橋本さんと生物の声を聞きながら、これまで目立たないように過ごしてきた学校生活が橋本さんと関わったことで変わってしまいあの時関わったことに少し後悔しつつもこれから暇にはなりそうにないと楽しみになりつつも、まずはこれをどう収めようかと悩むのだった。

読んでいただきありがとうございました。また書き貯めてからの投稿となるので間が空開きます。よろしくお願いいたします。

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