6話 スキルときどき魔法
背の高い草木の間を、白銀の蛇が這い回る。
緑色の景色が後ろに流れて行く、「クネクネっと」蛇ってけっこう素早く動ける事が分かった。
頭を持ち上げて周囲を確認するが、辺りは相変わらずの深い森。
ここまで進んで、体が地面に擦れても、かすり傷も負わず、虫や小動物は追いつけず、無視して進める事が出来ている。
未だに水場にたどり着けない、空が赤く染まり、辺りは暗くなり始めている。
不味いな、安心して眠れる場所をさがさないと、木の上の方が安全かな、試しに近くの一際太い木に登ってみる事にする。
頭を持ち上げて上を見ながら、地面を這うようにクネクネしてみる。
「おお、凄い」地面を這うように木に上れた、周囲には、獣の気配はしないし、葉が生い茂る所に身を隠して、寝ることにした。
闇が空から降りてくるが、不安が隠せない、柔らかなベットが懐かしい。
明日は水場を見つけないと・・・
雨が降っているのか「サー」と音がするので目が覚めた。
辺りを見回してみるが、雨は降っていなかった、気温がだいぶ下がってるみたいだけど、寒さは感じない。
辺りを警戒しながら、木を下りて音のする方に這ってみる。
昨日は気づけなかったが、近くに小川が流れていた。
「ああ、やっと水が飲める」と、ここで気を抜いたらダメだ、水場の近くは危険だと言うし。
「解析」一応スキルを使って周囲を確認し、危険な生物が擬態していないか確認する。
大丈夫みたいだ水場に近づいて、飲めるか確認しよう。
「解析」
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小川の水 綺麗な水で飲料水に適している。
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もう我慢できない、頭を水に突っ込んで、思う存分飲む事が出来た。
「ふーやっと落ち着く事が出来た」
本当は煮沸したいけど、今蛇だし解析を信じよう。
取り敢えずアイテムボックスに水が入るか確認してみる。
イカヒレの様な尻尾に付いた、銀色のヒレを水に浸し漂わせながら意識する。
「収納、うん問題なく出来る」
透明のプレートには、量が表示され増えて行く。
「よし、充分な水が確保できた」
お腹はまだ空いていないので、木の上に戻りスキルの確認をしよう。
それじゃー、まず解析を無詠唱出来るかな、解析・・・ダメか。
しょうが無い、人前で言う時が来たら気をつけよう。
小声ならどうかな。
「・・・解析」
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スキル
アナリシス(解析) 鑑定の上位スキル。
オプティミゼーション(最適化) 最適化する事が出来る。
トランスレーション(翻訳) 言語を翻訳。
リカバリー(回復) 回復、修復する事が出来る。
アイテムボックス(無限収納) アイテムを保管出来る。
テレポート(瞬間移動) 瞬間移動する事が出来る。
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声の大きさは、小さくても問題は、無いかー。
それじゃ、プレートを見ながら、確認しようかなっと。
解析は問題なく使えるし、食べ物や危険な獣を調べるには、便利だな。
貴重な草花が生えてるかも知れないから、色々調べてみるかー
収納は問題なく使える、触れれば収納出来るし、生き物や草花が入るか後で確認して・・・
ん、もしかして収納の条件を意識して解析をすれば、分かるかも知れない。
「解析」
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アイテムボックス(収納)
生きている生物は(魂)は、収納出来ない。
植物に関して地面に、生えていない状態なら収納可能。
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よし、じゃあ次だ、オプティミゼーション・・・はじめて聞いたなー、異世界で地球の新しい言葉を知るとは・・・。
最適化か、状態を良くするのかな?
「解析」
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オプティミゼーション(最適化)
触れた物の範囲(接触している部分)を、意識した状態に戻す事が出来る。
最適化する範囲によって、魔力を消費する。
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武器などの修復に便利かな、腕がないから使えそうにないけど。
古い家を買って直すのも良いなー、人間じゃないけど・・・。
「はー泣きたくなってきた」
魔力は有るのか、魔法は使えるのかなー、取り敢えず
「解析」
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保有魔力
基本的にこの世界に生きる生物は、保有量は異なるが魔力を持ち、体内で産み出す事が出来る。
この世界は魔力が含まれており、それを取り込んだ生き物が、魔宝石を体内に生み出す、それを魔物と呼ぶ。
一部のスキルを使用するのに必要なエネルギー。
魔法を使用するのに必要なエネルギー。
魔道具を、発動するのに必要なエネルギー。
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成る程助かる、確認していけば、魔法も使えそうだ。
これで、私も魔法使いだー・・・蛇で神様だけどね。