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7話

決闘の後、あのオーザのパーティーから有り金、金貨35枚と銀貨8枚を貰った。実はあらかじめ第三の目であいつらが依頼で手に入れた報酬を宿にあった分も持って来てここで数えて後で武器を買いに行くのを読んでいたのだ。覚のハーフにしててよかったと改めて思った。そして冒険者カードが出来たらしいので受け取りに来たのだが、


「なぁ!俺達のパーティーに入りなよ!」

「何言ってるのよ!私達のパーティーに決まってるでしょう!」

「俺と結婚してくれ!」


さっきの決闘を観ていた冒険者が一気に勧誘に来て鬱陶しい。てか1人変なのいなかったか?


「一気に人気者ですね。まぁあの問題Cランクパーティーを一撃も貰わないで圧勝するなんて。一体レベル幾つなんですか?まぁ、聞くのはルール違反なので本当に聞きませんが」

「そうしてくれ…で?カードは?」

「あ、そうでした。こちらが冒険者カードになります」


そう言ってリズさんは金属製のカードを3枚差し出して来た。そこには私達の名前と職業、ランク、種族が書かれており、下の方に今は0だが、GP…ギルドポイントと書かれた所と、その隣にパーティー名と書かれた所がある。


「リズさん、このパーティー登録って今すぐ出来るか?」

「はい、可能ですよ?」

「じゃあ私達3人で頼むわ」


パーティーを組むと聞いて勧誘して来た冒険者はガックリと肩を落とした。気にしないけどな。カードを受け取ったリズさんは、パソコンのような道具(魔道具と言うらしい)に私達のカードを差し込み、こちらを向く。


「パーティー名はいかがなさいますか?」


これはもう決まっている。てかゲームの時からのチーム名だ。


「〈百鬼夜行〉で頼むぜ」

「ヒャッキ?…聞いた事ありませんね。何かの諺ですか?」

「え〜っとねぇ。分かりやすく言えば私達みたいな集団の事を言うんだよ。故郷の言葉でね」


まぁ、アリスの言ってるので間違いはないな。妖怪だしな私達。


「成る程、勉強になります。……はい、出来ましたよ。どうぞ」

「応!ありがとな、リズさん!」


ちゃんとカードに〈百鬼夜行〉のパーティー名が書かれてるな。私達は満足そうに頷いた。


「それでは、ようこそ!冒険者組合へ!掲示板はあちらにあります」


リズさんと別れて私達は依頼を見に行った。私達はFランクだが、別にどの依頼を受けてもいいんだよな。


「《迷子の猫探し Fランク》、《ゴブリン討伐 Eランク》」

「《商人の護衛 Cランク》に、《ワイバーンの狩猟 Aランク》?」

「困惑。いろいろあり過ぎてどれを受ければいいか分かりませんね」


他にもお使い程度の依頼や、絶対やらねぇだろと思う依頼が所狭しと貼られていた。しばらく迷っていたが、それぞれバラバラに受けることにした。

私が《トロールの狩猟 Cランク》、《オークの集落の排除 Bランク》。

アリスが《村を襲うフォレストウルフ退治 Bランク》、《迷子の猫探し Fランク》。

フブキが《北の村に現れた盗賊退治 Cランク》、《帰らずの森のオーガの狩猟 Bランク》となった。うん、絶対普通の奴は受けないな。


「リズさ〜ん!私達これ受けるね☆」

「はい、分かりまし………え?」


あ、依頼書見たリズさんが固まった。そりゃそうか。Fランクなんてアリスの猫探しだけだしな。


「あの……本当に受けるんですか?」

「あぁ。本気だぞ?」

「……分かりました。それでは行ってらっしゃいませ。場所は依頼書に書いてあります。………死なないで下さいね?」


依頼書を受け取って入口に向かう私達にリズさんが声を掛けてくれた。


「死にたくても死にはしねぇよ」


私はそう言い残して組合を後にした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


さて、門はカードを見せたら普通に通してくれた。組合は国からも独立しているのでお金は要らないらしい。そして、人気のない所で私達は話し合った。


「じゃあ今は時間で大体1時頃だ。5時までに終わらして宿探すぞ」

「そうだね。じゃ、早速行って来るね〜♪えーと、依頼の猫は……あそこか」


そう言ってアリスはスキル煙化で身体を霧散させて依頼をこなしに行った。


「賛成。それでは行って来ます」


フブキは時間を止めてその場から消えた。じゃ、私も行きますか。


バサァ!

「さて、実際飛ぶのは初めてだな。よっと!」


私は固有スキルの飛行で現れたカラスのような黒い翼を背中に生やして飛びたった。結果は自分の思い通りに飛べた。しばらく慣れるため姿を能力で消して飛び回ったが、アクロバットしても問題ないみたいなので、目的地に向かった。

大体10分程飛んだら深い森が見えて来た。ここにトロールとオークの集落があるらしい。上空から千里眼で探していると、何やらごつい棍棒持った緑色の生物を見つけた。第三の目で見てみても間違いなくトロールだった。まだこちらには気付いていないので、アイテムボックスから強化された対物のスナイパーライフル、【PGM ヘカートⅡ】が強化された【閃光・白虎】を取り出した。色などは変わらなかったが普通の物より飛距離と威力が桁違いに上がっている。

私は取り付けられたスコープを覗き、歩いているトロールの頭に標準を合わせた。宙に浮いてるので合わせにくいが、よく狙いを定めて引金を引いた。


ドギャァァァアン!!

銃とは思えない轟音を響かせて、発射された弾丸はトロールに命中……

バチュ!バキ!バキ!バキ!バガン!

したが貫通して背後の木々を3本へし折って岩を粉砕して地面に着弾した。折られた木々は音を立てて倒れた。トロールは完全に絶命している。


「あちゃー…強化されているのは知っていたがここまでとは…ま、いっか?早くオークの集落を見つけよう」


トロールをアイテムボックスに仕舞って翼を羽ばたかせてオークの集落探しに向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あれから2時間してやっと見つけた。もう森の入口が数十キロ先だぞ。まぁ、こんな大きな集落、ほっとけねぇよなぁ。

そこには木で出来た建物があちこちに建っており、そこら中にオークが歩き回っている。

ただ鉄製の鎧を着てるのがいるな……あ、上位種のハイオークか。成る程、スキルで探すあたり人間とかはいないな。ま、こんな離れてたらないわな。


「よっと、先ずはこの場所にいるオーク共を全員焼き豚にしてやるぜ!」


集落の広場みたいな所に降り立ち、翼を仕舞って愛銃の朱雀と青龍を抜き放つ。紅い瞳がこちらに気付いたオークを鋭く睨み、白い尻尾と耳はフリフリとオモチャで遊ぶ犬のように揺れている。


「ブゴゴォ!ブゴォ!ブゴォ!」


マジか、『侵入者だ!であえ!であえ!』っていつの時代だ?てか第三の目って魔物の思考もわかるのな……


「まぁいいや!さっさと片付けてやるぜ!『ドライブショット』!」

ズダダダダダダダダダッ!!


二丁の愛銃からマシンガン並みのスピードで弾丸が発射され、周りのオークを次々と撃ち抜いて行く。これは技の効果中無限に弾丸を発射するもので、使用すると次に発動するのに10分掛かる。

撃ち切った後、次の標的を探そうとしたが、突然地面から土の槍が飛び出し、私を貫く。遠くでローブを着たオークが雄叫びをあげている。だけど…


ダァン!

「ブギャゴォ!?」

「悪いけど、コレぐらいならちと痛いがダメージは負わないんだよな」


それから私は集落中に弾丸と手榴弾をばら撒き、1時間程で集落を壊滅させた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「182…183っと、これで全部か。にしてもこのアイテムボックスどんだけ入るんだ?明らかにゲーム時代超えてるぞ?」


私は集落にいたオークを全滅させた後、アイテムボックスに亡骸を全て入れ、何か掘り出し物がないか建物を漁っていた。


「お!宝物庫か?金貨や武器が結構あるな」


オーク狩りしてる時に現れた普通の3倍ぐらいの変色したオークの家から金貨や武器、防具などが出てきた。多分森で亡くなった冒険者の物だっものだな。勿体無いので全部アイテムボックスに仕舞った。


「さてと、アリス達も終わらせてるだろうし、私も早く帰りますか」

バサァ!


私は翼を広げてアリス達との待ち合わせ場所に飛んで行った。

キィィィィィィィィン!!

……飛んだ跡に飛行機雲を一筋描きながら。

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