6話
ここは組合の地下に造られた訓練場。サッカーフィールドを一回り大きくしたぐらいの広い場所だ。端の方に幾つかボロボロの案山子みたいなのが鎧を着ている。おそらく弓や魔法の的だろう。そこの中心に私、アリス、フブキが先程決闘を仕掛けてきたオーク「オーザだ!」達6人と向かい合っている。周囲には酒場で一部始終を見ていた他の冒険者が観戦に来ていた。
「それでは、これよりサクラ様含む3名と、Cランク〈狼の牙〉による決闘を始めます。ルールは、武器、魔法、スキルなどのしよう可。これより張られる結界の中で闘って貰います。中ではどんな致命傷をくらっても時間が経てば元通りになります。掛け金は、サクラ様方は相手の要求をのむ。〈狼の牙〉は現在所有している金額の支払いになります」
審判を買って出てくれたリズさんが高らかに宣言する。私は愛銃の朱雀と青龍を抜き、アリスはランタンを腰に下げ、パンドラボックスを両手で持ち、フブキは鉄扇の神楽を両手に持ち、それぞれ構えている。
「あん?おい、お前ら武器はどうした?もしかしてどっかに忘れてきたのか〜?今なら謝れば許さなくも無いぞ?」
「「「ギャハハハハハ!!」」」
リーダーのオーク「オーザだ!オーザ!」がニヤニヤしながら上から目線で言ってくる。周りの仲間はゲラゲラ笑っている。
「で?審査のほどは?」
「許すかバーカ。すぐに叩き潰してしばらく遊んだ後奴隷にして売っぱらってやる。以上」
アリスが聞いてきたので、あいつの心の仲を最初から最後まで心の中を暴露する。
「するかバカ。さっさと始めようぜ?私達はいつでもいいぜ?」
「ッ!!獣人風情が人間様に楯突くんじゃねぇ!お前ら!本気でやっちまえ!!」
「「「応!!」」」
相手も武器を構え出したな。私はリズさんの方を見て頷いた。リズさんも頷いて片手を上げ…
「それでは、始め!!」
リズさんの宣言と同時に決闘が始まった。さぁて……始めるとしようか。
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サクラside…
私達は1人あたり2人を同時に相手している。今私は長剣を持った剣士の男と、鎧を着て身体を隠せる程大きな盾とバスターソードを持ったウォーリアを相手している。
ブン!ヒョイ。ブン!ブン!ヒョイ、ヒョイ。
「くそ!どうなってやがる!何故俺の攻撃が当たらねぇ!?」
「クッ!?またか!?どんなスキルだ?」
「ほらほら、こっちだこっち。おっと危ない」
突き、右、左、左と見せかけて蹴り。今私はこいつ等の行動を第三の目で先読みして両手をポケットにしまって避け続けている。しかし相手の攻撃はかすりもしていない。次に何をやろうとも第三の目で筒抜けだからだ。………ん?これは、
「オラァ!『パワースラッシュ』!!」
剣士の男がスキルを使ったみたいだな。思いっきり長剣をふるうと目に見えにくい斬撃が飛んでくる。それをバックステップでかわす。
「テメェ!ちょこまかと動きやがって!ふざけてんのか!?あぁ、そうか、武器が無いんだったなぁ!!?」
今度はウォーリアのオッサンと同時に攻めてきたな。じゃ、私もスキルでも使うか?でもさっきの技名は聞いたこと無いな自分で名前を付けるのか?アニメでよくやってる奴だ。なら早速、反撃しますか…
「な!?き、消えた!!?」
「隠密のスキル?いや、アレは姿までは消せねぇ!どんなスキル使いやがった!?」
さてと、まずは……1人目だ。
「『バレット・ボム』」
ドガァァァン!!
「ぎゃぁぁぁぁあ!!」
「な!いつの間に!な、何だそれは!?武器なのか!?」
私が剣士の男を朱雀で爆裂弾をゼロ距離でくらわし、気絶したのを確認してから姿を見せた。ウォーリアのオッサンと観戦している冒険者が驚愕している。
「見りゃ分かるだろう?私はガンナーだぞ?」
「ぼ、ボウガンも持ってねぇガンナーがいるか!」
ふむ、どうやらこの世界、銃が存在しないみたいだな。じゃあ今私が持ってるのが唯一の銃になるわけだ。
「くっ!炎よ!我が敵を撃ちぬけ!『ファイヤボール』!」
「うお!?」
いきなり銃弾より遅いがそこそこの速度でメロンぐらいの大きさの火の玉が飛んできた。当たっても死にはしないし、怪我もしないだろうが、一応痛みがあるので避ける。
「!また消えやがった。どこだ!出て来い!!」
成る程、あの厨二病全開のセリフは呪文みたいなやつか。私も試してみるか?
「『火炎・大文字』」
ゴォォォォオ!!
「ッ!?『キャッスル・ディフェンス』!!」
おお!イメージ通りに大の字に火柱が上がった。初めて妖術使ったが、イメージ通りに発動するみたいだな。よしよし。
サクラはこんなに簡単に出来ているが、スキルがLv.10だから出来るのであって、一般の冒険者は発動するのに詠唱しないと暴発、または不発してしまう。ちなみにサクラの相手のウォーリアは火魔法Lv.1だ。
「…ん?まだ耐えてるな。さっき使った技か?」
かなり強力な火力だったのに、ボロボロだがちゃんと二本足で立っているウォーリアが現れた。
しかし、先程の技、あらゆる攻撃を1日に1度だけ防ぐ『キャッスル・ディフェンス』を使用して魔力が0になったため、白目剥いて倒れてしまった。
これで、サクラの勝利である。
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アリスside…
アリスは同職の召喚士と剣士の男の前でジャグリングして遊んでいた。え?決闘はどうしたって?ちゃんとやってますよ。召喚獣達が……
グルルアァァァァア!!バウ!バウ!
ギシャァァァァァア!
「ぎゃぁぁぁぁあ!!た、助けてくれぇぇ!!おい!召喚士!お前の専門だろ!?何をとかしろ!」
「無茶言うな!あんな化け物にDランクのウルフが相手になるか!」
冒険者達は言い争いを始めた。だが手加減されているとは言え、ちゃんと攻撃をギリギリ避けているのでまだやられてはいない。
「うーむ…さすがにケルベロスとバジリスクはやり過ぎたかな〜〜?ま、いっか♪」
アリスの前には2人の冒険者が3つの頭を持った5mほどの犬と、緑色の身体にカメレオンみたいな目、鋭い爪の手が付いており、口から毒々しい緑色の霧を履いている全長9mぐらいの巨大な大蛇に追われていた。
【ケルベロス】と【バジリスク】、どちらもアリスのパンドラボックスから取り寄せた、召喚士のLv.が150を超えていないと契約出来ない召喚獣だ。アリスの持つパンドラボックスは、イベントクエストをクリアして手に入れられる超激レアのアリス専用武器だ。
そのパンドラボックスは、今蓋が開けられていて、そこから放出されている黒い煙が召喚獣を取り出している。本当はもっと上の【フェニックス】や【コッカトリス】とかいるが、1匹だけで大国落とせるから使わなかった。
「ぎゃぁぁぁぁあ!!降参だぁぁぁあ!!降参するからこいつらをどうにかしてくれぇぇぇ!!」
アリス、召喚しただけで勝利。
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フブキside…
フブキは弓士の青年と大剣を持ったオーザ「オークだ!つってんだろ!……あれ?」の相手を片手間で済ましていた。
「警告。他の人は既にリタイアしました。今ならまだお持ちになっている全額ですみますよ?」
私は開いた鉄扇で口元を隠し、童子の面を付けてオーザに警告する。青年の方はサクラさんの能力やアリスさんの召喚獣を見て震えていますが、オーザは聞く耳を持ちませんね。
「ウルセェ!獣人やガキが調子に乗りやがって!テメーらなんざ俺様の魔剣にかかれば敵じゃねぇんだよ!お前も!あのクズ共も!叩き潰した後散々犯して奴隷にして一生………
この時、世界の時間が凍り付いた。全てが氷のような色になり、何1つ動きもしない世界で、1人のメイド、フブキが般若の面を着けて、鉄扇をしまい、一振りの刀、斬刀・吹雪(改)を腰に下げ、目からハイライトが消え、止まったままのオーザの前で構えている。
「有罪。私の親友を、そんな風に考えていたとは……どうせ死なないのなら、原子レベルで一刀両断しましょうか」
…………キン。
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そして時間は動き出した。サクラとアリス以外はいつの間にか青年とオーザの背後で刀を腰に下げ、柄に手をかけたまま目を閉じたフブキに驚愕していた。オーザと青年は消えたフブキを探してキョロキョロしている。
「『斬刀零閃・散』……」
「グギャァァァァア!!?」
「ひぃ!?」
突然液体になった様に血を放ちながら倒れたオーザに青年は腰を抜かした。フブキの刀、斬刀・吹雪(極)は、強化前でも原子レベルで物を一刀両断出来るものだったため、そのままでも軍艦をも真っ二つに出来る。強化され、さらに光の速さを超えた攻撃が出来る。
「最終警告。次はありません。覚悟してください」
「そ、そこまで!勝者、サクラ様、アリス様、フブキ様チーム!」
リズさんの宣言に訓練場は歓声に満ちられた。
戦闘シーンが書きにくいですね。これからも頑張ります。