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5話

さて、今バカデス王国の門の前の行列に並んでいて、やっと私たちの番が回って来たのだが、門番の西洋の鎧を着た騎士っぽいおっさんと話している途中、大変な事が起きた。それは……


「身分証か冒険者カード、なかったら銀貨1人3枚払ってくれ」


そう、今思えば私たち……金がねぇ〜〜!!どうすんだコレ?冒険者カードどころか身分証もねぇ〜よ!マジどうすんだ、ヒカリからお金の話してもらった上、実物見せてもらったんだぞ!何でその時貰わなかった私!!


「ん?身分証なくしたのか?じゃあ銀貨1人3枚で9枚ね、いくら別嬪さんの嬢ちゃん達でもこれは法律だからな、まぁ、他の国よりも倍は高いが…」


あら嬉しい…ってふざけてる場合か!仕方ない、一旦ここは引いて、どっかで金稼がねぇと…


「いや、やっぱ「兵隊さん、コレでいいの?」…え?アリス?」


私が断ろうとしたらアリスが銀貨を9枚、門番の兵隊に手渡した。え?アリス?お前いつの間にお金手に入れたの?


「おう!悪いな。そいじゃ、ようこそバカデス王国の王都、デブマールへ!!」

「「「ぶっ!あははは!!」」」

「おい笑うな!俺だって毎度毎度笑いそうになるの堪えてるのに!」


いかん、不意打ちで笑ってしまった。いいよな?アリスもケラケラ笑ってるし、フブキも面を延命冠者にしてクスクス笑っている。まぁ、ひとしきり笑った後、無事王都に入り、アリスにさっきの銀貨の事について聞いてみた。


「なぁアリス?さっきの銀貨はどうしたんだ?いつの間に手に入れたんだよ」

「同意。私たちはずっと一緒に行動していたはずです。いったい何時?」

「んぁ?あ〜、アレ?私が銀貨の形の情報を能力で集めて、創造の能力で作ったんだよ。いや〜、我ながら使い始めて数時間とは思えない出来だったよ!アハハハハ♪」


うん?て事はつまり、あの門番に渡した銀貨って………。


「「偽金じゃねーーか!!」」

ゴチン!!

「あ痛ぁぁぁあ!!?」


何さも当然のように偽金作ってんだこのマッドサイエンティストが!!ほら、フブキも怒って……あ、フブキ面を般若にして斬刀・吹雪抜いてるわ……っておい!!


「ちょ!まてフブキ!こんな所で刀抜くな!落ち着け!な!」

「否定。この人は一度ズタズタに切り裂かないと絶対に治りません。吹雪で斬った後ナイフを100いえ、400は心臓に命中させて……」

「ダメだって!不老不死でも痛みはあるんだから!な?アリスも涙目になってるから落ち着こう。な?ジュース……は無いけどクッキーあげるから」

「不要。離してください。アリスを斬り殺せません」

「とうとうオブラートに包み隠さなくなったな!?」

「わぁぁぁぁぁあ!!悪かった、私が悪かったよ!もうこんな事しないから許して〜!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「や、やっと着いた…冒険者組合」

「残念。後少しでしたのに…」

「し、死ぬかと思った……」


何とかフブキを宥めて、冒険者になる為アリスが情報を集めたら、中央通りの大きな二階建ての建物が冒険者組合と言う所で、そこで登録出来るらしい。顔を真っ青にしてアリスが集めた情報だからここのはずだ。


「そんじゃ、早速入ろうか」


2人が頷いたのを確認して私は剣と杖が交差してその上に盾が描かれたエンブレムの看板が掛けてある建物の扉を開いた。中は役所と酒場を合体させたような内装で、厳つい顔のおっさんや、魔女っぽい服の女性。剣や槍を持った冒険者らしき人が沢山いて、扉を開いた瞬間こちらに視線を向けた。まぁ、髪だけ白い黒服の獣人女、赤と青のピエロ少女、今は狐のお面しか出してないが、お面を付けたメイドが入って来たらそりゃ気になるわな。ただ、幾つか気持ち悪い視線を向ける奴らがいるな……

ま、気にしててもしょうがないし、私たちは受付らしきカウンターに向かった。


「すまん、冒険者登録する所ってここで合ってるな?」

「あ、はい。大丈夫ですよ。どなたが登録されますか?」


金髪の女性がカウンターにいた。瞳は赤。この国髪や瞳の色がカラフル過ぎるな。


「私たち3人だ。できるか?」

「はい。ではこの水晶に手をかざして下さい。するとステータスから名前と種族、職業だけが読み取られて奥でカードが作られます」

「レベルやスキルは読み取られ無いのか?」

「個人情報ですのでそれはありません」


良し、何とか1番ヤバそうなのは隠せそうだ。考えた人ナイス!言われた通りに出された占いに使いそうな水晶に私たちは手をかざした。水晶は一瞬光って、それを確認した受付嬢が他の係員に水晶を渡した。


「それでは、カードが出来るまで時間がかかりますので組合の説明をさせていただきますね。あ、申し遅れました。私、この組合の受付嬢のリズと申します」

「私はサクラだ」

「私はアリスだよー♪」

「フブキと申します。以後お見知り置きを…」


リズさんの話では、冒険者になるとランクを付けられて、下からF.E.D.C.B.A.S.SS.SSSとランクが存在する。Sランクは世界で100人もいなくて、SSからは1人もいないらしい。ランクを上げるには依頼を達成した時に貰えるギルドポイントを貯めたら昇格出来る。しかしそれはCランクまでで、それからはギルドの試験が必要になる。依頼は自分のランクから1つ下のランクか、自分と同ランク、もしくはそれ以上の依頼を受けられる。ただし、それで死んでも自己責任だ。依頼書は組合の掲示板に貼ってあり、それを受付に持ってくるのだそうだ。

次に、冒険者同士での戦闘は、組合は介入できないらしい。組合内では決闘と言う形で闘ったり、競い合ったり出来るとの事。そして1番気になったのは……


「ギルド登録?」

「はい。組合では、人数が2人以上。尚且つ最低でも1人はAランクの方がいれば、旗印と金貨100枚を提出して自分達だけのギルドが作れます。旗はギルドのシンボルですので、ギルドの名前と一緒に大切にして下さい。ギルドには、憲兵ギルド、生産ギルド、探索ギルド、魔術ギルドなど、専門の仕事を引き受けられるよう、組合から依頼が回されます。さらに、ギルドにカードを持っていない一般人や、個人で購入した奴隷などを入団させたりする為、ギルドの旗印を武器か防具、もしくは印の入ったアクセサリーをつける事が義務付けられています。ただし、入団には本人の了承が必要なため、気を付けて下さい。基本的に組合からは独立する為、自由にしてくれて結構です」


これはいい事聞いたな。ギルドに奴隷や一般人を入れられるなら、ヒカリに頼まれた事がやり易くなるぞ。


「アリス、フブキ。私達でギルド作ってみないか?」

「おぉ!ナイスアイデア!じゃあ私が武器や兵器作るから、憲兵ギルドに災害救助と支援を付け加えたようなのにしよう!」

「賛成。でしたら早くランクを上げ、金貨を集めましょう」


憲兵ギルドは盗賊退治や魔物の討伐専門らしい。私達にぴったりだな。そこへ、目標を決めて盛り上がっていた私達に水を差す品の無い声が掛けられた。


「グヘヘへ。おい嬢ちゃん、そんな格好で冒険者になるのか?俺達のパーティーに入れよ。うんと可愛がってやるからよぉ〜」


男が6人、ニヤニヤしながら近づいてきた。

何だ?こんな所にオークが出現したぞ。あ、人間か…。つかこいつら入った時に気持ち悪い視線で見て来た奴じゃね?


「あ、別にいいわ。私達はお前らみたいなのより3人で組んでた方がよっぽど強いから」


本当の事だからな。私達の内1人でも魔王潰せるし。ん?何かリズさんが顔青ざめてオークが顔を赤くしてるな。どうしたんだ?


「こ、このガキ、この俺様がCランクパーティー〈狼の牙〉のリーダー、Cランクのオーザ様だって知ってて言ってんのか?ああん?」


オーザって…絶対コレはオークだろ。てかCランクなんだだ。


「知るか。興味無いんでな。アリス、フブキ。さっさとカード貰って依頼受けようぜ?」


さてと、第三の目で見る限り、こいつら実力はまあまあだか態度が悪すぎてCで止まりっぱなしにたいだな。……あん?


「じょ、上等じゃねーか。テメー職業は?」

「私がガンナー。このランタン持ってるのが召喚士。隣のメイド服がアサシンだ」

「ああ!?武器も持たねー女がふざけてんじゃねぇ!そこまで自信が有るなら今すぐ決闘だ!俺らが勝ったら俺たちの言う事を何でも1つ聞いてもらおうか!」


成る程、武器を宿かどっかに置いてきただろうから今すぐ条件付きで決闘して、私達3人を奴隷商で奴隷にして傷物にしようってか。……よし、それじゃ。


「分かった。アリスとフブキも構わないか?」

「いいよ〜♪」

「了承。構いません」

「じゃ、私達が勝ったら…お前らのあり金全部貰おうか」


今この時、オーク「オーザだ!」の敗北が決定した。

冒険者と言ったらテンプレですよね。

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