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4話

ここはバカデス王国の近隣にある森、帰らずの森である。ここは最低でもCランクの魔物がうようよ生息していて、Bランクのパーティーが完全武装で挑むような所である。普通女子供が軽装で歩いていたらすぐに魔物の腹の中に入る。そんな森の中に突如魔法陣が出現し、3人の少女が姿を現した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「っと、ここが異世界か?ぱっと見普通の森だな」

『一応バカデス王国の近隣の森に送りました。誰かに見られると面倒ですからね』


周りに立ち並ぶ樹々を見ながら私が口に出すと、頭の中にヒカリの声が聞こえてくる。


「でもヒカリがいきなり友達になって下さいって言ったときは驚いたよね〜」

「肯定。まぁ数千年もあんな所に1人だけとなると気持ちはわかりますが」


ヒカリの友達申請は私たちも驚いたが、全く問題ないので快く了承した。それからしばらくヒカリを入れた4人でガールズトークをしたが、出発の時間になったとき、ヒカリが、

『せっかく友達になったのにお話も出来ないなんて絶対に嫌です!』

っと、涙目になりながら、偶にでも話が出来るように、神託(固有)と言うスキルを渡されたのだ。


「しっかし、まさかそれのおかげで私たちの武器が強化するとは思わなかったなぁ…」

『ア、アハハハ……』


そう、ヒカリ…最高神の友達になったことで、私たちの武器が進化したのだ。

私の愛銃のデザートイーグルとコルトパイソン8インチは、デザートイーグルが【紅蓮・朱雀】、コルトパイソンが【断罪・青龍】と名前が変わり、朱雀は黒い部分が多くなり、グリップの部分に紅く燃える火の鳥のエンブレムが、青龍はフレームの部分に青い龍のエンブレムが付いている。

アリスはランタンが【蒼炎地獄のランタン】となり、ランタンの炎が青白いくなってランタンの中でメラメラと燃えている。パンドラボックスは名前は変わらなかったが、紫の箱に金の装飾が施され、じっと見ていると黒く禍々しいオーラを放っている。

フブキはいったいどこに武器をそんなに仕込んでいるのか、刀が【斬刀・吹雪(改)】になり、黒い鞘には雪の結晶が散りばめられ、刀身も氷のように冷気を放っている。他にも薙刀は【鬼斬・氷華】となり、鉄扇は【幻想・神楽】となったりと、私たちの武器が全て進化した。


「……ま、特に問題ないし、能力チェックしてバカデス王国の王都だっけ?そこに行くよ」

『はい、分かりました。こちらからも話をしたいときに連絡しますので、それまで良い異世界ライフを…』


そう言い残してヒカリの声は聞こえなくなった。


「さてと、早速能力の実験を……ん?」

「サクラ?どうしたの?」


アリスが急に狼の耳をピコピコ動かして右側の樹々の間を睨みつけるサクラに疑問符を浮かべる。


「…何か来るな。1.2…6か。狼の聴力って便利だな」

「疑問。人間ですか?」

「いや、足音と匂いからしてかなりデカイな。つか何だこの匂い。まるで何カ月も風呂に入っていないオッサンみたいな匂いだな、くっさ…」


私が鼻を人並みまで戻し、摘んでいると、何やら豚みたいな顔のデッカイ身体の生物が6匹、皮の服を着て両手で持った槍を構えながら走ってくるのが見えた。アレってオークってヤツじゃね?


「丁度いいや、あいつらで能力の確認しようぜ?」

「それいいね〜♪じゃあ私から!」

「忠告。私たちの分を残しておいてくださいよ?」


ゆっくりと前に出るアリスに忠告するフブキ。わかってるよ!と言いながらアリスは走ってくるオークに能力を発動した。


ガシャン!

「ブゴォ!?」


1匹のオークが突然現れた鉄檻に閉じ込められた。周りのオークは急に出現した檻に驚いて動きを止める。


「へぇ?創造の能力か…何でも作れるのか?」

「うん、なんか頭の中に使い方が自然と入って来るんだよね。戦車や城だってすぐに作れるよ。ただし、人や動物は作れないけどね」


オークは何とか檻を破ろうと暴れ回る。しかし頑丈な鉄の檻はビクともしない。そしてアリスはそのオークに目を向けてじっと見つめる。


ガチャガチャ…

「ブゴォ!ブゴォォォ……」


すると突然今度は檻ごと中のオークが跡形もなく消えた。周りのオークは消えた仲間を探して周りをキョロキョロしている。


「……なるほど、それが情報を操る能力か…」

「相手のステータスや歴史、記録と言った情報を操って存在を消去。他にも他人に情報を伝達したりできるみたい」


やっぱりとんでもない能力だな、私のはこういったことは出来ないが近いこと出来るからなぁ。


「次は私ですね、参ります」


フブキが薙刀の氷華を取り出し、ゆっくりと歩き始め……


ザン!!

「ブギャァァァァア!!?」


たと思ったら、いつの間にかオークの中の1匹の首がフブキに切り落とされていた。狼の能力でも全く気づけなかった。


「今何したんだ?全く分からなかったぞ?」

「多分だけど、フブキの能力は時間と空間操作だから、時間を止めたか、空間を繋げて転移したんだと思うよ?」

「肯定。正解です」

「「うわぁぁぁお!!?」」


気付いたら真後ろにフブキが白黒のメイド服を綺麗に着こなして立っていた。


「フブキ!脅かすな!」

「そうだよ!幽霊が出たと思ったじゃん!」

「反省。しかしアリスさん、自分の種族を言ってみて下さい」


こりゃ一本取られた…じゃなくて!…ん?あっるぇ〜?気のせいかな?オークの声が全くしないんだけど…もしかして。


「フブキ?残りの4匹のオークはどうした?」

「…………………つい殲滅してしまいました」

フブキが面をひょっとこにして、目を逸らした。

ダァン!!


なんかイラッきたので青龍で頭を撃った。命中したが、雪が集まってやがて元に戻った。


「いきなり撃つとは、私じゃなかったら死んでましたよ?」

「反省する気ゼロか?」


とりあえず、フブキの能力は、時間を止めたりゆっくりにしたり出来るらしい。他にも空間を操って相手を閉じ込めたり、空間同士を繋げて転移したり、空間を爆破したり、圧縮、空間をズラして対象を切断出来るようだ。いいなぁ…この能力。滅茶苦茶便利じゃん。


「ハァ…ま、私の能力は攻撃系じゃないから相手がいなくてもできるからいいか…」

「確か有と無を操る能力だっけ?どんなこと出来るの?」

「こんな風に……ほい」

「うぇ!?き、消えた?」


突如目の前にいた私が消えたことに驚いているアリス。


『いや?消えたと同時に実体が無くなったのさ。私の能力は、私が有ると思えば有り、無いと思えば無くす事が出来る。今は私の身体、匂い、音、気配を無くしている。ま、アリスみたいに生物の存在は消せないがな』


そして再びアリスの前に姿を見せた。


「わぁ!ちょっとサクラ!出てくるなら先に言ってよ!妖怪が出たかと思ったじゃない!!」

「私もお前も妖怪だろうが…これで能力の確認は……あ?…あぁ!?」


頭の中に入って来た能力の使い方にとんでもないものを見つけた。


「疑問。サクラさん?どうしました?」


私の反応にフブキが質問してくる。


「………なんか、この能力…寿命や老い、【死】そのものを消せるらしい。痛覚とかは無理だが…どうする?」

「「…………面白そうだからやろう」」

「そう言うと思った」


なんか面白そうだからやってみたら、HPのところに【不老不死】と出てきた。これが、この世界の理不尽な強さの塊3人組の誕生である。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


とりあえず、能力の確認は終了し、身体能力もも試したが、ゲームのときよりはるかに馴染む。しかし強すぎるな、普通少女が蹴りで大木へし折れるか?これ絶対人間技じゃあないぞ…あ、妖怪だった。


「にしても、オークをアイテムボックスにしまえたのはいいとして…どうすんだ?6匹も」


私たちは今、フブキに瞬殺された首の離れたオークをアイテムボックスにしまい、私の鼻と耳を頼りに王都を目指していた。


「ヒカリちゃんは冒険者って奴がいるって言ってたから、私たちも冒険者になるついでにオーク売ったら?」


冒険者とは主に魔物退治から家の手伝いまで引き受ける職業だ、依頼を失敗しなければ依頼に合った報酬が貰えるらしい。


「賛成。私たちならば現実でも一応国に極秘でテロリストの殲滅も経験してますし、特に問題もないでしょう」

「絶対普通の高校生はやらないけど私たちだもんね〜」


そうこう話ては笑い合いながら森を進むと…


「…着いたぞ。アレがバカデス王国の王都だな」


森の樹々が途切れ、700mぐらい先に黒い大きな城壁に囲まれた国が見えた。

さすがに不老不死は不味かったかな?とは思いますが、問題ありならばコメントください。制限を付けます。

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