8話 夏休みハンティング前編
林間学校での出来事が終わり、不貞を働いた男子生徒は当然、担任の柳先生からキツイお仕置きと、反省文が待っていた。
俺達は鳴沢先生にも見つからずに済んだしログアウトしてからすぐ寝たからお咎とがめなかった。
終業式を終えいつものメンバーで下校中比呂が。
「大地夏休みどうせ暇だろ?」
「あー何が言いたいかわかったが皆まで言うな!」
こいつが何を言いたいか良くわかったが、俺は夏休みの宿題をさっさと終わらせて遊ぶタイプだ。
て言うかこいつは最近桃井千春と良い雰囲気らしい。
「大地宿題先にやるよね?一緒に良いかな?」
萌香が俺の行動を見抜いた発言をした、当然俺には断る理由もないから、承諾した。
とりあえずアイス食べたくなったから、コンビニへ寄ったら鳴沢先生がいた、何かタバコを吸いながら何か思いつめていた。
「先生こんにちわ」
「おぉ!お前ら!これやるよな?」
いきなりスマホの画面を見せつけられた。
【サマーイベント】
(夏だ!水着だ!海だ!夏限定サマードラゴンを退治しよう!期間は10日間)
な、何だこの如何にもやらせです、的な内容は!比呂の顔をチラリと見たらやる気満々だった。
「比呂わかっていたが・・・」
「大地やるよな!?なっ?なっ?」
やっばりこうなるか・・・。
「宿題先に終わらすからな!」
そう、俺は夏休みの宿題をさっさと終わらせて遊びたい、溜め込んでも良い事ないし。
「鳴沢先生もやるのですか?」
「やらなきゃ鬼嫁がな・・」
俺は聞いてはいけない事を聞いてしまった気がした。
鳴沢先生と別れを告げ、夏休みの宿題を俺の家でする事になり、萌香と比呂を部屋に招いた。
「大地の家に来るの久しぶりだね」
何だか萌香が妙に嬉しそうだな。
「大地帰ってるの?」
いきなり俺を呼ぶサラサラの長い髪の女性が俺を呼ぶ、そう俺の姉、神野雫かみのしずくだ。
姉がいきなり俺の部屋に入ってきた、第1声が、
「あらぁ萌香ちゃん久しぶり可愛くなったね」
「雫さんお久しぶりですー」
萌香が妙に嬉しそうなのはこれか。
「うちの弟と結婚してくれたら萌香ちゃんを妹にできるのにねぇ」
「姉ちゃん!入って来て、いきなりそれか!」
「あ、そうそう今日はお父さんとお母さん帰って来ないから」
人の話を聞けよ・・・姉の話によると、両親は旅行に行ったらしい俺にも伝えといてと姉に言ってたらしい。
イベントは10日間の開催だが2日かけて夏休みの宿題を終わらす事にした、姉のもてなしで何故か夕飯まで萌香と比呂を交えて一緒になった。
2日目は朝から図書館で宿題をやる事にし、比呂のヤツ、今度は千春を連れてきた。
「神野君、萌香ちゃんご一緒して良いかな?」
比呂の面倒を見る手間が省けたから、俺と萌香は二つ返事をした、なぜなら千春の成績は学年上位にいつもいるからだ。
「あー大地君!」
みんな揃った所で中に入ろうとしたら翔子がやって来た。
「なになに?今日はお揃いで?」
「夏休みの宿題をさっさと終わらす作戦です」
と、説明したら翔子まで緊急参戦と相成った。
元彼と元カノが鉢合わせして大丈夫か?これ
「大地君ここわからないんだけど!?」
「ここはこの公式を使って」
何故か萌香が割って入り、俺の出る幕なく、翔子は比呂の事は眼中になく俺は萌香と翔子の板挟みだった。
「もしかして大地君も夏イベやるの?」
だったら何だと言うんだ・・てのは胸の内にしまい、俺はやる予定と言ってしまい翔子は一緒にやる気満々だった。
宿題を全て終え、遊びモード全開になり5人でイベントをやる事となった。
「各人この後可能な人はレベル上げしとくように!」
俺は皆に指示をし、家に戻った、千春は部活もあり、萌香はキャラ上しょうがないとして、最低でも俺と比呂と翔子はレベル上げとかないと厳しい気がしたからだ。
気になるのは帰りに萌香がやけに俺に寄り添って歩いていた、悪くはないシチュエーションだが、女心がわからない。
俺は家に帰ってから仮眠をとりリアルじゃないいつものゲーム内にログインしていた、そうレベル上げるために自分の貯めた小遣いを使い経験値アップの秘薬を課金して買ってレベル上げをほとんど寝ずにやった。
レベルアップの秘薬は1時間で獲得経験値2倍、3倍、5倍の3種類があるが俺は迷わず5倍を課金して買ってしまった。
気になる値段は2倍は1つ100円、3倍は1つ200円、5倍は1つ300円なので、俺は5倍の秘薬を5個購入した、貧乏学生には1500円は痛い出費だ。
そして、運良く俺は44マグナムからデザートイーグルと言う銃に変わったどうやってゲットしたかと言うと、敵からレアドロップした。
サマードラゴンは普通に狩りをしていれば定期的にあらわれるらしい、とりあえず俺達は午後駅に集合となった。
俺と萌香は一緒に行き比呂は千春と一緒にやって来た、後は翔子を待つだけだ。
「お待たせー」
翔子がやって来たが随分と今日はおしゃれをしているな。
「大地君昨日でレベル随分と上がったよね?」
「えっ?話してないけど?」
「比呂君と千春ちゃんと昨日たまたまログインしたから一緒にレベル上げてたらね」
「ストップ!わかったわかった比呂が喋ったんだね?」
翔子が頷いたどうやら当たりだった、そりゃそうだ俺のレベル90まで上げたから、比呂も75まで上げてあったから忠実に俺の言うことを守ってくれたのは意外だった。
5人揃ってログイン開始!
いざサマードラゴンを求め俺達は戦隊物のヒーローみたいにログイン開始した。
夏休み真っ盛りの学生さん達宿題、はかどってますか?自分の時は嫌いな教科の宿題はやらなかった(笑)
読んで頂きありがとうございました