6話 放課後ハンティング
Wデートと言うべきか、遊園地での事は良い思い出になったが、これでお金の換金率が良かったら最高だったな。
いつもの様に登校日が始まった。
いつもの様に授業を受け、お昼を食べる、休み時間には友達と喋って、穏やかな日常をいつもの様に繰り返す。
「大地あのさ・・・」
萌香がいきなり話しかけてきた、翔子があれ以来やたらと俺に絡んでくるせいなのか、萌香も俺にいつにも増して絡んでくる。
「大地もうすぐ期末試験だよね?放課後図書室で勉強教えてよ」
学年順位がベスト10に入ってる俺だが萌香は、俺より勉強できないわけじゃない、むしろ俺に半分対抗意識を燃やしたりしている。
まぁ特に帰ってゲームやるだけだし、俺は了解した。
「大地!放課後リベンジしよーぜ」
「はぁ?」
今度は比呂が放課後リベンジとかわけわからない事を言い出した。
「この前校内ではろくに狩り出来なかったからな!」
そういう事か・・・。
「ちょっと成瀬!大地はあたしが先約してるんだけど!」
おいっ待て!俺は物じゃねーぞ。
「て言うか比呂、お前今度の期末試験赤点取ると、夏休み補修だぞ」
「あ、そうか!大地先生俺にも教えて下さい」
自分の立場をわきまえたのか、萌香と比呂の勉強を図書室で見ることになった。
「大地!下校時間になったら狩りしよーぜ」
「言うと思ったわ!じゃ赤点取らない様に勉強するぞ」
最近このゲームやり始めたら、俺はリアルが楽しく感じてきたが、これがリア充てやつかな?
比呂はイケメンで女の子にはモテるし、萌香は委員長で友達も多い、俺は特に何の取り柄もないから、成績だけは優秀でいようて思い、勉強だけは疎かにしなかった。
正直面倒な事は好きじゃないし、団体行動が苦手だ、だからクラスの輪に溶け込めなかった。
下校のチャイムが鳴り出した、まだ部活している生徒が多数居るが比呂の狙いはそこだろう。
「比呂、これが狙いか?」
「わかってるねー親友」
ログイン開始!当然萌香も一緒に行く事となった。
まぁ運動不足には良いんだけど、正直リアルに走るし体が筋肉痛になる。
「大地!体育館と校庭に行くぞ!」
比呂の予感は的中した、みんな放課後は部活をしている生徒が多いため、他のプレイヤーはあまり見当たらなかった。
「比呂わかってると思うが横取り厳禁な」
オンラインゲームの定番他人が狩りしている所は、横取り厳禁の暗黙のルール。
ただ処理出来ない時は、手助けしても良いのだ。
場所が場所だけに敵の涌き出る数が半端ない、当然比呂が前衛をやり、俺が萌香を守りつつ比呂を援護した。
「やべーぞここの狩場美味しすぎる」
そりゃそうだ、敵の涌き出る数と時間効率を考えれば稼ぐスピードも早い。
だが、デスペナルティ食らえば意味はない。
倒し続けて1時間、あっという間に5万S稼いだ。
「牛丼一杯分は稼げたな」
「あたしはこのお金は課金には使用しない」
萌香のお金を健全に使う考えに俺は共感した。
だが、俺は課金する時は課金する。
「大地この前のランチャーは?」
「あれは、使えねーぞ」
萌香がいきなりショッピングモールでフェリから授かったランチャーの話をし出したが、あれはイベント限定だったらしく、使える状態じゃなかった。
だが、電磁砲は使用可能だった。
「こいつ使うか・・」
俺は電磁砲を使用する事にした、比呂に時間を稼いでもらいつつエネルギーチャージに集中し始めた。
「萌香俺と比呂の間に入れ!」
「大地わかったそれ使うんだね」
比呂が大量に涌き出る敵を相手にしついに、エネルギーチャージが完了した。
「比呂!離れろ!ぶっ放すぞ」
俺の合図で比呂が散開し、俺は電磁砲の引き金を引いた。
物凄い光の閃光が一線となり、敵の集団を一掃した。
「大地大丈夫?」
萌香が心配して俺に駆け寄るが、至って無事だ。
12万S稼げた、3人で40000Sずつ分けあった。
ログアウトするその時だった、更なる新手の敵が沸きだした。
これ以上相手にしたら、体力が持たない、だがせっかくだからやる事にした。
「比呂、これで最後な」
最後の力を振り絞り、敵を相手にするが処理しきれない。
「手を貸そうか?」
その時だった、シルバー装備を身につけた廃課金プレイヤー、ノイシュが助けに来てくれた。
「ノイシュさんいつの間に?」
神出鬼没だなこの人は。
ノイシュのお陰で、ピンチを乗りきった俺達はログアウトした。
本日の稼ぎは12万S、40000S分け合い換金額400円、前回よりはマシだな。
ログアウトしたら、目の前に長身で短髪の男がいた。
「鳴沢先生!」
そう、目の前に居たのは俺達の学校の先生、鳴沢真先生だった。
鳴沢先生は俺達のクラスで副担任で社会科の先生だ。
なぜ、鳴沢先生がここに居るんだ、俺達は不思議そうにしていた。
「お前らはうちのクラスの生徒じゃないか、神野に成瀬、野上か」
「先生どうしたんですか?」
萌香が不思議そうに聞き出した。
「ん?いやーうちの鬼嫁がな、稼ぎ悪いからこれで副業しろとか言うしな、教師の給料て安いからな、わはははっ」
「その割りにはかなり課金してますね?」
俺が先ず疑問に思った事だった。
「楽に狩りたいからへそくり使って嫁に内緒で課金しました、すいません」
おいっ待て!一応教師だよな?しかも給料安いとか言うし、謝れ!教師目指している夢を持った若者に謝れ。
ちなみに俺は教師は目指してない、だって休み潰してまで学校行事に関わるのはごめんだ。
「お前らもこのゲームやりこんでるんだな」
「えっ?あっはいっ!でも学生らしい生活はしてますよ」
俺はちゃんと真面目に道を踏み外す事はしていないと言う事を話した。
「ま、これも何かの縁だお前らこの事内緒で頼むな」
て言うか言わねーし、しかしあれだなこの人はダメ教師の称号を与えたい位だった。
先生に挨拶をし、今回の狩りは終了した。
まさかの先生がプレイヤーとはびっくり
よね頂きありがとうございました