3話 校内ハンティング
リアルとオンラインゲームが混同する世界で、リアルマネー稼ぐ、本当に稼ぐ事は出来たが、金額がうまい棒買えるくらいの額だった。
高額稼ぐには数こなすしかない、世の厳しさを痛感した。
翌朝学校にて、いつもと変わらない授業を受けるが、休み時間になった。
「大地次の授業自習だとさ」
「お前、まさか・・」
「狩りに行こうぜ!」
やっぱりこうなるのか・・・。
俺は乗り気じゃないのに比呂はやる気満々、萌香が黙って見過ごす訳がない。
昨日の出来事を話すが、大地はこの世界は楽しいとか言いやがる、楽しければ良いのかこいつは・・・。
キーンコーンカーンコーン!!
授業開始のチャイムが鳴る、教科担任の先生が不在のため、代わりの先生が本日自習の旨を伝えに来て、教室を去った。
真面目に勉強する者もいれば、騒いでお喋りする者多数。
「大地それじゃ行こうぜ!」
「お前本当に行くのか?」
「あんた達何企んでるの!?」
察しが良い萌香は早速俺達に食らいついた。
「えっ!あっいや何でもねーよ!なぁ大地」
「何で俺に振るんだよ」
「あんた達まさか?」
本当に察しが良い萌香は、俺達が狩りに行くのを見破った。
「あんた達の監視役であたしも行くからね!」
やっぱりこうなったか・・・
ログイン開始!
時が止まり、空間が赤く染まる、学校の生徒や教師が居なくなっていたが、ログインしているのは俺達だけじゃなかった。
俺達の学校の生徒何人かログインしている、剣士や魔導師が何人かちらほら見えた。
「意外とウチの学校のプレイヤーいっぱいいるんだな」
俺は唖然としていた。
「しかし、大地や野上みたいなキャラはさすがに居ないな」
比呂の言う通り、俺や萌香の様なキャラは居なくて当然だ、俺の様なガンナーは、中遠距離攻撃は魅力だが、武器があまり出回ってないのと育成に多少苦労する、まさに玄人向けジョブだから、萌香に関しては言うまでもなくソロ狩り不向き、攻撃魔法もない回復支援型育成に挫折する、姫キャラな為物好きなプレイヤーしかやらないわけだ。
それなのに萌香は・・・・
「大地がこんなに苦労するなら、あたしはもっと苦労する」
とか言うし、もっと別の所で苦労しろよ・・たかがゲームだぞ。
校内を徘徊するが校庭はやはり他のプレイヤーがいるため狩場が混み合っていた。
「サクサク狩りたいから人が少ない場所に行くぞ」
俺は口火を切ると二人はあっさり承諾、萌香の事を考え、安全に狩れる場所を探すが。
「大地!屋上もダメだな校庭を諦めて屋上や体育館に流れてるわ」
「ダメか・・・校庭、体育館は諦めるぞ」
人の少ない狩場を探すが・・思い当たるふしが見つからない・・。
「さて・・どうしたものか・・・」
俺は行き詰まり、その場を立ち尽くすが、比呂が妙案を思いついた。
「二人ともちょっとそこで待っててくれ!」
そう言って比呂はどこかへ行ってしまった、どこかと言っても校内だけど。
待っている間・・暇だった。
「ねぇ大地あんたさぁ・・好きな子いるの?」
「はぁっ?こんな時に何を聞くんだお前は!」
「だって暇だしさ」
「秘密・・・・」
「えーーーーっ!!教えなさいよ!!」
俺は幼馴染でいつも一緒だった萌香の事が好きだなんて・・・言えるわけないだろ。
それに今告白したとこで・・・・・もしも振られた時の事を考えると・・・
俺は恋に関しては臆病だった、傷つくくらいなら無茶はしたくない。
それでも俺は萌香の事応援したいし、あいつの支えになれれば、て思ってしまう。
しばらくしてから比呂が戻って来た。
「おーーーーい大地!!連れて来たぞモンスター」
何を考えているんだこいつは、モンスターを大量に連れて来た。
昨日戦ったゴブリンが主だったが。
「お前これ多すぎだろ!!」
「殿しんがりこそ負け戦の華だぜ大地」
戦国時代と勘違いしてる比呂、比呂は戦国マニアだったのを俺は忘れていた。
もう、この際どうにでもなれ!やけになった俺はモンスターを迎え撃つ。
「萌香危ないからもう少し離れろ」
「う、うんわかった」
萌香に指示を出しモンスターめがけて銃を打ち放つ。
「比呂場所が悪いからそのモンスター達連れてこい」
場所が悪くて当然だ、俺達が居るのは廊下だし、場所が狭い。
俺は階段の踊り場まで引きつける事を思いついた。
「このまま上に行くぞ!」
程よくモンスターを攻撃しつつ敵を引きつける。
階段を上がりきって踊り場に着いた。
「比呂範囲攻撃しろ!」
「あいよー必殺旋風槍!!」
比呂が槍を振り回すと一面につむじ風が発生し、モンスター達を一蹴するが、また次のモンスターが襲来、今度はウルフがいた。
こいつは動きが素早く、爪で引っ掻き、噛みつくタイプ。
「大地こっち来るよーーー!」
防衛ラインを越えられて萌香に突進するウルフ、すかさず俺は銃を連射ウルフを仕留めるが、比呂が連れて来たモンスターの群れは3人でどうにかなる状況じゃなかった。
「比呂お前責任取れよ!こっちの体力もたねーぞ」
モンスターの最後尾あたりから群れが崩れていく、一人の男剣士のプレイヤーが助けてくれた、上級プレイヤーだろうか・・・シルバーソードにシルバーアーマー、かなりレアな装備をしたアバタ―が廃課金者に見えた。
「助かりましたありがとうございます、俺はブラックヴァイパーと言います」
比呂や萌香なら本名で呼ぶが、知らないプレイヤーにはHNで名を名乗った。
「おれはヴェイクと言います」
「あたしはモカりん」
俺たちは名を名乗り剣士のプレイヤーが名を名乗る。
「俺はノイシュだ、お前らも授業サボり軍団か?」
この学校のプレイヤーと言う事はわかったが課金率半端ないだろこいつ。
「ガンナーにランサーにプリーストか、随分と苦労するジョブだな、ま、頑張れよ」
と言ってノイシュはログアウトした。
俺達もログアウトしようとした、今日はロクに稼げていないからだ。
ログアウトし、いつもの教室に戻った。
俺はもう疲れて自習をいい事に、寝ていた。
まさかの授業サボりのハンティング
他の生徒もいるとはね
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