13話 スタジアムでハンティング
更新遅くてすいません本当に、
最新話です。
あの文化祭後の出来事から、萌香とあまり上手く会話出来ていない、別に喧嘩をしているわけでもないが何か調子が狂う。
翔子はと言うと、有栖美魅の名前で俺達の学校で文化祭ライブを成功させた。
勿論素性を知っているのは俺と萌香だけだ。
一週間経ち、俺宛に郵便物が届いた。
開けてみれば野球観戦のチケット4枚・・・。
手紙も添えてある、差出人は翔子だった。
ーーー今度の試合で始球式をやるから良かったら見にきてね。
P.S 大地君には一番見てほしいな。
おいおい・・・正直翔子の気持ちがわからない。
******
観戦当日、メンバーは俺と萌香、比呂と千春だ。
スタジアムはドームなので雨の心配もいらない。
「大地せっかくだドーム内を縦横無尽に駆け回ろう」
「比呂やはりそう来たか・・・」
千春も滅多に入れない場所に入れるという冒険心で参戦決定だが萌香はまだ決めてない。
確かにスタジアム内を一般人が容易く入れる場所じゃないし、最近ゲーム内で課金すると言えば経験値アップの薬くらいか。
でも、ゲーム以外でも使うお金を貯めるなら持って来いのこのゲーム、乗り気じゃないが俺も参戦する事にした。
ログインするタイミングは試合開始3分前。
観戦客は既にビールを飲んで出来上がってる大人もいれば、子供の面倒を見ながら観戦する親子連れや応援したいチームのユニフォームを着た人達、カップルもいるが当然のごとくイチャイチャしてやがる。
******
オーダー発表が始まり試合開始3分前。
「んじゃ行くか」
「あ、あたしも…い、行く」
さっきからあまり喋らなかった萌香がやっと口を開いてくれた。
正直者少しほっとした。
「野上!ちゃんと大地に守ってもらえよ!」
「うっさいわね!成瀬あんたこそ千春ちゃんをフォローしなさいよ!」
比呂が茶化してくれたおかげでいつもの萌香だ、よかった・・・。
「ほらッ!大地行くよ!」
「萌香・・元気出たみたいだな良かった・・」
つい本音を口に出してしまったが萌香が更に赤面し目を逸らされ、ぼそっとお礼を言われた。
******
戦闘開始!客席からグラウンドに抜ける扉を開け、グラウンドから攻める事に。
「人工芝すげーな大地!柔らかいぞ」
「あーはいはいっ」
狩りするんじゃないのか・・・人工芝の柔らかさに感動している比呂。
「げっ!オイッ比呂気合い入れろよ相手が今までと格が違う」
グラウンドには見慣れないモンスターが・・・いやこれは恐竜と言うべきか・・むしろ恐竜だ。
「でかいな・・・比呂むやみに突っ込むなよ!」
相手はティラノザウルス、危険極まりない相手だ。
「うおぉーいっくぜー!」
言ってるそばから闇雲に突っ込む比呂。
結果、返り討ちに会う。
「や、やられた」
「人の話を聞けーお前は!」
瀕死の状態になりつつも萌香の回復魔法で復活した。
どうやって相手をするか・・・相手は身の丈5メートルはある、俺の銃も役に立ちそうにない。
どこか、どこかに弱点があるはずだ。
距離を取り、ふとメニュー画面を開いた。
「アップデートにより、ガンナー専用の属性弾丸を実装しましただとー!?」
不覚だった、いつアップデートしたんだ。
「大地?」
「神野君?」
心配そうに萌香と千春が俺を見る。
「いや、何でもないよ大丈夫!活路が見えたかも」
「本当か?大地」
比呂が不思議そうに問いただすが、弾丸調達に困った。
新しく実装された弾丸調達に悩む中、課金ショップに弾丸が売られてるじゃないか。
「こんな偶然あり得ん!しかも一発250円かかるのか」
俺は課金する決断をした、時間がない理由で。
慎重に選ばないと無駄な買い物をしたことになる、弾丸を物色するが中々決まらない。
ーーー5分経過ーーー
冷気属性弾丸に決めた、なぜなら液体窒素と同じ性能だからだ。
つまりは、冷気弾丸でティラノザウルスを凍らせてヤツの細胞を全て凍らせる作戦だ。
課金した弾丸は2発、つまりは500円課金だ。
とにかく、弾丸が貫通しやすい場所を探すが暴れて狙いが定まらない。
「比呂、あいつの足止め頼む!」
「わ、わかったぜ!」
策が思いつきまず足止めをするために比呂に囮になってもらう。
「萌香と桃井さんは比呂の援護を!」
「わかった!」
二人は揃って返事をし、作戦開始。
萌香がバリアで比呂をガード、千春のステータスアップの歌で俺と比呂のステータスアップを図る。
「うぉっしゃーいっくぜー!」
比呂がティラノザウルスに突進し、俺は冷気弾丸を銃に装填。
比呂が上手く相手をかわしながら、ダメージを与えていく。
「比呂!尻尾を押さえろ!」
俺の一声で比呂がティラノザウルスの尻尾に槍を突き刺した。
だが、そう上手くはいかない。
あまりにも暴れているため比呂は槍を突き刺すのを止めて、距離を取り直す。
「大地すまない!」
申し訳なさそうに俺に謝る比呂、次なる手を考えついてはいるが。
「比呂!次の手だ!この作戦は比呂が居なくては完遂しない!」
と、まぁプレッシャーを与えてしまう事を言ってしまったが比呂はやる気満々だ。
「比呂ヤツの正面に立ってくれ玉砕覚悟で」
「ちゃんとフォロー頼むぜ!」
不安になりつつも作戦決行。
萌香に再びバリアの魔法をかけてもらい、比呂はティラノザウルスに突進する、俺は比呂の真後ろについた。
「大地!あいつ大口開いたぜ」
この時を待っていた、俺は比呂に横に散る様に指示を出し狙いを俺に向けさせる。
「喰らえー!」
銃に装填した冷気弾丸を口にめがけて2発の銃弾を発砲する。
「大地あぶねーっ!」
撃ち込んだと同時にティラノザウルスの爪が俺にめがけて引っ掻き攻撃を仕掛けたが間一髪比呂が助けてくれて無傷で済んだ。
「大地見て!」
萌香の一言でティラノザウルスを見ると、体がみるみる凍りついていく。
液体窒素並みに効果がある冷気弾丸に恐れ入った、あんなに凍りつくとは。
完全に動かなくなったのを見計らい、比呂の一撃で止めを刺した。
稼ぎは300000S=3000円稼ぎ、今回は俺と比呂の二人で分配していいと萌香と千春が言い出し有り難く頂戴した。
せっかくだからこのお金で萌香に何か奢るかな。
ログアウトして、翔子の始球式を見届け俺達は試合観戦を楽しんだ。
自分も何度か野球観戦見に行きます。
そして、週末見に行きます。
読んで頂きありがとうございました。