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12話 文化祭ハンティング

文化祭てあまり良い思い出ないですな

ぶっちゃけ、よくサボりました。

 


 夏休みが終わり、2学期が始まる。

 俺達の学校は文化祭と体育祭と言う面倒なイベントが待っている。


 やっちまった・・・あの夏祭りの日に・・・やってしまった。

 そう、課金してしまった、しかも、高額。


 チャイムが鳴り、担任のHRホームルームが始まる。

「男子共!喜べ!女子の転校生だ入りなさい」


 ガラガラ!!


「秋山翔子です2学期からですがみんなよろしくね♪」


 俺は目を疑った、翔子が転入してきた。

 これは2学期から嵐の予感。

 席は俺の隣かと思いきや萌香の配慮で萌香の隣になった。


 翔子の話に寄れば編入学試験を受けて俺達の学校に転入するとは、大胆な行動に恐れ入る。


 文化祭に向けて、クラスの出し物を決める会議が始まり、協議の結果俺達のクラスはパンケーキとワッフルと珈琲に決まり、俺は裏方やってれば良いと勝手な判断をしている。

 どうせ休憩中に比呂が狩りに行こうとか言い出すだろうな。


 ******


 文化祭当日、役割分担を皆こなし休憩に入る。

「大地君この学校の校舎案内してよ!狩りしながらどうかな」


 何を言い出すかと思ったら・・・・。


 てっきり比呂が言ってくるかと思ったら、まさかの翔子から切り出してくるとは。

 その会話を聞いていたのか、萌香が話に割り込み、校舎案内なら同行すると言い出し、翔子の思い通りにさせない作戦だろうな。


 ******


 ログインし、誰も居ない校舎でもプレイヤーはちらほらと見かける。

 今回は比呂と千春は抜きで行う。

「案内してもらいながらお小遣いを稼ごう作戦スタート!」


 そんな作戦名だったのか・・・。


 先ずは音楽室から美術室を案内する。

「あっ大地君モンスターがいるよ、ほらほら早く撃って」


 やっぱりこうなるわけか。


 俺は良いように振り回されてる気がする。

 しょうがないから、俺1人でモンスターを撃退。


 少しは援護してくれ・・・・・。


 次に理科室、調理室、保健室、屋上からの最後は体育館、その他にもあるが主に授業を受ける場所を案内する、勿論購買や学食もあるがそこはスルーした。


 理科室に来ると科学薬品の匂いなのか、モンスターが匂いにつられてうじゃうじゃ湧き出始める。

「さすがに多すぎるだろこれ」

「大地無理しなくて良いよ・・・」

 萌香が気遣うが、好きな人の目の前ではやはり良いとこ見せたい願望があらわれ、俺は強気に出る。

「リアルに死ぬわけじゃないし大丈夫」


 何て強気な発言をしたが正直不安だらけだ。

 だが、俺はやり遂げた、萌香に見てもらいたかったからなのか。

「大地君すごーい1人でモンスターの群れを倒しちゃうなんて」

 感心するなら本当に少しは援護してくれ。


 最後に体育館に向かうが、壁のポスターに目が止まる。


 ーーーーメガネっ子アイドル有栖美魅ありすみみあなたの学校の文化祭に来ますーー

「有栖美魅?マジで来るの?アタシ美魅ちゃんのファンだよ」


 知らなかった・・・萌香がアイドルの有栖美魅のファンだったとは。

「ささっ大地君次行こう」

 明らかに翔子の様子がおかしい、何か隠してる。


 ん?翔子のHNハンドルネームはアリス・・・まさかな・・。


 とりあえずその事はひとまず置いといて体育館に辿り着く。


 ******


 着いたは良いが、今までにない強敵が。

 体育館のギャラリーまで届くくらいの背丈に、一つ目をした巨体モンスターサイクロプスだ。


 銃を打ち込むも、やはりしぶとい中々倒れない。

「今度ばかりは手を貸してあげるよ」

 翔子も強敵と見なして援護してくれ始めた。

「いっくよ~メテオストライク!!」

 翔子の魔法で怯んだ隙に電磁砲レールガンのエネルギーチャージ。

「翔子後何回打てる?」

「後1回かな~」

「わかった萌香!」

「うん!」


 萌香が何をしたいかわかったようで、バリアを俺達にかけてくれた。

 当然今は当たっても痛くはない。


 チャージ完了!

 電磁砲が閃光を発し、サイクロプスの目に直撃し見事に倒した。

 ここまで50000S=500円、翔子はいらないとか言い出したから有り難く萌香と分配しログアウトした。


 ******


 ログアウトし、真っ先に翔子に聞きたい事があった。

「ありがとう有栖美魅さん」

「ふぇ?なにを言ってるの大地君」


 明らかに動揺している。


「ポスターの写真見たけどそっくりだよ・・・誰にも言わないから白状しようか」


 この言葉に観念したのか翔子が喋り出す。

 萌香にも内緒にしてもらう事を了解したが。

「わたしね、高校入学してから芸能スカウトされて、アイドルやらせて貰ってるの」


 気になるのはアイドルが比呂と付き合ってた事実を事務所にバレたらどうなるんだ。

「比呂君は中学の時に付き合ってたの今の現状は比呂君も知らないよ」


 翔子の説明はまだ続く。

 どうやらこの学校に来た理由も、友達になれた俺達と一緒に卒業したいからだとか。


 ******


 放課後、翔子のマネージャーに人気のない場所に呼ばれ、俺と萌香はこの事は内緒でお願いしますと釘を刺されるが、ちなみにマネージャーは女性だ。

 むしろ俺は言うつもりはないし、秋山翔子として接すると答えた、勿論萌香も同じ答えだ。


「大地君、萌香ちゃんありがとう」


 翔子の嬉しそうな顔がとても目に焼き付いた。


 翔子と別れ、萌香と一緒に帰るが。

「萌香危ない!」

「えっ」


 車にひかれそうになったから慌てて萌香を抱き寄せる様に助けたが。


 チュッ・・・・。


 不意な事故なのに抱き寄せた瞬間に萌香の唇が俺の頬に当たった・・・・。

「だ、大地、あ、ありがとう」

「ぶ、無事で良かったな」

 お互い顔が合わせられず、このまま家に帰宅した。


 ヤバい・・・眠れない。


 萌香との出来事に眠れず、再び1人でログインし、気を紛らわし、ひたすら狩りをする。

 とにかく撃って撃って撃ちまくった。


 明日どんな顔をして会えば良いんだか。


まさかの翔子が転校生として、やって来るとは

事故とは言え萌香の唇が・・・

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