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虚空の女王  作者: 凛音
序章
6/9

閑話休題 親友とイベント2

僕たちがやってきたのは新宿にある某書店。

名前は伏す。

(・・・・・・っていうか古林さん仕事よりイベント優先?)

なんて僕は呆れていたのだが、あとから櫻咲さくらざきさん・・・・・・と言うらしい古林さんの親友さんから聞いたところによると

「宙はまだいい方だよ。仕事片づけてから来てるしさ。この中には仕事休んでまで整理券入手してるのに、1週しかしない人の方が多いから」

と聞かされた。

(仕事を休むのはどうかと思うが、1週くらいが普通ではないのだろうか?)

僕がそう思っていたのが表情に出ていたらしい。

櫻咲さんが更に補足をしてくれた。

本気のファンの人は、安いセットを数冊とか高いセットを買う。

らしい。

もっとも櫻咲さんは、なだゆーのファンではないらしいので、僕と一緒に外野観戦している訳だが

ちなみに古林さんは1冊セット9週、3冊セットの一番高いやつは1週の計10週するそうだ。

(長くなりそうだなぁ。僕は僕の仕事をしよう。)


「ちょっとあそこのカフェでコレ読んできます。」

櫻咲さんにそう声をかけたら、

「じゃあ、私も行くかな。」

っということで、何故か二人でカフェに行くことに

あ、古林さんにはちゃんと声をかけていきましたよ。


ようやくあと少しで1週目だ。

間に合ってよかった。

ユーリちゃんと凛珂はカフェに行くのか。

デート?

ま、いいや。後で冷やかしてやろう。


10週するのはいいんだけどさ、全然いうこと考えてないんだよね。

ま、成り行きに任せよう。

緊張してそれどころじゃないんだよ。

なだゆーのことはデビュー時から応援してるけどさ、

こういう1対1のイベントって実はやるの初めてなんだよね。

だから私自身も初めての経験な訳で、正直緊張しない方がおかしいって

次はいよいよ私だ。

1~9週目は1冊セットだから、握手と簡単な会話だけ。

いざ!


「カレンダー発売おめでとうございます。」

「ありがとうございます。」

笑顔で言ってくれるとか、ホント天使か。

「私のこと覚えてくれましたか?」

他に言うことあるだろ。って思ったやつ。

本人目の前にするとパニくってそれどころじゃなんだよ!

「もちろん。古林さん。ですよね?」

なだゆーは目を見て話してくれるんだよ。

恥ずかしいやら緊張やらで私たちはまともに顔見れないけどな。

「そうです! ありがとうございます。嬉しいです!」

っと喜んでる場合じゃない。

スタッフさんに促されてしまった。

握手は軽くささっと終わらせて、物をもらって1週目終了。


続いて2週目の列に並ぶ。

まだ、結構いるなぁ。

凛珂達の方はどうなったかな?


カフェに着いた僕と櫻咲さん。

別々に座るのもおかしいので、とりあえず相席することに。

僕が古林さんの原稿を読んでいる間、櫻咲さんは一言もしゃべらなかった。けど

読み終わって、僕が一息ついた頃。

「宙の小説。」

「え?」

「ソレ、面白い? 売れてる?」

無表情は相変わらずだが、声音的に親友を心配しているのかな?

「このシリーズ。ですか? 1作目はじわじわと人気が広がってますよ。」

「そっか。」

微かにだけど、櫻咲さんの表情が和らいだ気がした。


「そういえば、まだお名前伺ってなかったですね。」

「あぁ、櫻咲 凛珂。フリーで色々やってます。」

名刺にもフリーランスと書かれている。

「あ、どうも。僕は・・・・・・」

「知ってる。瀬戸 友理でしょ?」

名刺と一緒に名乗ろうとしたら先に言われてしまった。

「古林さんから?」

「うん。なだゆーにそっくりな新人編集が来たーって愚痴ってた。」

「新人は否定しませんけど、僕。そんなに似てるんですか? えっとそのなだゆー?さんに」

好きな俳優さんに似ているなら、もう少し優しくしてほしいものだ。

と僕は思う。

「似てるねぇ。顔だけじゃなく声も。」

「声もですか?」

「そ、だからさっきスタッフが開始直前に君に間違って声かけてきたでしょ?」

確かにさっきスタッフらしき人から声をかけられて、訳が分からなかったけど。

「多分、今いるなだゆーと同じ格好したらパッと見見分けつかないかもね~。影武者出来るよ。君」

そこまで似ているのか。

では、何故古林さんは僕にあんな冷たい態度をとるんだ?

「あ? 宙は特別だよ。」

「え?」

「君。顔に出過ぎ。」

「あはは・・・・・・」

そんなに顔に出ていただろうか?

しかし、古林さんが特別とは一体。

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