第8話 5年後
原田優希19歳の大学2年生。彼女いない歴もう少しで2年になる。一応高校の時に付き合った人はいました。でも麻美以上に好きになれなかった。というより、自然な流れで付き合ったから告白なんてありえない。そんな元カノに今SNS上でストーカーされていた。
“優希おはよー。しっかりご飯食べてね”
無視した。僕にはまだチャンスがあった。なんと成人式の同窓会のお知らせが届いた。麻美に会える。ちなみに僕はイベントの仕事をしている。裏方の仕事をしていると、裏方の有難味がわかる。今日はイベント絡みで選挙スタッフの仕事が入っていた。
「原田くん、スタッフさんの動かしとか大丈夫?」
彼女はイベント会社の先輩、伊藤千尋。1つ上の大学生。勿論女としては見ていない。良き相談者だ。
「千尋先輩に言われたくないですよ。イベントの仕事して4年ですよ。」
「そうだね。私会社入って2年だし。経歴順だと原田くん先輩だね。」
「まあ頑張りましょ。」
そう言って配置についた。仕事現場は地元だから、麻美は来るかなと少しだけ思っていた。期待はしていなかったけど…。
午後になった。麻美のことは頭に入っておらず仕事に没頭した。その時だった。
「優希?」
麻美っ!そうか20歳だもんね。投票用紙を渡すときテンパった。久しぶりに麻美を見て秒殺のキュン死にだった。すべてを愛することができる。麻美は無言で投票用紙を受け取った。
休憩中に千尋先輩がいろいろ質問してきた。
「あの娘誰?」
「中学校の時の好きだった人です。」
「いまはどうなの?」
そんなに興味津々に聞かないでよ。
「正直なところ、まだ未練はあります…。」
「すごく可愛い娘だね。見た感じ原田くんと似合ってそうだったよ。」
「片思い歴7年ですからね。」
笑える。ご飯を食べながら2人で笑っていた。
市内を歩いていたら、ストーカーされている元カノに会った。元カノの名前は、高橋美沙。
「優希!」
げっ。
「何かよう?」
「何で避けるの?」
「嫌いだから。」
「どうせ優希のことだからモテてないんでしょ?」
「言っておくけど今度の同窓会で彼女出来そうだし。」
根拠ないなー。
「だからもう関わらないで。大事に思っている人がいるの。美沙は俺のこと何とも思っていなかったんでしょ?」
「………。」
「何で付き合ってたんだろうね。」
そう言って僕は去って行った。嫌になった。
今日は凛とデート。デートとは言っても深い意味はないですよ。幼馴染同士の絡み。
「同窓会行くん?」
「てか行く前に麻美に会ったよ。」
「えっ?話したの?」
「仕事中だったから声は掛けられなかったけど…。」
「高校の時にな、麻美が結構優希のこと私に聞いてきたんよ。」
女は考えていること分からないよなー。
「そうか。今度の同窓会が最後のチャンスだと思っているから。麻美に告白する。」
「最後のチャンス無駄にせんでよね。私がフラれた意味考えてや。」
分かってる。分かってるって。 続く