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再び  作者: ユアサヒトミ
5/16

第5話 立ち直り

何もかも失った僕は1週間学校を休んだ。休みの日の今日、凛と塁に連れられご飯と食べに行った。

「立ち直った?」

塁が心配そうに僕に言った。

「そこそこ…。」

「でもしばらくは休めるし良いと思うよ。」

励ましの言葉?塁の後ろから3人分のカレーを持って凛が椅子に座った。

「カレー食べて元気出しー。」

「いただきます。...まあしばらくは2人とも遊べるし...逆に良かったと思うよ。」

カレー美味しいんですけど。(笑)

「ほんまにええの?」

「何が?」

「優希、麻美ちゃんに告白してないだろ?」

カレーを食べているスプーンの手が止まった。

「告白できる時が来るよ。その内。」

2対1で来られると言い返しづらいな…。

「それってどうなの?」

「塁、何言ってるの?」

「麻美ちゃんが他の男に取られるかもしれないよ。」

「麻美に言われたんだよ。関わらないでって…。」

「...そうなんや。」

話してもらえるには2年は掛かるだろう。

「中学も同じだし大丈夫だよ。」

2人は心配そうに僕を見つめた。

「仮にだよ。告白する前に麻美ちゃんに彼氏が出来たらどうするの?見てられる?」

確かに見てられないかも。いつのまにか食べているカレーをさっきから掻き混ぜ続けていた。

「長期戦を覚悟しーや。」



♪♪♪~

僕は家で録音していた自分のラジオを聴いていた。最後となったラジオです。振りかえれば僕は調子に乗りすぎていた。そんな中、DJ明日香さんからメールが届いた。

“優希君元気?(・o・)”

“放送事故となったラジオを聴いています。(笑)”

“立ち直ったようだね。心配しないで。私は優希君の味方だよ。(>_<)”

分かりやすいお世辞。

“これからは言葉を選ぼうと思いますよ。”

“小学生の発言じゃないよそれ。(*^_^*)”

思い切って明日香さんに電話をしてみた。

プルルル...プルルル...。

「お疲れ優希君。もう大丈夫だよね?一応確認。ハハハハハ。」

「明日香さん僕、麻美に嫌われちゃいました。」

「好きな子って、その子だったんだね。」

「で...でも明日香さんの助言通り告白しますよ。少し時間掛かりますけど…。」

「そう…、良い男になって麻美に告白してね。」

「それと僕、アナウンサーを目指します。」

「おー、何で何で?」

「タレント辞めて思ったんです。伝えることがどれだけ大切なのか、それに言葉は人を傷つけてしまうんですね。だから今度は自分の言葉で人を励ましてあげたいんです。」

心の中で自分自身にエールを送った。

「大丈夫。強くなってまた私とラジオをしようね。約束だよ。」

「はい約束です。」

僕は強く心に誓った。



季節は巡り、もう卒業シーズン。卒業アルバムも完成間近。卒業まで麻美が隣の席である。嬉しいのか悲しいのか…。

「よーし皆。卒業アルバムの男子人気ランキング ベスト3を言うぞ。」

訳分からないことをする先生。事前に女子に投票させていたのだ。興味は全然無い。勿論ベスト3に僕は入っていなかった。が...しかし。

「4位は優希。1票入っているぞ。」

はっ?何故?僕は無意識に凛の顔を見た。けど凛は顔を横に振って“私ちゃうよ”って口パクしてる。そしたら誰だよ。女子なら麻美と凛しか話していないよ。まさか…。でも聞けない…。

学校が終わって凛と下校中、凛に何が起きたか問いかけた。

「私が優希に入れる訳無いやん。」

確かに。それに女子しか投票出来ないもんね。

「麻美ちゃんちゃう?」

「期待させるなって。」

調子に乗ったらまた同じミスをする。期待しちゃダメだ。

「中学校に入っても同じクラスになると良いね。」

凛に向けて、そして麻美に向けて言った。

こうして僕らの小学校生活が終わった。とても成長できた小学校生活だったなと僕は思った。麻美に告白するチャンスは後3年。   続く

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