第4話 とんでもないことをやってしまった
野活も終わり、僕たちは小学校6年生になった。凛が僕と麻美を隣の席にさせた。本当にお節介。そしてこの時期は修学旅行。でもその日はラジオ収録だ。その時からかな?僕はタレント活動を辞めたいと考えていた。
パラパラッパパーン♪♪“みなさんこんにちはDJ明日香です。今日は原田優希君をゲストにお迎えしていきます。”
「最近優希君良い顔して来ましたね。恋愛顔ですか?」
「正直に言うと少し恋愛モードです。」
「どういう子が好きなのですか?」
「隣の人ですかね。」
「やっぱり好きな人いたんだね。その子聞いているんじゃないの?」
少しだけ聞いていないだろという思いがあった。
「今日皆修学旅行でいないんですよ。」
今頃皆修学旅行楽しんでいるんだろうなー。
修学旅行の夜であろう時間に塁に電話を掛けた。
「もしもし塁かー。」
「優希、お前何してるんだよ。」
「何って?」
「ラジオ聞いたぞ。お前、麻美のことラジオで言っただろ。」
そんなはずはない。
「ちょっと待て。何で知っているんだよ?」
「クラス中で騒ぎになっているぞ。」
「とりあえず後で掛け直す。」
電話を切った。
凛は?凛なら対処してくれるはずだ。凛に電話を掛けた。
「もしもし凛?麻美は?」
「麻美泣いてる…。あんたラジオで何言ったん?」
冗談ごとではないようだ。
「とにかく話は帰ってから聞くわ。」
手から自然と汗が出てきた。
翌日学校に行った。クラス全員が僕を変な目で見てきている。そんな中、麻美が教室に来た。
「……………」
何も言えない。
「原田、電話だ。」
先生に呼び出された。
1件目は事務所で、2件目は家からだった。
「もしもし社長。」
完全に怒られる。
「何故ラジオであんな発言をした?」
「腹はくくっています。」
「タレント辞めるってことか?」
小学生にしては大きすぎる代償だ。
「辞めます。」
僕はどれだけの責任を取るべきなのか?
次の日僕は、麻美に屋上に呼ばれた。少し間が開いた後、麻美が言った。
「何で私なの?」
「何でって…。」
「もう話したくない。だからお願い、もう関わらないで。」
そう言って僕の前から去って行った。
終わった…。なんてことをしてしまったんだ。
タレント活動も恋の方も何もかも失った。 続く